麻帆良祭への道

厨房の確認を終えた横島と木乃香は大学部の付近をぶらぶらしていた

仮設店舗の方は雪広グループ側による最終確認がもう一度行われて、明日には2-Aの面々に渡される予定である

本来ならば店内のインテリアを今日からやるべきなのだろうが、まだ決まってない為に時間が空いてしまったのだ


「遊園地より凄そうなアトラクションがあるんだな。 それに動物のロボットまであんのかよ」

大学部近辺の大型アトラクションは凄まじい物が多かった

一般企業などの協賛のアトラクションやパビリオンも多く、下手な遊園地より豪華なアトラクションが結構ある

雪広グループ同様に宣伝を目的にした物も多いが、新技術などの試作のアトラクションなどもあるようだった

中には一般企業も多く、新製品や新技術の発表会も兼ねてるらしい


「クリアすると金券進展だってさ。 挑戦してみるか?」

「うん! 楽しみやわ~」

そのままぶらぶらしていた横島と木乃香だったが、すでにプレオープンしているアトラクションが気になり並んで遊ぶことにする

どうやら今年初登場のアトラクションらしく、お化け屋敷で悪いお化けをやっつけるシューティングゲームらしい


「うわ~、本物みたいやね~」

十五分ほど並びアトラクションに入るが、そこは機械仕掛けのお化けと映像や音を上手く組み合わせたハイテクお化け屋敷と言った感じだ

どうやら木乃香はここのお化けは怖くはないらしく、楽しそうに撃ち抜いていた


「こりゃ人気が出るな。 普通に楽しめるしカップルだと堂々とイチャつくことが出来るぞ」

アトラクション自体は楽しいのだが、木乃香が怖がって抱き着いてくるといったお約束がなかったことに、横島はちょっぴり残念だったりする

別に期待してた訳ではないが、残念なものは残念なのだ


「おめでとうございます。 パーフェクトです! 一万円分の麻帆良祭期間限定の金券です」

そのまま普通にアトラクションを楽しんだ横島と木乃香だったが、横島が特に遠慮もしなかったために二人は簡単にパーフェクトを達成してしまう


「もうパーフェクト出たのか? しかもカップルが!?」

「軍事研の連中これならパーフェクト出せるの何人も居ないって言ってたのに……」

横島と木乃香がさらっとパーフェクトを出した結果、運営する者達はアトラクションの難易度を変えるべきかと悩み始める

実はこのアトラクションは今日から始めたばかりであり、麻帆良祭まで難易度やら恐怖度を調整していくことになっていたのだ


「とりあえず様子を見よう。 あの二人ああ見えて案外プロのゲーマーかもしれんし」

オープン早々でパーフェクトを出された運営者達は、戸惑いながらも様子をみることになるのだが……

運が悪いことに某スナイパーやら某忍者やら某吸血鬼が、二日と空けないでパーフェクトを出してしまうことになる

その結果このアトラクションは一般人では決してクリア出来ないと言われる恐怖度と超難関なアトラクションになってしまうのだが、横島と木乃香には関係のないことだった

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