ヅカとはなたか
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コイツ、リサとは幼稚園からの腐れ縁。
俺の家がコイツの家の隣に引っ越して以来、親同士 仲が良い。
兄妹のように育ち、お互いの表情だけで大体言いたい事がわかる。
そしてコイツが極めて一番厄介な理由、俺が平岩の事を気になっていると薄々気付いている事。
それを事ある毎にちらつかせ、こうしてちょっかい出してくるウザい女だ。
「貴大のだぁーい好きなシュークリーム、夏乃が折角 メニューに仮採用してくれたのに。
欲しいって言ったって、あげねぇ!」
イシシッと不気味な笑みを浮かべ、部員達の後を追うように走り去っていく。
「はぁ?
何、それ……平岩が?」
リサに発言の真意を問い質す前に置いていかれたが、俺は不覚にも胸がときめいてしまった。
「ヤバい、不味いかもしれないけど、シュークリーム食べたいかも……
……ってさ、今 思ってるでしょ?」
「うわっ!!」
振り返ると真後ろに立つ松川がニヤリと笑いながら、更に近付き、
「この前 選択授業が自習の時にさ、平岩がメニューの相談してきたから、俺 推しといた。
『はなたかはシュークリーム好きなんだよ』って。」
と耳元でボソッと囁く。
松川もリサと同じく俺が平岩を気にしている事、気付いているから、二人して さりげなく応援してくれてるのか?
「えっ?」
「あと、塩キャラメルも推しといた。
国見の好物だからって。」
国見……
アイツも平岩の事、気になってると思う。
基本平岩に対して見る専だが、油断大敵。
及川同様に要警戒。
ってか、俺の事を上げといて落とすとか……
曲者・松川のやりそうな事だなと、ただただ苦笑するしかない。
「でも、あの時は平岩がすげぇ笑顔で『どっちも無理かも』ってメモってたけど、シュークリームは仮採用されたんだね~」
「たまたまだろ。
国見の好物 塩キャラメルだって、メニュー入りしてるかもしれねぇじゃん。」
「いや、入ってないと思うよ。」
「何だよ、その自信は……」
「国見と花巻選ぶなら 平岩は絶対 花巻。
ちなみに俺も絶対 花巻♡。」
「何だ、それ。」
最後のは不要だが、断言出来る程の自信はどこから来るのか?
問い質したかったが、あまりにも松川がキッパリと言い切ったもんだから、それ以上 踏み込んで聞けなかった。
松川はそんなヘタれた俺の肩をポンポンと叩くと、
「メニューに入ってなかったら、今度 飯奢ってよ。
ファミレスでいいからさ、ねっ★」
さっきよりもニヤニヤと笑い、動揺する俺を残して体育館へと向かう。
「止めてくれよ……
それでなくても意識しちまうっての。」
これで国見の好物 塩キャラメルあったら、本当凹む。
❁❁❁❁❁❁❁
「ペンキ使うから、制服汚したくないヤツはジャージに着替えて来た方がいいぞ。」
「花巻、俺 ジャージに着替えてくるわ。」
「おー、行ってこい。」
文化祭前の放課後は活気に溢れている。
当日、クラブの模擬店に出ずっぱりになる事もあり、月曜の部活休みに俺は自分のクラス発表の準備に取りかかっていた。
本来三年生は受験もあるという事から、自由参加にはなっているのだが、ノリのいい祭り好きなうちのクラスは参加する事に。
インスタ映えする撮影ポイントを提供して、皆の思いで作りの手伝い。
俺は模造紙に描かれたサイケデリックな花模様に派手なピンクの絵の具を塗っていると、
「ねぇ、マッキー!
男子バレー部ってカフェするんでしょ?」
背後で作業していた女子から声を掛けられる。
振り向くと、練習をよく覗きに来る及川ファンクラブの女子達だった。
「そうそう。
お前ら、いつも及川の事をちやほやしてるんだから、あの日くらいはお前らが及川執事にちやほやしてもらえ。
今、チケット絶賛発売中だ。」
「うん!
もう買ってる!!」
及川から買ったのだろうか、彼女らの手には既にチケットが握られていた。
「あ、そう。」
俺は自分のノルマとして渡されているチケットを制服のポケットにしまい込み、再び作業を再開する。
「マッキー、模擬店のチケットまだある?」
しばらくして、斜め前にいた良く話をする女友達・サカモトに声を掛けられる。
コイツも及川ファンだったっけ?
首を傾げながら、「まだある」とチケットを差し出してやる。
「マジ!」
「え?
アンタ、執事カフェに興味あったの?」
側にいた他の女子が呆れた様子でサカモトを冷やかすと、
「違うわよ。
私はバレー部のカフェのメニューに注目してるの!!
結構噂になってるけど、アンタら知らないの?!」
彼女らの肩を軽く叩き、得意気な顔で笑みを浮かべる。
「何、それ?」
いまいち話に着いていけてない周りの女子達はポカンとした顔だったが、サカモトの話に食い付く。
「今回のメニューはあの甘味処平岩の娘でもある夏乃考案の絶品スイーツが提供されるのよ!」
「え?
