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「「悪戯完了っ!!」」
一仕事、もとい悪戯を終えて相棒とハイタッチを交わしながら口を揃えるとするりと間に潜り込んできた彼女が素っ頓狂に声を上げた。
『えーいいなぁそれ!』
「はあ?」
「ははは、姫がまた変なこと言ってら」
いつものように脈絡のない彼女の台詞に
俺がまたかと呆れてため息を溢せば、
ジョージはまただと可笑しそうに笑ってた。
『決め台詞みたいでかっこいい』
二人らしさもあって100点満点だよ!とか、
私もそれ言ってみたい!とか、
あ、でも悪戯してからじゃないと使えないなあ、とか。
一人であーでもないこーでもないとぶつぶつと呟きながら彼女はうろうろと談話室のなかを歩き回ってる。
何言ってんだかはよくわからないけど、まあ彼女が楽しそうだから別にいいか。
動き回る彼女を横目に見ながらぼんやりとそんなことを思って俺は暖炉前のソファに腰かける。
『あ!』
なにかいい考えでも思い付いたのか、ソファの後ろの方で彼女の声が聞こえた。そんな声さえBGMにして俺が暖炉の前でうとうとしていると、すぐにぱたぱたと足音が近づいて勢い良く右肩を叩かれた。
『ねぇねぇフレッド!!』
ハツラツとした声で何度も肩を叩かれ、俺は仕方なく気だるい声で叩かれた右肩を振り返る。
「はいはい、なんーーー」
言いかけた言葉は彼女によって飲み込まれた。
振り返って早々に一瞬でちゅ、と跳ねるようにキスをされていた。
『へへ、悪戯完了っ!』
俺が呆気に取られていると、満足そうに笑って彼女は言う。
「~~~~""」
反射的に顔が赤くなっていくのがわかって慌てて下を向くと窓際のソファに腰掛けてた相棒の口笛がひゅーと聞こえた。
直接見なくたってニヤニヤした顔が目に浮かぶぜ、まったく。
「へぇ、相棒を黙らせる"悪戯"なんてなかなかやるじゃないか」
『でしょ?へへ私ってば悪戯の素質あり??』
「…ばかやろー。耳が真っ赤なくせに生意気だぞ」
やられっぱなしが気に食わなくてその小さな頭を両手で鷲掴んで髪の毛をわしゃわしゃにしてやった。
やめてとか言いながらもこいつはやっぱり楽しそうで大きな声で笑ってやがる。
あーあ、悔しいけど多分こいつには一生敵いそうにないな。
そう思ったらまた少し笑みが溢れた。
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