龍に触れたその先に(6)
「めっっめいぜーんっ!!コイツぜんっぜん倒れんっっっ!!」
汗だくになりながら走ってくるが、名千さんがいるところとは全く逆方向だ。ヤバい。
『紅音!私らも逃げる?!』
逃げるために動いてしまったら隠れていたのがバレてしまう。だからといってここにいてもレッドくんと一緒に襲われる。どうしようかと迷ってる間にもどんどん近づいてくる。女性を安全なところまで避難させたのか、名千さんもこっちに向かってくるのが見えた。ほのかに蒼く光っている。
『ねえ!!なんか名千さんが光ってるんだけどっっ?!』
<知ってる!!>
『はあ?!知ってるってどういうことっっ…ってレッドくんっ!!』
走り疲れて足がもつれたのか、レッドくんがすっ転んでしまった。考えるより先に体が動いて、襲ってくるぬいぐるみから守るように蹲っているレッドくんに覆い被さった。
「痛っってえええ!!…え、おばさん誰???!!」
ごめん、今説明できるタイミングではないんだわ。
<紫音っ!俺に替われっっ!!>
『待ってっ間に合わなっ…!』
「危ないっっっっ!!」
名千さんの声が聞こえた瞬間、蒼い光と大きな腕に包まれていた。同時にぱあんっっ!!と何かが弾ける音とぎゃうんっっ!!と獣の悲鳴が聞こえた。私から変容しかけていた紅音の紅い眼と、衝撃でサングラスが吹っ飛んでしまったのか、露わになった名千さんの綺麗な蒼い眼。お互いの視線が交差したのを感じた。
<助かったぜ!!名千!!>
名千さんが驚いたように蒼い眼を見開く。そりゃ突然見ず知らずの人間に名前を呼ばれたらびっくりするわ。
ひと声かけて満足したのか、名千さんの“チカラ“を知っていて大丈夫だと確信したのか、紅音は引っ込んでしまった。ちょっと待て。無責任過ぎるだろ!
「なっ?!あんたっなんで俺の名前知っとるんだっっ?!…あ痛っ!いてててっっ!急に動いたもんで腰がっ!」
『だっ大丈夫ですかっっ?!』
「あ、いや、何とか大丈夫…って、それよりあんた…」
『それよりあれを何とかしないと』
腰をさすりながら立ち上がった名千さんが訝しげな顔で私を見つめ、さらに何か言おうとするのを遮ってぬいぐるみを指さす。いろいろ問い詰めたいのは分かるし、私だって何で名千さんが光ってるのか問い詰めたい。けど、まずあれを祓わないことには安心して話もできない。それに、レッドくんも怪我してないか心配だし一人になってしまった女性も心配だし。
「レッドくん、大丈夫か?怪我はしとらん??動ける??」
名千さんも同じことを思ったのかレッドくんに声をかける。
「ヒザとか痛いけどだいじょぶっっ!!動ける!!」
「良かった。そしたらあの女の人と一緒におってあげて守っとってくれんかな?」
「わかった!!!」
元気に返事をして走っていくのを見て少しホッとする。とりあえず、大きな怪我はしてないようで良かった。
レッドくんが女性に寄り添うのを見届けて、名千さんを見上げる。
『名千さん。原因はわかってらっしゃるんですよね?』
「まあ、大体の見当はついとる。」
ぬいぐるみはさっきの衝撃でだいぶ“穢“が祓われたのか、牙を剥き出しにして唸ってはいるものの大きさは元に戻っていた。名千さんと一緒に警戒しながらゆっくりと近づく。
(ダッテ…良カレトオモッテ……寂シイノ…サミシカッタノ……)
唸り声の中からかすかに聞こえてくる泣き声。
「そうだな。あんたは寂しかっただけなんだよな。そこに、孫に会わせてくれん嫁さんへの憎しみ恨みが乗っかってまった。」
『その恨みがさらに他の不平不満も巻き込んで“穢“になっちゃったんですね…』
(オ菓子モ服モ、タクサン買ッテアゲタノニ…イロイロ教エテアゲタノニ…!!)