あそこの店って、夏乃の家なの?!」
「知らなかった……」
甘味処 平岩はこの辺りでも有名な老舗の和菓子屋らしい。
この学校の女子達も放課後立ち寄る店としても知られている。
「でも、カフェのメニューと和菓子……なんだかイメージが着かないんだけど。
それに夏乃だって、いくら家の家業が甘味の店って言っても、プロじゃないんだから……」
否定的な意見の中、
「皆、甘いわよ。
夏乃って、ただのイケメンじゃないから。
結構凄いのよ。」
サカモトは怯む事はなかった。
「甘味処の娘の癖に洋菓子作りが趣味なのよ!
それも結構な腕前らしい。」
「え、何それ!」
「それ、どこ情報よ。」
「女バレの子に聞いたのよ。
店出せるレベルだって。」
信じられないのも仕方ない……
確かに甘味処って、饅頭とか団子やあんみつとかって完全に和菓子のイメージで 平岩には無縁なイメージに思える。
「えっ?
和菓子じゃなくて、どうして洋菓子?!」
「そう。
小さな頃から和菓子食べ過ぎたせいか、本人はどっちかと言えば洋菓子の方が好きなんだって。」
「え、そうなの?
意外……」
「その影響で練習試合の時にみんなのおやつにって、クッキーとかパウンドケーキとか焼いて来たり、部員やマネの誕生日とかにケーキ作るんだってさ。」
『夏乃には乙女な所があるのよ……』
以前、リサからは聞いていたが、そんなコトしてるとは知らなかった。
「マジ?
あの麗人なイメージからは想像出来ないけど……」
「その辺の男子よりカッコイイ夏乃から、『君の為に作ったんだけど、美味しい?』とか言われてみ。
妄想するだけで萌えるわ!」
「それな~」
女子達が囀ずる中、俺も目を閉じてその様子を想像してみる。
確かに……
『花巻の為に作ってみた……良かったら、食べて。』
とか言われたら、俺的にも萌える。
平岩の話がこの調子で広まれば、当日はある程度の集客が見込めるだろう。
京谷や金田一が看板持って、校内歩き回る必要も無くなる(←ある意味、あの二人が宣伝すると逆効果だもんな……)。
「マッキー、私らもチケット買うわ。」
「おう!
毎度あり~」
こうして、俺のチケットは平岩とサカモトのお陰で完売した。
俺の家がコイツの家の隣に引っ越して以来、親同士 仲が良い。
兄妹のように育ち、お互いの表情だけで大体言いたい事がわかる。
そしてコイツが極めて一番厄介な理由、俺が平岩の事を気になっていると薄々気付いている事。
それを事ある毎にちらつかせ、こうしてちょっかい出してくるウザい女だ。
「貴大のだぁーい好きなシュークリーム、夏乃が折角 メニューに仮採用してくれたのに。
欲しいって言ったって、あげねぇ!」
イシシッと不気味な笑みを浮かべ、部員達の後を追うように走り去っていく。
「はぁ?
何、それ……平岩が?」
リサに発言の真意を問い質す前に置いていかれたが、俺は不覚にも胸がときめいてしまった。
「ヤバい、不味いかもしれないけど、シュークリーム食べたいかも……
……ってさ、今 思ってるでしょ?」
「うわっ!!」
振り返ると真後ろに立つ松川がニヤリと笑いながら、更に近付き、
「この前 選択授業が自習の時にさ、平岩がメニューの相談してきたから、俺 推しといた。
『はなたかはシュークリーム好きなんだよ』って。」
と耳元でボソッと囁く。
松川もリサと同じく俺が平岩を気にしている事、気付いているから、二人して さりげなく応援してくれてるのか?
「えっ?」
「あと、塩キャラメルも推しといた。
国見の好物だからって。」
国見……
アイツも平岩の事、気になってると思う。
基本平岩に対して見る専だが、油断大敵。
及川同様に要警戒。
ってか、俺の事を上げといて落とすとか……
曲者・松川のやりそうな事だなと、ただただ苦笑するしかない。
「でも、あの時は平岩がすげぇ笑顔で『どっちも無理かも』ってメモってたけど、シュークリームは仮採用されたんだね~」
「たまたまだろ。
国見の好物 塩キャラメルだって、メニュー入りしてるかもしれねぇじゃん。」
「いや、入ってないと思うよ。」
「何だよ、その自信は……」
「国見と花巻選ぶなら 平岩は絶対 花巻。
ちなみに俺も絶対 花巻♡。」
「何だ、それ。」
最後のは不要だが、断言出来る程の自信はどこから来るのか?
