平和な日常~春~
「元気な人やな~ 昨日も朝まで図書館島におったのに……」
「元気だけが取り柄なんだわ」
「元気なのはいいですけど、ちょっとは考えてからメニュー出してくださいね。 麻帆良は情報が伝わるのが早いから、あんまりサービスしすぎると今日みたいになるんですから」
元気な横島に感心半分呆れ半分な木乃香と明日菜だったが、あまりにも考えなしにメニューを出す横島に明日菜は思わずダメだしを始める
一応年上への気遣いはまだ残っているが、自分よりも考えなしに見える横島には流石に言わずにはいられなかったようだ
「迷惑かけて悪かったな。 次からは気をつけるよ。 あと二人とも今日のバイト代は奮発するから勘弁してくれ」
「奮発って……、本当にちゃんと考えてます?」
申し訳なさそうにペコペコと謝る横島だったが、次の瞬間にはバイト代を奮発すると簡単にサービスするその軽さに明日菜はため息をはくしか出来ない
頭のネジが何本か抜けてるのかと疑いたくなる明日菜だったが、同時に何故他人の横島の心配を自分はこれほど真剣にしてるのだろうと考えると何とも言えなくなっていた
「余ったスイーツ持ってっていいぞ。 俺一人じゃ食いきれないし明日出す訳にもいかんからな」
明日菜の心配をよそに横島は相変わらずの調子で余ったスイーツを箱に詰めて、持ち帰るように準備をしていく
「まあ大丈夫やないん? 今日みたいに混むなんて滅多にあらへんし……」
「そうかな~ 私はまたなんかやらかしそうな気が……」
明日菜と対照的に木乃香はなんとかなるのではと簡単に考えているが、それが彼女の天然なのか直感なのかは相変わらず不明である
ただ木乃香と明日菜に共通するのは、また横島は何かをやらかすという予想だった
木乃香は結果的になんとかなると感じてるが、明日菜は何ともならないと感じてる
まあ臨時収入になるしスイーツもたくさんサービスして貰っただけに明日菜に損はないのだが、何か予感めいたモノを感じずにはいられなかったようだ
「いつも思うけど、なんであの人があんなに繊細な料理作るんだろ? 性格は適当でおおざっぱなのに、料理だけはきっちりしてるのよね」
「そやな~ でも横島さん頭もええで。 昨日図書館島でラテン語の本読んでたんよ」
「えっ……!?」
話をしながら店から寮に帰る二人だったが、木乃香が昨夜の事を話すと明日菜は驚いた様子で固まってしまう
横島にはいろいろ驚かされる事があったが、明日菜の中では横島=頭が悪いという図式が成り立っていたのだから
「なんで大学も行かんと旅なんかしてたんやろな~」
「なんかさ……、何でもアリになって来たわね。 体力もあるんでしょ? 男版超鈴音って感じ?」
まるで何も出来ないような態度をしつつ実際は何でもそつなく物事を熟す横島に、明日菜はクラスメートの超鈴音を思い出す
才能や実力が凄いのに、実際にはたいした事ないように振る舞うところがどこか似てる気がした
「超りんよりは抜けてる気がするわ~ 超りんは普段からしっかりしてるけど、横島さんはどっか抜けてるやん」
「それもそうね。 でも二人揃うとどうなるのかちょっと楽しみだわ」
知り合って一ヶ月を越えたにも関わらず今だに新しい一面を見せる横島に、二人の話題は尽きる事なく寮に着くまで続いていった
「元気だけが取り柄なんだわ」
「元気なのはいいですけど、ちょっとは考えてからメニュー出してくださいね。 麻帆良は情報が伝わるのが早いから、あんまりサービスしすぎると今日みたいになるんですから」
元気な横島に感心半分呆れ半分な木乃香と明日菜だったが、あまりにも考えなしにメニューを出す横島に明日菜は思わずダメだしを始める
一応年上への気遣いはまだ残っているが、自分よりも考えなしに見える横島には流石に言わずにはいられなかったようだ
「迷惑かけて悪かったな。 次からは気をつけるよ。 あと二人とも今日のバイト代は奮発するから勘弁してくれ」
「奮発って……、本当にちゃんと考えてます?」
申し訳なさそうにペコペコと謝る横島だったが、次の瞬間にはバイト代を奮発すると簡単にサービスするその軽さに明日菜はため息をはくしか出来ない
頭のネジが何本か抜けてるのかと疑いたくなる明日菜だったが、同時に何故他人の横島の心配を自分はこれほど真剣にしてるのだろうと考えると何とも言えなくなっていた
「余ったスイーツ持ってっていいぞ。 俺一人じゃ食いきれないし明日出す訳にもいかんからな」
明日菜の心配をよそに横島は相変わらずの調子で余ったスイーツを箱に詰めて、持ち帰るように準備をしていく
「まあ大丈夫やないん? 今日みたいに混むなんて滅多にあらへんし……」
「そうかな~ 私はまたなんかやらかしそうな気が……」
明日菜と対照的に木乃香はなんとかなるのではと簡単に考えているが、それが彼女の天然なのか直感なのかは相変わらず不明である
ただ木乃香と明日菜に共通するのは、また横島は何かをやらかすという予想だった
木乃香は結果的になんとかなると感じてるが、明日菜は何ともならないと感じてる
まあ臨時収入になるしスイーツもたくさんサービスして貰っただけに明日菜に損はないのだが、何か予感めいたモノを感じずにはいられなかったようだ
「いつも思うけど、なんであの人があんなに繊細な料理作るんだろ? 性格は適当でおおざっぱなのに、料理だけはきっちりしてるのよね」
「そやな~ でも横島さん頭もええで。 昨日図書館島でラテン語の本読んでたんよ」
「えっ……!?」
話をしながら店から寮に帰る二人だったが、木乃香が昨夜の事を話すと明日菜は驚いた様子で固まってしまう
横島にはいろいろ驚かされる事があったが、明日菜の中では横島=頭が悪いという図式が成り立っていたのだから
「なんで大学も行かんと旅なんかしてたんやろな~」
「なんかさ……、何でもアリになって来たわね。 体力もあるんでしょ? 男版超鈴音って感じ?」
まるで何も出来ないような態度をしつつ実際は何でもそつなく物事を熟す横島に、明日菜はクラスメートの超鈴音を思い出す
才能や実力が凄いのに、実際にはたいした事ないように振る舞うところがどこか似てる気がした
「超りんよりは抜けてる気がするわ~ 超りんは普段からしっかりしてるけど、横島さんはどっか抜けてるやん」
「それもそうね。 でも二人揃うとどうなるのかちょっと楽しみだわ」
知り合って一ヶ月を越えたにも関わらず今だに新しい一面を見せる横島に、二人の話題は尽きる事なく寮に着くまで続いていった