紅をさす
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やはり、やるからには完璧にして出したい(報酬のこともあるし)……
「そうなんだけど……これ、着けたらもっと(唇だけが)可愛くなるから。」
目の前の唇にグロスを塗ってやる。
「うん!
やっぱりグロス塗って正解!
ほらっ、見て!」
手鏡を差し出してやると、疲れ切っていた木兎の目が輝き始めた。
「…………」
恐らく、他の部員同様……自分の姿に見とれているのだろう。
しばらく鏡を凝視して、
「あかーしっ、どう?
俺、一番イケてる?!」
再び、アカアシくんに尋ねる。
お願い!!
これ以上、木兎のテンションを落とさないで!
木葉達に言った投げやりなコメントなんかじゃ、完全に面倒臭いことになる。
「イケてるよねっ、アカアシくんっ!!」
二の舞にならないようにとりあえず 予防線を張ると、
「ええ。
かなりイケてます。」
空気を読んでくれたのだろう。
私の意見に賛同してくれた。
「俺みたいなイケメンは女装してもイケてんだな!!」
手鏡を左右いろんな方向から動かし、自分の女装姿にうっとりする木兎。
ご機嫌は上々だ。
「そうだね!
光太郎、可愛いっ!」
このまま乗せとけ!
私は彼の背後に回り、ウィッグの毛先を整えてやる。
すると、鏡越しに木兎と目が合うやいなや、
「夏乃、特別に写真撮らせてやるからな~」
ニコニコと微笑みかけられた。
「あ、ありがとう……でも 後でいいよ、後で。」
アカアシくんの協力の基、ようやく木兎の機嫌は回復。
「じゃっ、俺……じゃなかった、アタシ行ってくる~♪」
木兎はニヤリと笑みを浮かべると黄色のボンボンを持ち、元気溌剌スキップしながら部室を後にした。
一番手の掛かるヤツが、やっと行ってくれた……
「疲れた……」
その疲労感から、さっきまで木兎が座っていた椅子に腰掛けた瞬間、
「あのっ、平岩先輩……」
背後から声がする。
驚いて振り返ると、
「俺も女装することになってて……」
そこには巫女姿のアカアシくんが立っていた。
「あっ、アカアシくんも?!」
木兎で最後かと思っていた私は彼の出で立ちに固まる。
さっき後方で衣擦れの音がしていたことを思い出す。
てっきり荷物を取りに来たのかと思ってた。
「……そういう反応になりますよね……俺が巫女なんて。」
ばつが悪いのか、アカアシくんは苦笑しながら俯いた。
これ、多分……誤解されてる。
とりあえず、訂正しないと!!
「あ、違う。
アカアシくんも女装やるって思ってなかっただけだから!
巫女、すごく似合ってる、清楚な感じがいいからっ!!」
慌てて椅子から立ち上がり、彼の姿を精一杯誉め称える。
「平岩先輩……そんな一生懸命言わなくていいです。
それ、すごく嬉しくありませんから。」
だが、それは逆効果だったようで、アカアシくんの表情はどんよりしていく。
「あ、ごめん。」
「そうなんだけど……これ、着けたらもっと(唇だけが)可愛くなるから。」
目の前の唇にグロスを塗ってやる。
「うん!
やっぱりグロス塗って正解!
ほらっ、見て!」
手鏡を差し出してやると、疲れ切っていた木兎の目が輝き始めた。
「…………」
恐らく、他の部員同様……自分の姿に見とれているのだろう。
しばらく鏡を凝視して、
「あかーしっ、どう?
俺、一番イケてる?!」
再び、アカアシくんに尋ねる。
お願い!!
これ以上、木兎のテンションを落とさないで!
木葉達に言った投げやりなコメントなんかじゃ、完全に面倒臭いことになる。
「イケてるよねっ、アカアシくんっ!!」
二の舞にならないようにとりあえず 予防線を張ると、
「ええ。
かなりイケてます。」
空気を読んでくれたのだろう。
私の意見に賛同してくれた。
「俺みたいなイケメンは女装してもイケてんだな!!」
手鏡を左右いろんな方向から動かし、自分の女装姿にうっとりする木兎。
ご機嫌は上々だ。
「そうだね!
光太郎、可愛いっ!」
このまま乗せとけ!
私は彼の背後に回り、ウィッグの毛先を整えてやる。
すると、鏡越しに木兎と目が合うやいなや、
「夏乃、特別に写真撮らせてやるからな~」
ニコニコと微笑みかけられた。
「あ、ありがとう……でも 後でいいよ、後で。」
アカアシくんの協力の基、ようやく木兎の機嫌は回復。
「じゃっ、俺……じゃなかった、アタシ行ってくる~♪」
木兎はニヤリと笑みを浮かべると黄色のボンボンを持ち、元気溌剌スキップしながら部室を後にした。
一番手の掛かるヤツが、やっと行ってくれた……
「疲れた……」
その疲労感から、さっきまで木兎が座っていた椅子に腰掛けた瞬間、
「あのっ、平岩先輩……」
背後から声がする。
驚いて振り返ると、
「俺も女装することになってて……」
そこには巫女姿のアカアシくんが立っていた。
「あっ、アカアシくんも?!」
木兎で最後かと思っていた私は彼の出で立ちに固まる。
さっき後方で衣擦れの音がしていたことを思い出す。
てっきり荷物を取りに来たのかと思ってた。
「……そういう反応になりますよね……俺が巫女なんて。」
ばつが悪いのか、アカアシくんは苦笑しながら俯いた。
これ、多分……誤解されてる。
とりあえず、訂正しないと!!
「あ、違う。
アカアシくんも女装やるって思ってなかっただけだから!
巫女、すごく似合ってる、清楚な感じがいいからっ!!」
慌てて椅子から立ち上がり、彼の姿を精一杯誉め称える。
「平岩先輩……そんな一生懸命言わなくていいです。
それ、すごく嬉しくありませんから。」
だが、それは逆効果だったようで、アカアシくんの表情はどんよりしていく。
「あ、ごめん。」