平和な日常~夏~3
それから二時間ほど過ぎて午後二時頃になると、さよとタマモが夕映達と交代する。
「俺は一緒に行ってやれんけど、いろいろあるみたいだからこれで遊んで来るといい」
「横島さん、一人一万円は多すぎや」
ようやく祭りを見て回れるようになったさよとタマモに、横島は一緒に行けないことを謝りつつも一人に一万円を渡そうとするが木乃香に止められてしまう。
木乃香としては余計なお世話と知りつつも、どこか常識とズレてる横島には注意せずにはいかなかったらしい。
そもそもさよとタマモにあまり金銭感覚がないのを木乃香は理解している。
加えて横島自身は金銭感覚はあるが、二人に関しては甘やかし過ぎているのだ。
結局横島は一人五千円渡して遊びに行かせるが、木乃香や夕映達はまだ多いと感じていたのは言うまでもない。
「タマちゃん、とりあえず一通り見て歩きましょうか?」
「うん。 あれなに?」
横島に小遣いを貰った二人は手を繋いで人混みの中を流れに乗って歩いて行くが、タマモにとっては珍しい物の連続だった。
ステージでは先程までは麻帆良祭で人気を得たロックバンドが演奏していたが、今は動物の着ぐるみを着た演劇が行われている。
題名は《動物の森の殺人事件》らしい。
まあ殺人事件と言っても内容はコメディであり、子供でも楽しめる内容だったが。
タマモは気になる物を見つけてはさよに何かと尋ねるが、残念ながらさよもあまり解らずに二人でなんだろうねと首を傾げる場面が多々あった。
そんな二人が興味を示したのは、ステージから離れた場所でやっていた流しそうめんである。
大学部の流しそうめん愛好会というサークルが、全長十メートルにも及ぶ長い距離で流しそうめんをしていたのだ。
「なんでそうめんを流すんでしょうね?」
「わかんない」
流しそうめんは結構人気があるらしく楽しそうに食べてる人達が大勢居るが、さよとタマモは何故わざわざそうめんを流すのか疑問に感じたらしい。
そのまましばらく流しそうめんを楽しむ人々を見ていた二人だが、せっかくだから自分達も体験してみようと流しそうめんを食べることになる。
「おもしろいね」
「そうですね~。 なんで流すのかわかりませんけど、面白いです」
竹の樋に流れてくるそうめんを、二人は眺めてるだけで楽しそうだった。
中盤の席に座りしばらく眺めていた二人は、いよいよ流れてくるそうめんを食べてみる。
それは流石に横島が作るように絶品と言える味では無かったが、それでも平均よりは上でかなり美味しかった。
二人は知らないが流しそうめん愛好会は、流しそうめんを美味しく食べることに情熱を注いでいる。
タレや薬味などもバリエーションが複数あり、楽しく美味しいをモットーにしてるので人気があるのだ。
「横島さんも来れたらよかったんですけどね」
「うん、こんどはいっしょに来たい」
タレを変え薬味を変えて流しそうめんを味わう二人は、夏の暑さを忘れるほど楽しそうだった。
この楽しさをみんなと一緒に味わいたいと考えるさよとタマモは、いつか横島やみんなと一緒に来ようと笑顔で話していた。
「俺は一緒に行ってやれんけど、いろいろあるみたいだからこれで遊んで来るといい」
「横島さん、一人一万円は多すぎや」
ようやく祭りを見て回れるようになったさよとタマモに、横島は一緒に行けないことを謝りつつも一人に一万円を渡そうとするが木乃香に止められてしまう。
木乃香としては余計なお世話と知りつつも、どこか常識とズレてる横島には注意せずにはいかなかったらしい。
そもそもさよとタマモにあまり金銭感覚がないのを木乃香は理解している。
加えて横島自身は金銭感覚はあるが、二人に関しては甘やかし過ぎているのだ。
結局横島は一人五千円渡して遊びに行かせるが、木乃香や夕映達はまだ多いと感じていたのは言うまでもない。
「タマちゃん、とりあえず一通り見て歩きましょうか?」
「うん。 あれなに?」
横島に小遣いを貰った二人は手を繋いで人混みの中を流れに乗って歩いて行くが、タマモにとっては珍しい物の連続だった。
ステージでは先程までは麻帆良祭で人気を得たロックバンドが演奏していたが、今は動物の着ぐるみを着た演劇が行われている。
題名は《動物の森の殺人事件》らしい。
まあ殺人事件と言っても内容はコメディであり、子供でも楽しめる内容だったが。
タマモは気になる物を見つけてはさよに何かと尋ねるが、残念ながらさよもあまり解らずに二人でなんだろうねと首を傾げる場面が多々あった。
そんな二人が興味を示したのは、ステージから離れた場所でやっていた流しそうめんである。
大学部の流しそうめん愛好会というサークルが、全長十メートルにも及ぶ長い距離で流しそうめんをしていたのだ。
「なんでそうめんを流すんでしょうね?」
「わかんない」
流しそうめんは結構人気があるらしく楽しそうに食べてる人達が大勢居るが、さよとタマモは何故わざわざそうめんを流すのか疑問に感じたらしい。
そのまましばらく流しそうめんを楽しむ人々を見ていた二人だが、せっかくだから自分達も体験してみようと流しそうめんを食べることになる。
「おもしろいね」
「そうですね~。 なんで流すのかわかりませんけど、面白いです」
竹の樋に流れてくるそうめんを、二人は眺めてるだけで楽しそうだった。
中盤の席に座りしばらく眺めていた二人は、いよいよ流れてくるそうめんを食べてみる。
それは流石に横島が作るように絶品と言える味では無かったが、それでも平均よりは上でかなり美味しかった。
二人は知らないが流しそうめん愛好会は、流しそうめんを美味しく食べることに情熱を注いでいる。
タレや薬味などもバリエーションが複数あり、楽しく美味しいをモットーにしてるので人気があるのだ。
「横島さんも来れたらよかったんですけどね」
「うん、こんどはいっしょに来たい」
タレを変え薬味を変えて流しそうめんを味わう二人は、夏の暑さを忘れるほど楽しそうだった。
この楽しさをみんなと一緒に味わいたいと考えるさよとタマモは、いつか横島やみんなと一緒に来ようと笑顔で話していた。