ヅカとはなたか
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ミーティングも終わり、自分一人 喜びで舞い上がっていると、一仕事終えたリサがぐったりした様子でこちらへ向かってくる。
「リサッ、スコーン作りは初めてだけど、焼き菓子とか美味しく作ってみせるからっ!」
今年こそは念願の裏方!
精一杯頑張ると決意表明した途端……
「はあ?
アンタはスコーンなんて作ってる暇ないわよ。
別の大仕事が待ってるんだから。」
リサの顔があっという間に何やら企んでいそうな表情へと変化していく。
「何?!
着ぐるみ姿でビラ配り?
それとも強引な客引き?」
背筋に寒気を感じながら、今回は何させられるのかと不安を募らせていく。
「ま、似たようなもんよ~
とりあえず、今日の練習終わった後、うちに寄ってもらおうか。
いろいろ準備があんだよ。」
リサの家は学校から10分と離れてない距離にあるマンション。
込み入った話でもあるのか、リサの家でもミーティングらしい。
「今じゃダメなの?
部室でも話し出来るじゃん。」
「ダメ。
及川の野郎をギャフンと言わす為の計画を立てるんだから。」
あぁ、リサの目が試合でもないのにギラギラし始めた。
どうすんのさ。
こんな状態のリサをもう誰にも止められないよ?
これから練習だっていうのに、気が重いったら ありゃしないよ。
❁❁❁❁❁❁❁
「フフン、フフン、フーン~♪」
「今日、気持ち悪いくらいご機嫌だな……」
練習も終わり、部室で着替えている及川のハミングに岩泉が突っ込む。
「その『気持ち悪い』っていう言葉、止めてくれる?
悪口にしか聞こえないから!」
「まぁ、そのつもりで言ってるからな。
そう捉えてくれて構わない。」
「岩ちゃん!
テンション下がるから、ほんとにそれ止めてっ!」
「で、何だ?
お前が機嫌良いって、どうせ 碌でもないことだろ?」
荷物を手にした岩泉が『バン!』と音を立て、威嚇するようにロッカーを閉める。
「急かさないでよ、岩ちゃん。
ちゃんと話すからさ。」
Tシャツを脱ぎ、シャツを羽織った及川は嬉しそうにボタンを留めながら、
「牛若、飛雄の次に目障りな平岩を抑え込む事に成功したんだよ~」
訳のわからない事を言い始めた。
『平岩を抑え込む 』
その言葉に一瞬、反応しそうになったが、松川の視線を感じて素知らぬ振りをした。
「お前、また平岩に因縁付けてんのか?
本当、懲りねぇな。
ってか、言葉通り『抑え込んだ』なら、容赦なく警察に突き出すからな。」
「もーーー止めてよ~
俺だってさ、そんな事するなら、相手くらい選ぶよ。
平岩みたいなヤツが、この及川さんより 女子にキャーキャー言われて、ムカつくじゃん。」
「いや、それは至極真っ当な反応だと思う。
俺が女子だったとしても、平岩の応援するべ。」
「岩ちゃんっ、俺のファンに謝って!!
とにかく これ以上平岩や女バレにデカい顔されないように、今年の文化祭は裏方に回ってもらう事に成功したのさ~♪
アイツを執事なんかにさせないよーだ!!」
女バレ主将から今年も合同でやろうと持ち掛けられ、 平岩を執事にさせない事を条件に受けたらしい。
これ以上、 平岩が自分より目立たないようにする為なんて子供みたいな事言ってるが、
「本当、お前ってクソ野郎だな。」
「岩ちゃん、悪口止めてっ!」
それは建前で本当の理由は別だ。
及川が平岩に固執するのは、好意から。
入学当初に自分に靡かなかった……という単純な理由から気になり始め、相手にされない事が 更に及川の執着心に火を着ける事態になった。
可愛さ余って憎さ百倍とでも言うのだろうか。
高校生にもなって、質の悪い小学生みたいな嫌がらせをして、自分の存在をアピールしているのだ。
ま、俺も人の事は言えないんだが……
「今年、女バレと合同でカフェするんでしたっけ?」
俺の隣にいた金田一が練習前に配られた企画書のプリントに目を通しながら、すぐ側にいる松川に尋ねる。
「そーそー。
女バレと合同ってのは去年もなんだけどな。
及川の話だと俺達は執事の格好で給仕するんだろ。」
「執事……」
それを聞いた金田一は神妙な表情でプリントを眺め、その隣にいた矢巾が、
「金田一、お前は執事って柄じゃないな。」
ニヤニヤしながら、金田一の肩を叩く。
その会話を聞いていた及川も意地悪そうな笑みを浮かべ、
「中学の頃、飛雄の下僕だったもんね~
金田一は今回みんなの下僕でいく?」
動揺する金田一に言い放った。
「げ、下僕ですかっ、いつ、俺が影山のっ?!
