all night long
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『平岩さんって、経済学部の彼氏クンとは別れたの~?』
同じ学科の然程 仲良くもない友達が行った飲食店は彼氏のバイト先だった。
『あー、ごめんねぇ~
あたし、てっきり彼氏クンが若い子に鞍替えしたのかと思っちゃった~』
彼女はかなりデリカシーのない言葉で、彼氏が可愛らしいバイトの女の子(JK)とイチャついていた目撃談(それも動画まで撮っていた……)をされたのだ。
その後、彼氏を呼び出して問い詰めるも『誤解だ!』の一点張り。
プライドの高いヤツが素直に首を縦に振るはずもない。
「いい加減にしてくれよ。
俺があんなの、相手にする訳ないだろ?」
凄い剣幕で主張するものだから、その言葉を信じて 一度は許そうと思ったが……
「どうかな……」
私のせまーい心はこの人をやはり許せないと訴えているのだろう。
「もう勝手にしろよ。
お前みたいな嫉妬深い女、これ以上 付き合ってられっか!」
そんな言葉と共に、頭から冷たい液体が滴り落ちてきた。
「キャーッ!」
店内の女性客だろうか……
誰かの悲鳴が聞こえてきた。
その瞬間、店員が異変に気付いたのか、
「お客様、大丈夫ですか?!」
私の座るテーブルへ店長が駆けつける。
「ちょっとっ、菅原くん!
奥からタオル持ってきて!!」
「はいっ!!」
店員達は慌ててバックヤードへ向かう。
その様子に周りの客も野次馬と化し、もう一人の当事者はざわつく店内から既に消え去っていた。
「ちょっとあの子、びしょ濡れじゃん。
何があったの?」
「さっき、ツレの男がグラスの水をかけて出て行った。」
「えっ……マジか。」
「あの子、可哀想~」
『可哀想』。
その言葉に我に返る。
今の私って、彼氏に三行半 突き付けられた哀れな女に見えてるんだ……
✽✽✽✽✽✽✽
「本当に、これ貰っていいの?」
これで何度目だろうか。
親友のゆりが私のベッドの上に散乱している服を畳みながら尋ねる。
「うん。
もう、着ること無いから。
ゆりが気に入った服があれば遠慮なく持っていって!」
晴れて自由になれた記念とでもいえばいいのだろうか。
それを機に全てを清算したくて、翌日 断捨離を決行していた。
アイツと別れたんだから、アイツの好きな系統の服なんて着なくてもいい。
これからは人の顔色見て格好を気にする必要も無いのだから。
「でも、これ……この前 バーゲンで買ったばかりじゃん。
まだ着てないんじゃない?」
「うん。
でも、もういいの。
元々、その色は好きじゃなかったから。」
「なるほど……
これ全部、元カレの趣味ってことか。」
「その通り。
正解されたゆりさんには、もれなくそのお洋服を贈呈いたします~」
「あ……全部はいいや。
私もこの色、好きじゃない。」
大学に入学してすぐに告白され、生まれて初めて付き合った人。
違う学部だったけど、女子校育ちの私は初めての告白に舞い上がってしまい、人となりも知らぬまま即OK。
『服はコレが最近の流行りで、夏乃が着たら超可愛いよ。』
『女の子は髪が長い方がいいよね!
俺、巻き髪とかしてる子 好きなんだよねぇ~』
『大人しくて控え目な子の方が女の子って感じがして、可愛く見えるよね。』
付き合うって意味もわかってなかった私はこの三ヶ月間、思い切り彼に振り回されていた。
おばあちゃんのように人生、後悔したくない!!
そんな思いから、浅はかな私は流れに身を任せ過ぎ、やること為すこと それとなく制約されていたのだ。
同じ学科の然程 仲良くもない友達が行った飲食店は彼氏のバイト先だった。
『あー、ごめんねぇ~
あたし、てっきり彼氏クンが若い子に鞍替えしたのかと思っちゃった~』
彼女はかなりデリカシーのない言葉で、彼氏が可愛らしいバイトの女の子(JK)とイチャついていた目撃談(それも動画まで撮っていた……)をされたのだ。
その後、彼氏を呼び出して問い詰めるも『誤解だ!』の一点張り。
プライドの高いヤツが素直に首を縦に振るはずもない。
「いい加減にしてくれよ。
俺があんなの、相手にする訳ないだろ?」
凄い剣幕で主張するものだから、その言葉を信じて 一度は許そうと思ったが……
「どうかな……」
私のせまーい心はこの人をやはり許せないと訴えているのだろう。
「もう勝手にしろよ。
お前みたいな嫉妬深い女、これ以上 付き合ってられっか!」
そんな言葉と共に、頭から冷たい液体が滴り落ちてきた。
「キャーッ!」
店内の女性客だろうか……
誰かの悲鳴が聞こえてきた。
その瞬間、店員が異変に気付いたのか、
「お客様、大丈夫ですか?!」
私の座るテーブルへ店長が駆けつける。
「ちょっとっ、菅原くん!
奥からタオル持ってきて!!」
「はいっ!!」
店員達は慌ててバックヤードへ向かう。
その様子に周りの客も野次馬と化し、もう一人の当事者はざわつく店内から既に消え去っていた。
「ちょっとあの子、びしょ濡れじゃん。
何があったの?」
「さっき、ツレの男がグラスの水をかけて出て行った。」
「えっ……マジか。」
「あの子、可哀想~」
『可哀想』。
その言葉に我に返る。
今の私って、彼氏に三行半 突き付けられた哀れな女に見えてるんだ……
✽✽✽✽✽✽✽
「本当に、これ貰っていいの?」
これで何度目だろうか。
親友のゆりが私のベッドの上に散乱している服を畳みながら尋ねる。
「うん。
もう、着ること無いから。
ゆりが気に入った服があれば遠慮なく持っていって!」
晴れて自由になれた記念とでもいえばいいのだろうか。
それを機に全てを清算したくて、翌日 断捨離を決行していた。
アイツと別れたんだから、アイツの好きな系統の服なんて着なくてもいい。
これからは人の顔色見て格好を気にする必要も無いのだから。
「でも、これ……この前 バーゲンで買ったばかりじゃん。
まだ着てないんじゃない?」
「うん。
でも、もういいの。
元々、その色は好きじゃなかったから。」
「なるほど……
これ全部、元カレの趣味ってことか。」
「その通り。
正解されたゆりさんには、もれなくそのお洋服を贈呈いたします~」
「あ……全部はいいや。
私もこの色、好きじゃない。」
大学に入学してすぐに告白され、生まれて初めて付き合った人。
違う学部だったけど、女子校育ちの私は初めての告白に舞い上がってしまい、人となりも知らぬまま即OK。
『服はコレが最近の流行りで、夏乃が着たら超可愛いよ。』
『女の子は髪が長い方がいいよね!
俺、巻き髪とかしてる子 好きなんだよねぇ~』
『大人しくて控え目な子の方が女の子って感じがして、可愛く見えるよね。』
付き合うって意味もわかってなかった私はこの三ヶ月間、思い切り彼に振り回されていた。
おばあちゃんのように人生、後悔したくない!!
そんな思いから、浅はかな私は流れに身を任せ過ぎ、やること為すこと それとなく制約されていたのだ。