平和な日常~夏~2
「じゃあ行くか」
その後ハニワ兵は結局一緒に連れて行くことになり、タマモが抱えて歩くことで落ち着く。
とりあえず人前で動かないようには言ったが、多分人前で動いても人形かおもちゃに見えるので問題はないだろう。
幼いタマモが抱えると若干趣味の悪い人形を抱えてるようにも見えるが、タマモ本人が満足そうである以上取り立てて言うことはない。
車に関しては素直に電車で都内まで行くことにしたので、横島達は近くの駅まで歩いて移動していた。
「自分の足で歩くって不思議な感覚ですね……」
そんな訳で出発した横島達だったが、六十年ぶりに実体を得たさよは歩くことや風を感じることに感激しながら歩いている。
ちなみにさよとは出発前に幾つかの約束事を決めており、具体的には幽霊だということを他人に話さないことなどを約束させていた。
クラスメートや知り合いに会っても話し掛けてはダメだとも約束したが、正直実体を得て浮かれているさよがどこまで理解してるかは微妙かもしれない。
さてそんなこの日は夏休み初日ということで、麻帆良のあちこちには多くの学生がおり横島達が出掛ける姿も見られている。
当然何人の女子中高生は横島とタマモに声をかけて来るが、横島はさよを友人の娘だと相変わらず適当な嘘をついていた。
友人の娘が夏休みを利用して麻帆良に遊びに来たということにしており、特に疑われることもなく何の問題も起きてない。
そもそも学園都市である麻帆良には年間を通して多くの観光客なども訪れるが、夏休みや冬休みなどは学生が訪れることも多いのだ。
日本では珍しい西洋風の街並みは当然人気だし、麻帆良学園の大学や高校は進学先としても人気が高い。
高校や大学の進学を望む学生が旅行や下見に訪れることは、決して珍しくはないのだ。
従って見知らぬ学生が居ても何の不思議もない。
最も麻帆良学園には中等部だけで複数の学校があり、さよ達の女子中等部の他にも共学や男子中等部など様々ある。
実際に同じ学年でも顔も知らない同級生なんてのは当然居るし、当の麻帆良学園の教師ですら一見しただけでは学園の生徒か部外者かは分からないのだが……。
まあ横島自身は結構な有名人なので、またおかしな噂や誤解が広がらないようにさよを友人の娘にしたようでる。
「うわ~、電車って静かで早いんですね」
「でんしゃすごい」
そのまま横島は近くの駅から電車に乗り都内を目指すが、さよとタマモは初めての電車に瞳を輝かせて驚いていた。
どうもさよの場合はうっすらと記憶の中にある昔の汽車と比べてるらしく、乗り心地やスピードなど驚きの連続らしい。
一方のタマモは車と比べてて広くて大きな電車に驚いており、実は電車をよく理解してなくただ凄いと感じてるだけだったりする。
まるで一昔前の田舎者みたいな反応の二人は結構目立っているが、その光景が微笑ましいからか特別嫌な視線が向けられてはいない。
ただそれでも二人は周りの乗客を見て静かにしないといけないとすぐに悟り自発的に静かにはなるが、その輝く瞳は相変わらずでキョロキョロと電車や窓の外の景色を眺めていた。
その後ハニワ兵は結局一緒に連れて行くことになり、タマモが抱えて歩くことで落ち着く。
とりあえず人前で動かないようには言ったが、多分人前で動いても人形かおもちゃに見えるので問題はないだろう。
幼いタマモが抱えると若干趣味の悪い人形を抱えてるようにも見えるが、タマモ本人が満足そうである以上取り立てて言うことはない。
車に関しては素直に電車で都内まで行くことにしたので、横島達は近くの駅まで歩いて移動していた。
「自分の足で歩くって不思議な感覚ですね……」
そんな訳で出発した横島達だったが、六十年ぶりに実体を得たさよは歩くことや風を感じることに感激しながら歩いている。
ちなみにさよとは出発前に幾つかの約束事を決めており、具体的には幽霊だということを他人に話さないことなどを約束させていた。
クラスメートや知り合いに会っても話し掛けてはダメだとも約束したが、正直実体を得て浮かれているさよがどこまで理解してるかは微妙かもしれない。
さてそんなこの日は夏休み初日ということで、麻帆良のあちこちには多くの学生がおり横島達が出掛ける姿も見られている。
当然何人の女子中高生は横島とタマモに声をかけて来るが、横島はさよを友人の娘だと相変わらず適当な嘘をついていた。
友人の娘が夏休みを利用して麻帆良に遊びに来たということにしており、特に疑われることもなく何の問題も起きてない。
そもそも学園都市である麻帆良には年間を通して多くの観光客なども訪れるが、夏休みや冬休みなどは学生が訪れることも多いのだ。
日本では珍しい西洋風の街並みは当然人気だし、麻帆良学園の大学や高校は進学先としても人気が高い。
高校や大学の進学を望む学生が旅行や下見に訪れることは、決して珍しくはないのだ。
従って見知らぬ学生が居ても何の不思議もない。
最も麻帆良学園には中等部だけで複数の学校があり、さよ達の女子中等部の他にも共学や男子中等部など様々ある。
実際に同じ学年でも顔も知らない同級生なんてのは当然居るし、当の麻帆良学園の教師ですら一見しただけでは学園の生徒か部外者かは分からないのだが……。
まあ横島自身は結構な有名人なので、またおかしな噂や誤解が広がらないようにさよを友人の娘にしたようでる。
「うわ~、電車って静かで早いんですね」
「でんしゃすごい」
そのまま横島は近くの駅から電車に乗り都内を目指すが、さよとタマモは初めての電車に瞳を輝かせて驚いていた。
どうもさよの場合はうっすらと記憶の中にある昔の汽車と比べてるらしく、乗り心地やスピードなど驚きの連続らしい。
一方のタマモは車と比べてて広くて大きな電車に驚いており、実は電車をよく理解してなくただ凄いと感じてるだけだったりする。
まるで一昔前の田舎者みたいな反応の二人は結構目立っているが、その光景が微笑ましいからか特別嫌な視線が向けられてはいない。
ただそれでも二人は周りの乗客を見て静かにしないといけないとすぐに悟り自発的に静かにはなるが、その輝く瞳は相変わらずでキョロキョロと電車や窓の外の景色を眺めていた。