や、止めてくださいよ~」
それまで無表情だった国見がプッと吹き出す。
「金田一、すぐに慣れるよ~
あと、岩ちゃんもさ、執事っていうより庭師って感じだよね★
手には植木ばさみ持って、梯子を肩に引っ掛けてさ、狂犬ちゃんと金田一 連れて、仏頂面で歩き回るの!
そういう設定でいこうか?」
及川が透かさず突っ込み、岩泉のこめかみに青筋がたった瞬間、
「やるか、ボゲッ!!」
雷が落ちた。
「痛い!
岩ちゃん、ど突くの止めてよ~」
❁❁❁❁❁❁❁
「あれ?
今日、練習もう終わんの?」
ロードワークから戻り、体育館に戻ってからサーブ練の俺らを尻目に女バレが片付けを始めていた。
部活を終えるにはまだ早過ぎる。
時折、話をする女バレ 2年のマネージャーに声を掛けると、
「そうなんですよ。
これから調理室でカフェで出すメニューの試食なんです。
リサ先輩と夏乃先輩が中心になって作ってるんですけど、パフェとかパンケーキとか……いろいろ作ってくれてて。
そう言えば、シュークリームもありましたよ!
羨ましいでしょ、マッキー先輩★」
意味ありげに笑う。
恐らくシュークリームに目がない俺に対する当て付けだろう。
平岩の作るシュークリームか……
気にならない事もないが、あの二人が中心で作る代物だ。
俺が満足するレベルじゃなさそう。
「おい、食中毒にならねぇようにしろよ~」
「ちょっと……貴大。
すっごく失礼な事、言ってんじゃないわよ!」
「あ、リサ先輩。」
突然、どこから現れたのか、女バレのリサが白い割烹着姿で間に割って入る。
「皆、調理室で待ってるよ。
片付け後でいいから、先に集合して。
私も後ですぐに行くから。」
そう言って、マネージャー達に指示を出す。
「あ、はい。
じゃ、先に行ってますね。」
「うん。」
体育館にいた部員達が出ていくのを見届けると、いつものクソ意地の悪い目付きで視線を送ってくる。
また始まった……
「ちょっと、あんな事 言っちゃっていいのかな~?
貴大クンはシュークリーム、食べないつもりですか?」
「はぁ?
俺はさ、好きな物なら、何でもオーケーじゃねぇんだよ。
お前と違って、デリケートに出来てんだから。」
「リサッ、スコーン作りは初めてだけど、焼き菓子とか美味しく作ってみせるからっ!」
今年こそは念願の裏方!
精一杯頑張ると決意表明した途端……
「はあ?
アンタはスコーンなんて作ってる暇ないわよ。
別の大仕事が待ってるんだから。」
リサの顔があっという間に何やら企んでいそうな表情へと変化していく。
「何?!
着ぐるみ姿でビラ配り?
それとも強引な客引き?」
背筋に寒気を感じながら、今回は何させられるのかと不安を募らせていく。
「ま、似たようなもんよ~
とりあえず、今日の練習終わった後、うちに寄ってもらおうか。
いろいろ準備があんだよ。」
リサの家は学校から10分と離れてない距離にあるマンション。
込み入った話でもあるのか、リサの家でもミーティングらしい。
「今じゃダメなの?
部室でも話し出来るじゃん。」
「ダメ。
及川の野郎をギャフンと言わす為の計画を立てるんだから。」
あぁ、リサの目が試合でもないのにギラギラし始めた。
どうすんのさ。
こんな状態のリサをもう誰にも止められないよ?
これから練習だっていうのに、気が重いったら ありゃしないよ。
❁❁❁❁❁❁❁
「フフン、フフン、フーン~♪」
「今日、気持ち悪いくらいご機嫌だな……」
練習も終わり、部室で着替えている及川のハミングに岩泉が突っ込む。
「その『気持ち悪い』っていう言葉、止めてくれる?
悪口にしか聞こえないから!」
「まぁ、そのつもりで言ってるからな。
そう捉えてくれて構わない。」
「岩ちゃん!
テンション下がるから、ほんとにそれ止めてっ!」
「で、何だ?
お前が機嫌良いって、どうせ 碌でもないことだろ?」
荷物を手にした岩泉が『バン!』と音を立て、威嚇するようにロッカーを閉める。
「急かさないでよ、岩ちゃん。
ちゃんと話すからさ。」
Tシャツを脱ぎ、シャツを羽織った及川は嬉しそうにボタンを留めながら、
「牛若、飛雄の次に目障りな平岩を抑え込む事に成功したんだよ~」
訳のわからない事を言い始めた。
『平岩を抑え込む 』
その言葉に一瞬、反応しそうになったが、松川の視線を感じて素知らぬ振りをした。
「お前、また平岩に因縁付けてんのか?
