二年目の春
さてこの日は夕方の六時には店を閉めて雛人形のある二階で雛祭りパーティーをするということになっていた。
参加メンバーはいつもの面々に雪広さやかとエヴァとチャチャゼロと茶々丸と刹那に何故か近右衛門も呼んでいる。
基本的に今回の誕生パーティーはタマモが張り切っているというか仕切っていたのでメンバーを選んだのはタマモであるが、恐らくはチャチャゼロが来れるメンバーを選んだものだと思われる。
「誕生日おめでとう!!」
「きょうはね、さよちゃんとまどかちゃんのたんじょうぱーてぃーなんだよ!」
そんなこの日の横島宅のリビングはハニワ兵製の雛人形が印象的だった。
精巧な造りであることはもちろんだが何処か気品があり、はっきり言えば以前と違い生活感がある横島宅のリビングには若干ミスマッチだが意外に違和感はない。
ちなみに余談だが少女達が暮らす女子寮のロビーにはこちらも本格的な雛人形が飾られていて、寮生活をする少女達の目を楽しませていた。
この雛人形に関しては寮母とも言える年配の管理人の人の私物であり、親元を離れて暮らす少女達に雛祭りの雰囲気を楽しんで貰うことと少女達の幸せを願って飾っている物になる。
「誕生パーティー? 円さんの誕生日が今日なんですか?」
一応雛祭りパーティーということで昼に店で出していた甘酒やひなあられや菱餅も用意していたが、夕食は誕生パーティー用にと結構豪華なメニューだった。
美味しそうな料理に思わず笑顔になる一同だが食べる前に雛祭りパーティーではなくさよと円の誕生パーティーだとネタばらしするも、さよは完全に円の誕生パーティーだと思ったらしく何故自分には誰も教えてくれなかったのだろうと首を傾げる。
「だから二人の誕生パーティーなんだって。 生まれた年は違うけど誕生日同じなのよ。 知らなかったでしょ?」
正直この期に及んでもさよは自分が祝って貰うとは気付かない天然っぷりを発揮してしまい、爆笑する友人達に単刀直入に説明されるも今度は驚き固まってしまう。
そのあまりのリアクションに同じく誕生日の円のリアクションが薄く感じられるほどだが、彼女も違和感がない程度に驚いたリアクションをしてはいる。
「私、幽霊なのに……。」
「幽霊でも何でも誕生日は誕生日だろ? タマモが張り切って準備したんだぞ?」
一方驚き固まるさよはどんな表情をしたらいいか分からないと言わんばかりに周囲を見渡すが、正直心の準備が出来てなかったのだろう。
ある意味幽霊だとの自覚はさよにとって最後の心のブレーキであり壁でもある。
ただ横島やタマモは元より木乃香達にしても、そこは全くと言っていいほど気にしてない。
「びっくりした?」
「ほんとビックリしたわよ。」
「うん、私もビックリした。 いつの間に……。」
そんな周囲の視線を集めるさよであるが、タマモはさよと円を交互に見てビックリしたかと尋ねる。
ワクワクとしたタマモの表情に円がすぐにビックリしたと笑顔を見せると、さよもそんな円に釣られるようにビックリしたと放心状態のような表情で答えた。
昨年のクリスマスには横島も経験したが、同じ屋根の下に暮らす家族とも言える存在にサプライズをされると驚きのあまりどうしていいか分からなくなるようだ。
タマモはそんな二人の答えに満足げな表情を見せてうんうんと頷いて胸を張っていた。
参加メンバーはいつもの面々に雪広さやかとエヴァとチャチャゼロと茶々丸と刹那に何故か近右衛門も呼んでいる。
基本的に今回の誕生パーティーはタマモが張り切っているというか仕切っていたのでメンバーを選んだのはタマモであるが、恐らくはチャチャゼロが来れるメンバーを選んだものだと思われる。
「誕生日おめでとう!!」
「きょうはね、さよちゃんとまどかちゃんのたんじょうぱーてぃーなんだよ!」
そんなこの日の横島宅のリビングはハニワ兵製の雛人形が印象的だった。
精巧な造りであることはもちろんだが何処か気品があり、はっきり言えば以前と違い生活感がある横島宅のリビングには若干ミスマッチだが意外に違和感はない。
ちなみに余談だが少女達が暮らす女子寮のロビーにはこちらも本格的な雛人形が飾られていて、寮生活をする少女達の目を楽しませていた。
この雛人形に関しては寮母とも言える年配の管理人の人の私物であり、親元を離れて暮らす少女達に雛祭りの雰囲気を楽しんで貰うことと少女達の幸せを願って飾っている物になる。
「誕生パーティー? 円さんの誕生日が今日なんですか?」
一応雛祭りパーティーということで昼に店で出していた甘酒やひなあられや菱餅も用意していたが、夕食は誕生パーティー用にと結構豪華なメニューだった。
美味しそうな料理に思わず笑顔になる一同だが食べる前に雛祭りパーティーではなくさよと円の誕生パーティーだとネタばらしするも、さよは完全に円の誕生パーティーだと思ったらしく何故自分には誰も教えてくれなかったのだろうと首を傾げる。
「だから二人の誕生パーティーなんだって。 生まれた年は違うけど誕生日同じなのよ。 知らなかったでしょ?」
正直この期に及んでもさよは自分が祝って貰うとは気付かない天然っぷりを発揮してしまい、爆笑する友人達に単刀直入に説明されるも今度は驚き固まってしまう。
そのあまりのリアクションに同じく誕生日の円のリアクションが薄く感じられるほどだが、彼女も違和感がない程度に驚いたリアクションをしてはいる。
「私、幽霊なのに……。」
「幽霊でも何でも誕生日は誕生日だろ? タマモが張り切って準備したんだぞ?」
一方驚き固まるさよはどんな表情をしたらいいか分からないと言わんばかりに周囲を見渡すが、正直心の準備が出来てなかったのだろう。
ある意味幽霊だとの自覚はさよにとって最後の心のブレーキであり壁でもある。
ただ横島やタマモは元より木乃香達にしても、そこは全くと言っていいほど気にしてない。
「びっくりした?」
「ほんとビックリしたわよ。」
「うん、私もビックリした。 いつの間に……。」
そんな周囲の視線を集めるさよであるが、タマモはさよと円を交互に見てビックリしたかと尋ねる。
ワクワクとしたタマモの表情に円がすぐにビックリしたと笑顔を見せると、さよもそんな円に釣られるようにビックリしたと放心状態のような表情で答えた。
昨年のクリスマスには横島も経験したが、同じ屋根の下に暮らす家族とも言える存在にサプライズをされると驚きのあまりどうしていいか分からなくなるようだ。
タマモはそんな二人の答えに満足げな表情を見せてうんうんと頷いて胸を張っていた。