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小ネタ

ちょうどいいガンジ君を作ってくださいってしたらこうなりました

2024/07/12 00:01
「うわあぁぁあ!」

 ガンジの悲鳴が館中に広がった。体力面や交流の要素から、強制された訳ではないものの緊急時の『ガンジ係』と化しているウィリアムとナワーブが駆けつける。ガンジの部屋に押し入ると、シーツだるま姿のガンジが床にへたりこんで途方にくれていた。
 ここしばらく、エウリュディケ荘園では急に年齢がちぐはぐになったり体が大きくなったり縮んだりと不思議な現象が相次いでいた。しかし、ここでは『不可思議な現象』はバグと呼ばれよくあるもので皆そのうち直るだろうと過ごしていた。ガンジ自身も普段と見た目の違う仲間に何か言うわけでもなく普段通り接していた。
 そして今日。ガンジが目を覚ましたとき服を着ていなかった。『裸バグ』かと欠伸をしながら箪笥を開けると、ガンジの目の前で服がみるみる縮み消えてしまった。下着の一枚すら無い状態に思わず悲鳴をあげてしまい、近付いてくる足音に慌ててシーツを巻き付けた。

「……じゃあ、体はどうもないんだな?」
「はい……多分、大きさの変わるバグで服とボールが変わったみたいです」
「「ボール?」」
 ガンジの様子が心配で気付かなかったが、バットの横に同じ大きさになった巨大なクリケットボールがあった。玉乗り芸でもできそうなボールが3つゴロンと転がっている。これは途方にくれたくもなるな、と二人は思った。しかし、いつまでもシーツだるま姿でいるわけにもいかない。とはいえ、誰かに服を借りるとして、ガンジの体格で着れそうな相手となると殆どいない。どうするか。
「ウィルの服か、ホルトのおっさんに借りるか?ノートンじゃここぞと恩に着せてくるだろうし」
「俺はいいけど、ガンジが着れそうなの何があるかな?あんまりピッチリしてるの落ち着かないんだよな?」
「そんな我儘言いませんって。貸してもらえるだけありがてぇっすよ。ただ……今の俺が触って、もしエリスさんの服まで消えたらと思うと……」
「あー……んじゃ、シーツでどうにかするか?キルトとかドーティみたいによ。【温泉酒】がゲームに参加することを思えば大丈夫だろ」
 ドーティみたいに。その言葉でパッと気が楽になった。イギリス生活ですっかり縁遠くなったが、その手があった。
「ありがとうございますサベダーさん! これで何とかなります!」


 これで直るまで過ごせる。ゲームにも、ボールが少々不便かもしれないが参加できる!ガンジは意気揚々としていたがデカ過ぎるボール故にドッジボールのようにぶつけられたハンターから苦情が相次ぎ、バグが直るまではゲーム参加禁止が言い渡された。

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