本当、懲りねぇな。
ってか、言葉通り『抑え込んだ』なら、容赦なく警察に突き出すからな。」
「もーーー止めてよ~
俺だってさ、そんな事するなら、相手くらい選ぶよ。
平岩みたいなヤツが、この及川さんより 女子にキャーキャー言われて、ムカつくじゃん。」
「いや、それは至極真っ当な反応だと思う。
俺が女子だったとしても、平岩の応援するべ。」
「岩ちゃんっ、俺のファンに謝って!!
とにかく これ以上平岩や女バレにデカい顔されないように、今年の文化祭は裏方に回ってもらう事に成功したのさ~♪
アイツを執事なんかにさせないよーだ!!」
女バレ主将から今年も合同でやろうと持ち掛けられ、 平岩を執事にさせない事を条件に受けたらしい。
これ以上、 平岩が自分より目立たないようにする為なんて子供みたいな事言ってるが、
「本当、お前ってクソ野郎だな。」
「岩ちゃん、悪口止めてっ!」
それは建前で本当の理由は別だ。
及川が平岩に固執するのは、好意から。
入学当初に自分に靡かなかった……という単純な理由から気になり始め、相手にされない事が 更に及川の執着心に火を着ける事態になった。
可愛さ余って憎さ百倍とでも言うのだろうか。
高校生にもなって、質の悪い小学生みたいな嫌がらせをして、自分の存在をアピールしているのだ。
ま、俺も人の事は言えないんだが……
「今年、女バレと合同でカフェするんでしたっけ?」
俺の隣にいた金田一が練習前に配られた企画書のプリントに目を通しながら、すぐ側にいる松川に尋ねる。
「そーそー。
女バレと合同ってのは去年もなんだけどな。
及川の話だと俺達は執事の格好で給仕するんだろ。」
「執事……」
それを聞いた金田一は神妙な表情でプリントを眺め、その隣にいた矢巾が、
「金田一、お前は執事って柄じゃないな。」
ニヤニヤしながら、金田一の肩を叩く。
その会話を聞いていた及川も意地悪そうな笑みを浮かべ、
「中学の頃、飛雄の下僕だったもんね~
金田一は今回みんなの下僕でいく?」
動揺する金田一に言い放った。
「げ、下僕ですかっ、いつ、俺が影山のっ?!
や、止めてくださいよ~」
それまで無表情だった国見がプッと吹き出す。
「金田一、すぐに慣れるよ~
あと、岩ちゃんもさ、執事っていうより庭師って感じだよね★
手には植木ばさみ持って、梯子を肩に引っ掛けてさ、狂犬ちゃんと金田一 連れて、仏頂面で歩き回るの!
そういう設定でいこうか?」
及川が透かさず突っ込み、岩泉のこめかみに青筋がたった瞬間、
「やるか、ボゲッ!!」
雷が落ちた。
「痛い!
岩ちゃん、ど突くの止めてよ~」
❁❁❁❁❁❁❁
「あれ?
今日、練習もう終わんの?」
ロードワークから戻り、体育館に戻ってからサーブ練の俺らを尻目に女バレが片付けを始めていた。
部活を終えるにはまだ早過ぎる。
時折、話をする女バレ 2年のマネージャーに声を掛けると、
「そうなんですよ。
これから調理室でカフェで出すメニューの試食なんです。
リサ先輩と夏乃先輩が中心になって作ってるんですけど、パフェとかパンケーキとか……いろいろ作ってくれてて。
そう言えば、シュークリームもありましたよ!
羨ましいでしょ、マッキー先輩★」
意味ありげに笑う。
恐らくシュークリームに目がない俺に対する当て付けだろう。
平岩の作るシュークリームか……
気にならない事もないが、あの二人が中心で作る代物だ。
俺が満足するレベルじゃなさそう。
「おい、食中毒にならねぇようにしろよ~」
「ちょっと……貴大。
すっごく失礼な事、言ってんじゃないわよ!」
「あ、リサ先輩。」
突然、どこから現れたのか、女バレのリサが白い割烹着姿で間に割って入る。
「皆、調理室で待ってるよ。
片付け後でいいから、先に集合して。
私も後ですぐに行くから。」
そう言って、マネージャー達に指示を出す。
「あ、はい。
じゃ、先に行ってますね。」
「うん。」
体育館にいた部員達が出ていくのを見届けると、いつものクソ意地の悪い目付きで視線を送ってくる。
また始まった……
「ちょっと、あんな事 言っちゃっていいのかな~?
貴大クンはシュークリーム、食べないつもりですか?」
「はぁ?
俺はさ、好きな物なら、何でもオーケーじゃねぇんだよ。
お前と違って、デリケートに出来てんだから。」