問い質したかったが、あまりにも松川がキッパリと言い切ったもんだから、それ以上 踏み込んで聞けなかった。
松川はそんなヘタれた俺の肩をポンポンと叩くと、
「メニューに入ってなかったら、今度 飯奢ってよ。
ファミレスでいいからさ、ねっ★」
さっきよりもニヤニヤと笑い、動揺する俺を残して体育館へと向かう。
「止めてくれよ……
それでなくても意識しちまうっての。」
これで国見の好物 塩キャラメルあったら、本当凹む。
❁❁❁❁❁❁❁
「ペンキ使うから、制服汚したくないヤツはジャージに着替えて来た方がいいぞ。」
「花巻、俺 ジャージに着替えてくるわ。」
「おー、行ってこい。」
文化祭前の放課後は活気に溢れている。
当日、クラブの模擬店に出ずっぱりになる事もあり、月曜の部活休みに俺は自分のクラス発表の準備に取りかかっていた。
本来三年生は受験もあるという事から、自由参加にはなっているのだが、ノリのいい祭り好きなうちのクラスは参加する事に。
インスタ映えする撮影ポイントを提供して、皆の思いで作りの手伝い。
俺は模造紙に描かれたサイケデリックな花模様に派手なピンクの絵の具を塗っていると、
「ねぇ、マッキー!
男子バレー部ってカフェするんでしょ?」
背後で作業していた女子から声を掛けられる。
振り向くと、練習をよく覗きに来る及川ファンクラブの女子達だった。
「そうそう。
お前ら、いつも及川の事をちやほやしてるんだから、あの日くらいはお前らが及川執事にちやほやしてもらえ。
今、チケット絶賛発売中だ。」
「うん!
もう買ってる!!」
及川から買ったのだろうか、彼女らの手には既にチケットが握られていた。
「あ、そう。」
俺は自分のノルマとして渡されているチケットを制服のポケットにしまい込み、再び作業を再開する。
「マッキー、模擬店のチケットまだある?」
しばらくして、斜め前にいた良く話をする女友達・サカモトに声を掛けられる。
コイツも及川ファンだったっけ?
首を傾げながら、「まだある」とチケットを差し出してやる。
「マジ!」
「え?
アンタ、執事カフェに興味あったの?」
側にいた他の女子が呆れた様子でサカモトを冷やかすと、
「違うわよ。
私はバレー部のカフェのメニューに注目してるの!!
結構噂になってるけど、アンタら知らないの?!」
彼女らの肩を軽く叩き、得意気な顔で笑みを浮かべる。
「何、それ?」
いまいち話に着いていけてない周りの女子達はポカンとした顔だったが、サカモトの話に食い付く。
「今回のメニューはあの甘味処平岩の娘でもある夏乃考案の絶品スイーツが提供されるのよ!」
「え?
あそこの店って、夏乃の家なの?!」
「知らなかった……」
甘味処 平岩はこの辺りでも有名な老舗の和菓子屋らしい。
この学校の女子達も放課後立ち寄る店としても知られている。
「でも、カフェのメニューと和菓子……なんだかイメージが着かないんだけど。
それに夏乃だって、いくら家の家業が甘味の店って言っても、プロじゃないんだから……」
否定的な意見の中、
「皆、甘いわよ。
夏乃って、ただのイケメンじゃないから。
結構凄いのよ。」
サカモトは怯む事はなかった。
「甘味処の娘の癖に洋菓子作りが趣味なのよ!
それも結構な腕前らしい。」
「え、何それ!」
「それ、どこ情報よ。」
「女バレの子に聞いたのよ。
店出せるレベルだって。」
信じられないのも仕方ない……
確かに甘味処って、饅頭とか団子やあんみつとかって完全に和菓子のイメージで 平岩には無縁なイメージに思える。
「えっ?
和菓子じゃなくて、どうして洋菓子?!」
「そう。
小さな頃から和菓子食べ過ぎたせいか、本人はどっちかと言えば洋菓子の方が好きなんだって。」
「え、そうなの?
意外……」
「その影響で練習試合の時にみんなのおやつにって、クッキーとかパウンドケーキとか焼いて来たり、部員やマネの誕生日とかにケーキ作るんだってさ。」
『夏乃には乙女な所があるのよ……』
以前、リサからは聞いていたが、そんなコトしてるとは知らなかった。
「マジ?
あの麗人なイメージからは想像出来ないけど……」
「その辺の男子よりカッコイイ夏乃から、『君の為に作ったんだけど、美味しい?』とか言われてみ。
妄想するだけで萌えるわ!」
「それな~」
女子達が囀ずる中、俺も目を閉じてその様子を想像してみる。
確かに……
『花巻の為に作ってみた……良かったら、食べて。』
とか言われたら、俺的にも萌える。
平岩の話がこの調子で広まれば、当日はある程度の集客が見込めるだろう。
京谷や金田一が看板持って、校内歩き回る必要も無くなる(←ある意味、あの二人が宣伝すると逆効果だもんな……)。
「マッキー、私らもチケット買うわ。」
「おう!
毎度あり~」
こうして、俺のチケットは平岩とサカモトのお陰で完売した。