平和な日常~夏~

次の日麻帆良学園の中学や高校では、恒例の定期テストのクラス別順位発表が各学校で行われていた。

相変わらず賑やかにお祭り騒ぎをしながら発表するのだが、女子中等部でも多くの生徒達が順位発表を心待ちにしている。


「また最下位に戻ったりして……」

「他のクラスはみんな気合い入ってるもんね」

賑やかなか中でも緊張感はある中等部だったが、例外として2-Aはあまり緊張感がない。

正直最下位でも気にしないというか別にいいんじゃないかと考えてる者も多く、前回がまぐれで今回は定位置の最下位に戻るだろうと考えてる者もそれなりに存在した。

特に他の二年は教師と生徒が一緒になって頑張ってるクラスが多いことから、2-Aは麻帆良祭なんかのお祭りだけは強いというイメージがあるのだ。

しかもそれは当の本人達も同じイメージを持っており、気楽というか真剣さが足りない自分達がいい成績を残せるとは思ってない子も存在する。

そんなテストの順位発表だが、なんと前回よりも上位の11位だった。

上位から発表されていく校内放送を見ていた2-Aの少女達も、この辺りはまだ関係ないだろうと緊張する前に自分達の順位が発表されてしまったのだ。


「うわ……」

「マスターの山かけが当たっただけなのに……」

その時自分達には関係ない順位だろうとおしゃべりしていた少女達は、突然自分達のクラスが呼ばれた為に一瞬にして静まり返る。

冗談じゃないかと半ば本気で考える者も居たりするし、そもそも他力本願の山かけリストでこれほどクラスの順位が上がるとは本人達も思えなかったようだ。


「でもアスナ達はかなり頑張ってたのよね。 その成果もあるんじゃない?」

正直順位は下がることはあっても上がることはないだろうと考えていた2-Aの少女達だが、よくよく考えてみると今までと違ったのは山かけリスト以外にも明日菜達バカレンジャー組も地道に頑張っていたことだろう。

特に明日菜はのどかと一緒に早めに勉強をしており、横島の店で勉強してる姿が見られていた。

他にも前回のテストでは勉強しなかった残りのバカレンジャー組も今回はテスト前には勉強をしているのだから地道な成果もある。

だがどうしても本人達は自分達が11位なのが信じられないらしく半信半疑だったが……。


「これはまたお祝いのパーティーを開かなきゃダメよね!」

「じゃ、今回もマスターの店に決まりだね」

予想以上の順位に驚きや戸惑いがあった2-Aの少女達だが、一部の者はすぐに我に返りに順位上昇おめでとうパーティーを開こうと盛り上がり始める。

前回同様に横島の店でおめでとうパーティーだと騒ぐが、最早横島の許可を取る前に話はどんどん進んでしまう。


「横島さんはオッケーや」

「今回は食材はこちらで用意しますわ。 毎回お世話になる訳にも行きませんから」

横島はきっとパーティーを喜ぶと理解してる2-Aの少女達は勝手にパーティーを開くことで盛り上がるが、その脇では木乃香達やあやかが横島に連絡をしたり食材を用意したりと準備を進めていく。

流石にいつも横島に頼りっぱなしにするのは、常識を持つ者からするとありえないらしい



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