平和な日常~春~
初日のスイーツ食べ放題以来若い女の子を中心に賑やかな連休だった店だが、それもいよいよ最終日となっていた
「この前頼んだ歌は覚えてくれた?」
「ああ、たまに聴いてるからほとんど覚えたぞ」
ゴールデンウイーク初日以来いろいろサービスをしていた横島だったが、流石に最終日の今日はいつもと変わらぬ日替わり限定メニューだけである
そんなこの日は連休にしては比較的暇であり、お昼頃から来ていた桜子と話し込んでいた
「じゃ、またカラオケ行こうよ! 麻帆良にも安くていいカラオケ屋さんあるんだよ」
一緒に来たビッケとクッキがカウンターの上でくつろぐ中、桜子と横島は前にカラオケに行った時の話で盛り上がる
あれ以来横島は店の営業で時間が合わずに一緒にカラオケに行けてないが、桜子達は毎週一回は必ずと言っていいほど行くほどカラオケが好きらしい
「そうだなー 連休明けたら行くか?」
「うん、約束だよ」
女の子にカラオケに誘われることに横島は素直に嬉しそうだし、桜子もまた横島とカラオケに行くのが楽しみなようだ
今のところお互いに恋愛感情が全くない横島と桜子だが、妙に気が合うと言うか今を楽しみたいという感覚は似てる部分があるようである
「にゃ~」
そんな感じで二人が話をしていると構って欲しいと言わんばかりにビッケは自分から擦り寄って行くが、クッキは自分からは動かないで横島と桜子をじっと見つめていた
この二匹は仲はいいのだが性格が分かりやすいほど正反対であり、ビッケが要領がいいのに対してクッキは多少損な性格なようである
「もう少ししたら、お前らにも美味い魚を食わせてやるからな~ いい子にしてるんだぞ」
擦り寄って来たビッケと待っていたクッキを一緒に抱き上げた横島は、二匹が望むように撫でたりしてスキンシップをしていく
この辺りは密かに言葉が通じる横島の特権なのだろうが、普通の人間と動物が苦労するような意思疎通が出来るだけに他人が見たら驚くほど動物が懐くのだ
特にビッケは一人でも店に来るため、常連ならば誰でも知る存在だった
「おう、いらっしゃい」
「あの……、来週の土曜日大福を百個お願いしたいのですが……」
そんな時に店を訪れたのは茶々丸である
どこか申し訳なさそうと言うか言いにくそうな茶々丸は、突然大福の大量注文を頼む
「大福って前にサービスで出したやつか?」
「はい、茶道部の定例茶会にマスターが持参したいらしいのです」
「うちは和菓子屋じゃないんだけどなー まあ、いいっか。 来週の土曜日でいいんだな」
茶々丸の表情の理由に気付き思わず笑ってしまう横島だが、断るのも茶々丸がかわいそうだと思い引き受ける事にしていた
横島の返事に茶々丸はホッとした表情を見せるが、彼女の視線は横島よりも横島に抱えられてるビッケとクッキに釘付けである
「相変わらず猫好きだなー ほら抱いてみるか?」
「いえいえ、私はそんな……」
茶々丸の視線に気付いた横島が社交的なビッケを茶々丸に渡そうとするが、茶々丸は何故か慌てた様子で挙動不審になってしまう
「この前頼んだ歌は覚えてくれた?」
「ああ、たまに聴いてるからほとんど覚えたぞ」
ゴールデンウイーク初日以来いろいろサービスをしていた横島だったが、流石に最終日の今日はいつもと変わらぬ日替わり限定メニューだけである
そんなこの日は連休にしては比較的暇であり、お昼頃から来ていた桜子と話し込んでいた
「じゃ、またカラオケ行こうよ! 麻帆良にも安くていいカラオケ屋さんあるんだよ」
一緒に来たビッケとクッキがカウンターの上でくつろぐ中、桜子と横島は前にカラオケに行った時の話で盛り上がる
あれ以来横島は店の営業で時間が合わずに一緒にカラオケに行けてないが、桜子達は毎週一回は必ずと言っていいほど行くほどカラオケが好きらしい
「そうだなー 連休明けたら行くか?」
「うん、約束だよ」
女の子にカラオケに誘われることに横島は素直に嬉しそうだし、桜子もまた横島とカラオケに行くのが楽しみなようだ
今のところお互いに恋愛感情が全くない横島と桜子だが、妙に気が合うと言うか今を楽しみたいという感覚は似てる部分があるようである
「にゃ~」
そんな感じで二人が話をしていると構って欲しいと言わんばかりにビッケは自分から擦り寄って行くが、クッキは自分からは動かないで横島と桜子をじっと見つめていた
この二匹は仲はいいのだが性格が分かりやすいほど正反対であり、ビッケが要領がいいのに対してクッキは多少損な性格なようである
「もう少ししたら、お前らにも美味い魚を食わせてやるからな~ いい子にしてるんだぞ」
擦り寄って来たビッケと待っていたクッキを一緒に抱き上げた横島は、二匹が望むように撫でたりしてスキンシップをしていく
この辺りは密かに言葉が通じる横島の特権なのだろうが、普通の人間と動物が苦労するような意思疎通が出来るだけに他人が見たら驚くほど動物が懐くのだ
特にビッケは一人でも店に来るため、常連ならば誰でも知る存在だった
「おう、いらっしゃい」
「あの……、来週の土曜日大福を百個お願いしたいのですが……」
そんな時に店を訪れたのは茶々丸である
どこか申し訳なさそうと言うか言いにくそうな茶々丸は、突然大福の大量注文を頼む
「大福って前にサービスで出したやつか?」
「はい、茶道部の定例茶会にマスターが持参したいらしいのです」
「うちは和菓子屋じゃないんだけどなー まあ、いいっか。 来週の土曜日でいいんだな」
茶々丸の表情の理由に気付き思わず笑ってしまう横島だが、断るのも茶々丸がかわいそうだと思い引き受ける事にしていた
横島の返事に茶々丸はホッとした表情を見せるが、彼女の視線は横島よりも横島に抱えられてるビッケとクッキに釘付けである
「相変わらず猫好きだなー ほら抱いてみるか?」
「いえいえ、私はそんな……」
茶々丸の視線に気付いた横島が社交的なビッケを茶々丸に渡そうとするが、茶々丸は何故か慌てた様子で挙動不審になってしまう