弱々しい泣き声だったのが、だんだんと怒りを含んで強く荒々しくなっていく。
ああ。やっぱり。
汗だくになりながら走ってくるが、名千さんがいるところとは全く逆方向だ。ヤバい。
『紅音!私らも逃げる?!』
逃げるために動いてしまったら隠れていたのがバレてしまう。だからといってここにいてもレッドくんと一緒に襲われる。どうしようかと迷ってる間にもどんどん近づいてくる。女性を安全なところまで避難させたのか、名千さんもこっちに向かってくるのが見えた。ほのかに蒼く光っている。
『ねえ!!なんか名千さんが光ってるんだけどっっ?!』
<知ってる!!>
『はあ?!知ってるってどういうことっっ…ってレッドくんっ!!』
走り疲れて足がもつれたのか、レッドくんがすっ転んでしまった。考えるより先に体が動いて、襲ってくるぬいぐるみから守るように蹲っているレッドくんに覆い被さった。
「痛っってえええ!!…え、おばさん誰???!!」
ごめん、今説明できるタイミングではないんだわ。
<紫音っ!俺に替われっっ!!>
『待ってっ間に合わなっ…!』
「危ないっっっっ!!」
名千さんの声が聞こえた瞬間、蒼い光と大きな腕に包まれていた。同時にぱあんっっ!!と何かが弾ける音とぎゃうんっっ!!と獣の悲鳴が聞こえた。私から変容しかけていた紅音の紅い眼と、衝撃でサングラスが吹っ飛んでしまったのか、露わになった名千さんの綺麗な蒼い眼。お互いの視線が交差したのを感じた。
<助かったぜ!!名千!!>
名千さんが驚いたように蒼い眼を見開く。そりゃ突然見ず知らずの人間に名前を呼ばれたらびっくりするわ。
ひと声かけて満足したのか、名千さんの“チカラ“を知っていて大丈夫だと確信したのか、紅音は引っ込んでしまった。ちょっと待て。無責任過ぎるだろ!
「なっ?!あんたっなんで俺の名前知っとるんだっっ?!…あ痛っ!いてててっっ!急に動いたもんで腰がっ!」
『だっ大丈夫ですかっっ?!』
「あ、いや、何とか大丈夫…って、それよりあんた…」
『それよりあれを何とかしないと』
腰をさすりながら立ち上がった名千さんが訝しげな顔で私を見つめ、さらに何か言おうとするのを遮ってぬいぐるみを指さす。いろいろ問い詰めたいのは分かるし、私だって何で名千さんが光ってるのか問い詰めたい。けど、まずあれを祓わないことには安心して話もできない。それに、レッドくんも怪我してないか心配だし一人になってしまった女性も心配だし。
「レッドくん、大丈夫か?怪我はしとらん??動ける??」
名千さんも同じことを思ったのかレッドくんに声をかける。
「ヒザとか痛いけどだいじょぶっっ!!動ける!!」
「良かった。そしたらあの女の人と一緒におってあげて守っとってくれんかな?」
「わかった!!!」
元気に返事をして走っていくのを見て少しホッとする。とりあえず、大きな怪我はしてないようで良かった。
レッドくんが女性に寄り添うのを見届けて、名千さんを見上げる。
『名千さん。原因はわかってらっしゃるんですよね?』
「まあ、大体の見当はついとる。」
ぬいぐるみはさっきの衝撃でだいぶ“穢“が祓われたのか、牙を剥き出しにして唸ってはいるものの大きさは元に戻っていた。名千さんと一緒に警戒しながらゆっくりと近づく。
(ダッテ…良カレトオモッテ……寂シイノ…サミシカッタノ……)
唸り声の中からかすかに聞こえてくる泣き声。
「そうだな。あんたは寂しかっただけなんだよな。そこに、孫に会わせてくれん嫁さんへの憎しみ恨みが乗っかってまった。」
『その恨みがさらに他の不平不満も巻き込んで“穢“になっちゃったんですね…』
(オ菓子モ服モ、タクサン買ッテアゲタノニ…イロイロ教エテアゲタノニ…!!)
弱々しい泣き声だったのが、だんだんと怒りを含んで強く荒々しくなっていく。
ああ。やっぱり。
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