二年目の春・9
「いろいろやってんなぁ。」
そのまま街をぶらぶらしていた横島達であるが、麻帆良祭前日ということもあり、すでに多くの出店やイベントなんかは行われている。
ちょっと参加したいなと思う物もあるが、混んでいたり手加減が難しいものなどが多く見ているだけだ。
「そこの間抜けそうな君。 暇なら勝負していかないかね?」
まあ見てるだけでも楽しく、三人で談笑しながら歩いていくが、そんな時に限って突然横島が見知らぬ男に、小バカにしたように声を掛けられてしまう。
しかも相手はイケメンでブランド物を身に付けた上に、美女を侍らせてるような横島が一番嫌いなタイプである。
「なんか甘いものでも食うか?」
「そうですね。」
「あっちに行ってみたい屋台があるんです。」
ただ明らかに関わると厄介そうなオーラをプンプンとさせるイケメンに、横島はスルーすることにしたようで何事もなかったかのように通り過ぎようとした。
周りには野次馬が何人も居て人だかりを作っていて、明らかに横島達とイケメンを見ているが。
「待ちたまえ! 人が声を掛けたのに無視するとは失礼な奴だな!」
夕映とのどかも横島と一緒に居ることが多いので、また厄介事かと同じく慣れた様子で無視するが、イケメンは走って横島達の前に行くと、進行方向を塞ぐように立ち塞がった。
「君は随分モテるそうじゃないか。どちらが麻帆良一モテるか勝負だ!」
少し走っただけで息を切らしていたイケメンは、格好つけた態度で横島に改めて勝負を挑むが、横島達はまるで見えないかのごとく彼らの横を通り抜けると周囲からは失笑や爆笑されてしまう。
しかし、ここまで来ると最早後には引けないのだろう。イケメンは再び横島達の前に立ち塞がる。
「ハアハアハア……」
「悪いけど、暇じゃないんだ。 遊びたいなら他当たってくれ。」
そのまま三度ほど同じようなやり取りを繰り返すと、流石に横島もゲンナリした様子で答えるが、貴重な空き時間で男の相手などしたくはない。
丁重に断るものの、イケメンは最早残念イケメンにしか見えぬように目を血走らせて怒りの表情を浮かべる。
「知ってるんだぞ! 貴様の元カノが外国人の美女であることを! 君に恥をかかせて彼女は僕がもらう!」
一体何が目的なんだと横島達や周囲の取り巻きは不思議そうにするが、そんな時にイケメンが言い放ったのは予期せぬ言葉だった。
要は外国人の美女を自分のモノにしたいのが本音らしい。
「なんだ、こんなところに居たのか。」
なら本人を直接口説けよと、横島達と野次馬達のツッコミが心の中で重なった瞬間、運がいいのか悪いのかアナスタシアがタマモとさよとチャチャゼロを連れて現れる。
「うん? どうかしたのか?」
「そこの軽薄な兄ちゃんが、アナスタシアのこと好きなんだと。」
まさかのご本人登場に横島は面白くなりそうだと意味深な笑みを浮かべると、ポカーンとするイケメンを指差し横島はあっさりと暴露してしまった。
「ああ、また貴様か。 失せろ。」
「なんだ知り合いか?」
「ストーカーだ。」
ただ真実は横島以上に斜め上に飛んでいくらしい。
残念イケメンはアナスタシアに付きまとっていた、ストーカーらしい。
横島の店からの帰り道に待ち伏せしていて、高級外車でドライブや食事に誘う為に、週に二~三回は付きまとっていたらしいのだ。
そのまま街をぶらぶらしていた横島達であるが、麻帆良祭前日ということもあり、すでに多くの出店やイベントなんかは行われている。
ちょっと参加したいなと思う物もあるが、混んでいたり手加減が難しいものなどが多く見ているだけだ。
「そこの間抜けそうな君。 暇なら勝負していかないかね?」
まあ見てるだけでも楽しく、三人で談笑しながら歩いていくが、そんな時に限って突然横島が見知らぬ男に、小バカにしたように声を掛けられてしまう。
しかも相手はイケメンでブランド物を身に付けた上に、美女を侍らせてるような横島が一番嫌いなタイプである。
「なんか甘いものでも食うか?」
「そうですね。」
「あっちに行ってみたい屋台があるんです。」
ただ明らかに関わると厄介そうなオーラをプンプンとさせるイケメンに、横島はスルーすることにしたようで何事もなかったかのように通り過ぎようとした。
周りには野次馬が何人も居て人だかりを作っていて、明らかに横島達とイケメンを見ているが。
「待ちたまえ! 人が声を掛けたのに無視するとは失礼な奴だな!」
夕映とのどかも横島と一緒に居ることが多いので、また厄介事かと同じく慣れた様子で無視するが、イケメンは走って横島達の前に行くと、進行方向を塞ぐように立ち塞がった。
「君は随分モテるそうじゃないか。どちらが麻帆良一モテるか勝負だ!」
少し走っただけで息を切らしていたイケメンは、格好つけた態度で横島に改めて勝負を挑むが、横島達はまるで見えないかのごとく彼らの横を通り抜けると周囲からは失笑や爆笑されてしまう。
しかし、ここまで来ると最早後には引けないのだろう。イケメンは再び横島達の前に立ち塞がる。
「ハアハアハア……」
「悪いけど、暇じゃないんだ。 遊びたいなら他当たってくれ。」
そのまま三度ほど同じようなやり取りを繰り返すと、流石に横島もゲンナリした様子で答えるが、貴重な空き時間で男の相手などしたくはない。
丁重に断るものの、イケメンは最早残念イケメンにしか見えぬように目を血走らせて怒りの表情を浮かべる。
「知ってるんだぞ! 貴様の元カノが外国人の美女であることを! 君に恥をかかせて彼女は僕がもらう!」
一体何が目的なんだと横島達や周囲の取り巻きは不思議そうにするが、そんな時にイケメンが言い放ったのは予期せぬ言葉だった。
要は外国人の美女を自分のモノにしたいのが本音らしい。
「なんだ、こんなところに居たのか。」
なら本人を直接口説けよと、横島達と野次馬達のツッコミが心の中で重なった瞬間、運がいいのか悪いのかアナスタシアがタマモとさよとチャチャゼロを連れて現れる。
「うん? どうかしたのか?」
「そこの軽薄な兄ちゃんが、アナスタシアのこと好きなんだと。」
まさかのご本人登場に横島は面白くなりそうだと意味深な笑みを浮かべると、ポカーンとするイケメンを指差し横島はあっさりと暴露してしまった。
「ああ、また貴様か。 失せろ。」
「なんだ知り合いか?」
「ストーカーだ。」
ただ真実は横島以上に斜め上に飛んでいくらしい。
残念イケメンはアナスタシアに付きまとっていた、ストーカーらしい。
横島の店からの帰り道に待ち伏せしていて、高級外車でドライブや食事に誘う為に、週に二~三回は付きまとっていたらしいのだ。