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平和な日常~夏~3

木乃香達二人が入ったことでギリギリだった横島達も一段落するが、それでも忙しいことには変わりない。

ただ横島も今回の屋台はあまり変わったことをするつもりはないので、これ以上忙しくはならないはずだった。

この後しばらくすると夕映とのどかや他の2-Aの少女達も手伝いと様子見にやって来るが、横島は後でよかったら手伝ってほしいと頼んでいく。

祭り自体はお昼から夜の九時までを予定しているので、さよとタマモと木乃香達をずっと働かせる訳にもいかない。

三時間くらいずつ交代で手伝ってくれるように頼み、後は少女達が勝手にシフトを組んでいた。



「お願いですから、普通の挨拶をして下さいね」

そのまま時間はあっという間に過ぎて行き、祭り開始のセレモニーが開かれると横島は主催者として挨拶をすることになった。

報道部の司会で行われるセレモニーだったが、横島はステージに上がる前にあやかに普通に挨拶するように釘を刺される。

無論横島は特に怪しげな行動をしてる訳ではないが、そろそろあやかも横島を理解して来たらしい。


「せっかく新ネタの学園長先生の物まねを披露しようと思ったのに……。 それに俺が普通に話してもつまらんだけだろうが」

「セレモニーに笑いは必要ありません。 公式の場なのですから普通にお願いします」

超に挨拶を頼まれてからずっとネタを考えていた横島は残念そうに食い下がるが、あやかはお願いだから普通にしてほしいと再三に渡り頼む。

結局横島は少々つまらなそうにしたが、主催者として無難に普通の挨拶をして終わることになる。


「横島さん普通だったわね。 何かするかと思ったのに」

「あやかちゃんに止められてな。 せっかくネタを考えていたんだけど」

挨拶が終わり屋台に戻ると、明日菜と木乃香は横島が普通に挨拶したことに少し驚いていた。

どうやら彼女達も横島が何かをやらかすと考えていたらしい。

ただ運営する側としては、開始早々に脱線するのは避けたかったのだろう。

麻帆良の場合はこの手の脱線から盛り上がると収拾がつかなくなるので、あやかが止めたのはしごく当然なのだが。



「あの二人、麻帆良祭の写真の二人じゃねえ?」

そして屋台の方は主催者挨拶で目立った横島と木乃香が一緒に調理をしてると、例の写真を思い出す人がぽつぽつ増えていた。

結構インパクトがあった写真なだけに、気付かれると物珍しさからか横島と木乃香が働いてる姿の写真を撮る者まで現れる。


「あっ、タマちゃんお手伝い偉いね!」

加えて横島と木乃香の次に注目を集めてるのは、幼いながら必死に働くタマモだった。

こちらは結構顔見知りが多いからか、女子中高生によく声をかけられている。

横島も一緒に声をかけられはいるが、タマモの方が人気だったのは言うまでもない。

麻帆良に来てからだいぶモテてる横島だったが、やはりタマモには完敗だった。



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