龍に触れたその先に(4)
「禍祓い」がいつ、どこで行われるのか。それを知ったところで自分はその場所までついて行って何がしたいのか。
そもそもそんなヤバいことを人目があるところでなんかやるはずがないし、そこに見ず知らずの部外者がしゃしゃり出てきたら迷惑以外の何ものでもないわ。
でも。
何故か“この二人には触れることができる“と、自分でも驚くほどの確信があった。あの夢のせいかも知れない。
あとは、全く詳しくない大須に十数年ぶりに行って、二人に出会えたという奇跡に近い出来事。
夢と出会ったタイミングと。そして、私の勘は外れない。
________________________________________________
『あの二人とお近づきになれたとして、私は一体どうしたいんだろうねえ?』
少し(?)派手目なお寺の横の白い龍を見上げて呟いてみる。何だか窮屈そうなところに囲われている白龍はその身を光らせ、霧のような息を吹きつけてくるだけだ。
……ま、どうするもこうするも会ってみなきゃ分かんないんだけどね。
「禍祓い」依頼への回答を見つけてから一ヶ月。少しずつ時間と曜日をずらして、この白龍の足元でレッドくんが現れるのを待った。観光客も多いこの場所は、スマホで写真を撮ったり調べものをしてるフリでもしておけば、とどまっている時間が長くても誰も気にしない。
<何でここなんだ?>
毛繕いをしながら紅音が聞いてきた。
『うーん。確率と願掛けかな…。』
二人の情報が何もないままうろうろ動き回るより、大須の中心に近く、観光じゃなく生活するための店もあるこの場所にいる方が見つけられる確率が高いと考えたのがひとつ。
そして(“龍導院“だから龍のそばにいれば導いてくれるかも?)という、ほぼこじつけの願掛けがひとつ。
ほとんど行き当たりばったりの行動だったが、ラッキーなことに何回かはレッドくんを見つけることができた。お団子屋さんへ行ったり、生鮮食品のお店で買い物したり。ハトを追っかけて駆け回ってることもあった。
『でも、名千さんと出かけたところは見なかったんだよなあ…。今回は諦めるしかないかな。』
さすがにこじつけの願掛けは叶えてもらえないか。勘も外れちゃったなあと苦笑しながら、もう一度白龍を見上げた。
光を灯した龍の眼がどこか一点を見つめているような気がして、ふっと振り向いた。
見つけた。
龍の視線の先に、名千さんとレッドくん、着物を着た女性が歩いている。走っていきたいのを抑えつつ、行き交う人たちを避けながらなるべく早足で追いかける。某有名な喫茶店に入っていく三人に気づかれないように、少しだけ間をおいてドアを開ける。なるべく周りに会話を聞かれないようにするためか、三人は店の奥の端の方に座っていた。いつも混んでる店だがうまいこと近くに座ることができた。
名千さんとレッドくんは私に背を向けた状態で座っていて、二人の向かい側に座った女性の表情だけ見ることができる。女性の傍らには犬のぬいぐるみを包んだであろう綺麗な柄の風呂敷が置かれていた。
『なんか、ぬいぐるみ思ったより大きいな。紅音、三人の会話聞き取れる?』
<おう、任せろ>
紅音の耳だけをそっと出す。周りからは猫耳カチューシャを着けてるように見えるかも知れないが、ここは大須だ。猫耳着けてるメイドさんとかもいるし誰も気にしないだろ。
普通の喫茶店よりかなり量の多いカフェオーレを飲みながら、三人に向けて意識を集中させた。
そもそもそんなヤバいことを人目があるところでなんかやるはずがないし、そこに見ず知らずの部外者がしゃしゃり出てきたら迷惑以外の何ものでもないわ。
でも。
何故か“この二人には触れることができる“と、自分でも驚くほどの確信があった。あの夢のせいかも知れない。
あとは、全く詳しくない大須に十数年ぶりに行って、二人に出会えたという奇跡に近い出来事。
夢と出会ったタイミングと。そして、私の勘は外れない。
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『あの二人とお近づきになれたとして、私は一体どうしたいんだろうねえ?』
少し(?)派手目なお寺の横の白い龍を見上げて呟いてみる。何だか窮屈そうなところに囲われている白龍はその身を光らせ、霧のような息を吹きつけてくるだけだ。
……ま、どうするもこうするも会ってみなきゃ分かんないんだけどね。
「禍祓い」依頼への回答を見つけてから一ヶ月。少しずつ時間と曜日をずらして、この白龍の足元でレッドくんが現れるのを待った。観光客も多いこの場所は、スマホで写真を撮ったり調べものをしてるフリでもしておけば、とどまっている時間が長くても誰も気にしない。
<何でここなんだ?>
毛繕いをしながら紅音が聞いてきた。
『うーん。確率と願掛けかな…。』
二人の情報が何もないままうろうろ動き回るより、大須の中心に近く、観光じゃなく生活するための店もあるこの場所にいる方が見つけられる確率が高いと考えたのがひとつ。
そして(“龍導院“だから龍のそばにいれば導いてくれるかも?)という、ほぼこじつけの願掛けがひとつ。
ほとんど行き当たりばったりの行動だったが、ラッキーなことに何回かはレッドくんを見つけることができた。お団子屋さんへ行ったり、生鮮食品のお店で買い物したり。ハトを追っかけて駆け回ってることもあった。
『でも、名千さんと出かけたところは見なかったんだよなあ…。今回は諦めるしかないかな。』
さすがにこじつけの願掛けは叶えてもらえないか。勘も外れちゃったなあと苦笑しながら、もう一度白龍を見上げた。
光を灯した龍の眼がどこか一点を見つめているような気がして、ふっと振り向いた。
見つけた。
龍の視線の先に、名千さんとレッドくん、着物を着た女性が歩いている。走っていきたいのを抑えつつ、行き交う人たちを避けながらなるべく早足で追いかける。某有名な喫茶店に入っていく三人に気づかれないように、少しだけ間をおいてドアを開ける。なるべく周りに会話を聞かれないようにするためか、三人は店の奥の端の方に座っていた。いつも混んでる店だがうまいこと近くに座ることができた。
名千さんとレッドくんは私に背を向けた状態で座っていて、二人の向かい側に座った女性の表情だけ見ることができる。女性の傍らには犬のぬいぐるみを包んだであろう綺麗な柄の風呂敷が置かれていた。
『なんか、ぬいぐるみ思ったより大きいな。紅音、三人の会話聞き取れる?』
<おう、任せろ>
紅音の耳だけをそっと出す。周りからは猫耳カチューシャを着けてるように見えるかも知れないが、ここは大須だ。猫耳着けてるメイドさんとかもいるし誰も気にしないだろ。
普通の喫茶店よりかなり量の多いカフェオーレを飲みながら、三人に向けて意識を集中させた。
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