麻帆良祭
午後になり超包子のメンバーが来ると厨房はだいぶ楽になっていた
やはり営業経験は大きいらしく、午前中と比べると大学生を中心に客が増えていたがたいした混乱などなく対応を出来ている
そしてこの日の午後は雪広グループの関係者が視察にやって来たのだが、こちらも問題なく終わっていた
食材提供した雪広グループ関係者としては料理の味が少し気になっていたようだが、中学生の学園祭どころか一般の料理店とも張り合えるレベルの料理に驚きの声が上がったほどである
正直あやかの意向と麻帆良学園との付き合いからの支援の意味合いが強かった企画なのだが、予想以上の味に麻帆良祭後の商品化をとの意見まで出されるほどであった
そして夕方になりこの日の営業は終了となるが、初日ということもあり横島は最後まで厨房を離れること無く終わる
「お嬢ちゃん、もう終わってしまったんかいのう?」
初日の営業が終了して三十分ほどした頃、最後のお客が帰った少し後に一人の老人がキョロキョロと店を見渡していた
季節的に少し早いアロハシャツを着ており、ちょっと派手なファンシーじいちゃんといった感じの老人である
「ごめんね~ 本番までは夕方で終わりなの」
入口を入りキョロキョロ見渡していた老人の対応をしたのは、カウンターの掃除をしていた美砂だった
「そうか……」
「ちょっと待っててね。 まだ何か作れるか聞いてみるから」
今日は終わりだと告げた美砂だったが、老人が残念そうな表情を見せると可哀相になり厨房に事情を話しにいく
厨房で相談されたのは横島だったが、横島がこの手の話を断るはずもなく残りの材料で出来る料理でいいならと許可を出していた
「お嬢ちゃん優しいのう。 実は孫に話しを聞いて来たんじゃ。 楽しみにしとったんじゃが飛行機が遅れてのう」
結局美砂の好意に甘える形で老人はカレーと青椒肉絲を頼んだのだが、料理を待つ間に美砂と世間話程度の話を始めるがどうも老人は誰か関係者の祖父らしい
しかも飛行機で来たと告げる老人に美砂が驚いていると……
「あっ!?」
「おっ、アスナちゃんも大きくなったのう」
話しの最中にちょうど夕刊の配達を終えた明日菜が戻って来ると、明日菜は老人を見て固まっている
老人は明日菜を見て笑顔で手を振っており、美砂は明日菜のおじいちゃんかと首を傾げていた
「お久しぶりです。 お元気そうでなによりです」
「ねえアスナ。 この人アスナのおじいちゃん?」
割とフレンドリーな老人に対して明日菜は珍しく敬語を使っている
美砂は何かおかしいと感じ老人が明日菜のおじいちゃんかと尋ねるが、明日菜は苦笑いを浮かべて否定していた
「美砂知らないのね。 この人いいんちょのおじいちゃんよ」
「いいんちょってことは……、雪広グループの会長さん?」
「うん」
明日菜に聞かされた老人の正体に美砂は完全に固まっている
まさかそんな偉い人だとは全く思わなかったようだった
やはり営業経験は大きいらしく、午前中と比べると大学生を中心に客が増えていたがたいした混乱などなく対応を出来ている
そしてこの日の午後は雪広グループの関係者が視察にやって来たのだが、こちらも問題なく終わっていた
食材提供した雪広グループ関係者としては料理の味が少し気になっていたようだが、中学生の学園祭どころか一般の料理店とも張り合えるレベルの料理に驚きの声が上がったほどである
正直あやかの意向と麻帆良学園との付き合いからの支援の意味合いが強かった企画なのだが、予想以上の味に麻帆良祭後の商品化をとの意見まで出されるほどであった
そして夕方になりこの日の営業は終了となるが、初日ということもあり横島は最後まで厨房を離れること無く終わる
「お嬢ちゃん、もう終わってしまったんかいのう?」
初日の営業が終了して三十分ほどした頃、最後のお客が帰った少し後に一人の老人がキョロキョロと店を見渡していた
季節的に少し早いアロハシャツを着ており、ちょっと派手なファンシーじいちゃんといった感じの老人である
「ごめんね~ 本番までは夕方で終わりなの」
入口を入りキョロキョロ見渡していた老人の対応をしたのは、カウンターの掃除をしていた美砂だった
「そうか……」
「ちょっと待っててね。 まだ何か作れるか聞いてみるから」
今日は終わりだと告げた美砂だったが、老人が残念そうな表情を見せると可哀相になり厨房に事情を話しにいく
厨房で相談されたのは横島だったが、横島がこの手の話を断るはずもなく残りの材料で出来る料理でいいならと許可を出していた
「お嬢ちゃん優しいのう。 実は孫に話しを聞いて来たんじゃ。 楽しみにしとったんじゃが飛行機が遅れてのう」
結局美砂の好意に甘える形で老人はカレーと青椒肉絲を頼んだのだが、料理を待つ間に美砂と世間話程度の話を始めるがどうも老人は誰か関係者の祖父らしい
しかも飛行機で来たと告げる老人に美砂が驚いていると……
「あっ!?」
「おっ、アスナちゃんも大きくなったのう」
話しの最中にちょうど夕刊の配達を終えた明日菜が戻って来ると、明日菜は老人を見て固まっている
老人は明日菜を見て笑顔で手を振っており、美砂は明日菜のおじいちゃんかと首を傾げていた
「お久しぶりです。 お元気そうでなによりです」
「ねえアスナ。 この人アスナのおじいちゃん?」
割とフレンドリーな老人に対して明日菜は珍しく敬語を使っている
美砂は何かおかしいと感じ老人が明日菜のおじいちゃんかと尋ねるが、明日菜は苦笑いを浮かべて否定していた
「美砂知らないのね。 この人いいんちょのおじいちゃんよ」
「いいんちょってことは……、雪広グループの会長さん?」
「うん」
明日菜に聞かされた老人の正体に美砂は完全に固まっている
まさかそんな偉い人だとは全く思わなかったようだった