紅をさす
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まるでコントだ……
その様子を横目に吹き出しそうになっているのを堪えていると、
「あの、マネージャーが模擬店の方を手伝ってほしいって言ってます。
着替え終わった人から、移動をお願いします。」
下級生(アカアシくん)は木葉達に淡々と指示を出す。
おいおい、どっちが先輩だ?
「了解。
ところでお前、今から?」
「はい、これから……。
先輩、模擬店 お願いしますね。」
「わかった。」
とりあえず、撮影会も終わって満足したのか。
女装男子達はぞろぞろと群れをなし、部室を出ていく。
「じゃ、木兎……先に行ってるな。」
純白のナース服の上に紺のカーディガンを肩に羽織った鷲見が、私にメイクされている木兎に声を掛ける。
「おう……」
部室から出ていく後ろ姿は逞しいベテラン看護師(婦長クラス)に見えた。
貫禄有り過ぎ。
「なぁ……夏乃。」
メイクの順番待ちでくたびれたのか。
集中力の途切れた幼馴染の木兎は椅子に腰掛けた状態で、両足をぶらぶらと揺らす。
「ん?」
「俺さぁ、この格好 超ヤなんだけど……」
またか。
さっきから「木葉が着てたメイド服が良かった……」と言っていたけど、この終盤になって再び愚痴る。
全く面倒な男だ。
「そう?
でもさ、さっきも言ったけど、光太郎は足が締まってるからミニが良く似合ってるよ。
女子の私も羨むくらいの美脚。」
そんな木兎を宥め、最後の仕上げとなる薄いピンクのチークを頬に載せてやる。
「そうかぁ~?
なぁ、あかーし……俺ってイケテる?」
グズる木兎はさっき入ってきたアカアシくんに声を掛けると、
「そうですね。
木兎さん、足はイケてます。」
後方から衣擦れの音がし、私が欲しかったコメントをボソッと呟く。
すると、木兎の顔が次第にニヤけてきた。
アカアシくんの一言は、幼馴染の私に言われるよりきっと嬉しかったのだろう。
「ほらっ!
光太郎、自信持ってよ~」
ローテンションから何とか持ち直してきそうな兆し。
あと一押しか?
「マジで?
でも、どうせお世辞だろ?」
だが、そう簡単に上がってくれない。
じゃんけんで負けて残った衣装(チアガールのユニフォーム)を身に纏い、セミロングのウィッグを被った木兎は照れ隠しなのか、唇をツンと突き出す。
あ……、グロス塗るの忘れてた!
「光太郎、そのまま!
グロス塗るから。」
デパートで化粧部員をしている姉から提供してもらった試供品を詰めてきたポーチから新作のグロスを取り出す。
「えぇー!
まだ塗んの?
さっき、口紅着けたじゃんー」
口紅は着けているが、艶っぽい光沢欲しい。
その様子を横目に吹き出しそうになっているのを堪えていると、
「あの、マネージャーが模擬店の方を手伝ってほしいって言ってます。
着替え終わった人から、移動をお願いします。」
下級生(アカアシくん)は木葉達に淡々と指示を出す。
おいおい、どっちが先輩だ?
「了解。
ところでお前、今から?」
「はい、これから……。
先輩、模擬店 お願いしますね。」
「わかった。」
とりあえず、撮影会も終わって満足したのか。
女装男子達はぞろぞろと群れをなし、部室を出ていく。
「じゃ、木兎……先に行ってるな。」
純白のナース服の上に紺のカーディガンを肩に羽織った鷲見が、私にメイクされている木兎に声を掛ける。
「おう……」
部室から出ていく後ろ姿は逞しいベテラン看護師(婦長クラス)に見えた。
貫禄有り過ぎ。
「なぁ……夏乃。」
メイクの順番待ちでくたびれたのか。
集中力の途切れた幼馴染の木兎は椅子に腰掛けた状態で、両足をぶらぶらと揺らす。
「ん?」
「俺さぁ、この格好 超ヤなんだけど……」
またか。
さっきから「木葉が着てたメイド服が良かった……」と言っていたけど、この終盤になって再び愚痴る。
全く面倒な男だ。
「そう?
でもさ、さっきも言ったけど、光太郎は足が締まってるからミニが良く似合ってるよ。
女子の私も羨むくらいの美脚。」
そんな木兎を宥め、最後の仕上げとなる薄いピンクのチークを頬に載せてやる。
「そうかぁ~?
なぁ、あかーし……俺ってイケテる?」
グズる木兎はさっき入ってきたアカアシくんに声を掛けると、
「そうですね。
木兎さん、足はイケてます。」
後方から衣擦れの音がし、私が欲しかったコメントをボソッと呟く。
すると、木兎の顔が次第にニヤけてきた。
アカアシくんの一言は、幼馴染の私に言われるよりきっと嬉しかったのだろう。
「ほらっ!
光太郎、自信持ってよ~」
ローテンションから何とか持ち直してきそうな兆し。
あと一押しか?
「マジで?
でも、どうせお世辞だろ?」
だが、そう簡単に上がってくれない。
じゃんけんで負けて残った衣装(チアガールのユニフォーム)を身に纏い、セミロングのウィッグを被った木兎は照れ隠しなのか、唇をツンと突き出す。
あ……、グロス塗るの忘れてた!
「光太郎、そのまま!
グロス塗るから。」
デパートで化粧部員をしている姉から提供してもらった試供品を詰めてきたポーチから新作のグロスを取り出す。
「えぇー!
まだ塗んの?
さっき、口紅着けたじゃんー」
口紅は着けているが、艶っぽい光沢欲しい。