all night long
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昔、おばあちゃんが言っていた。
『物事がトントン拍子に進むときは、抗うことなくその流れに身を任せるもんだ。』
……と。
それは引っ込み思案のおばあちゃんの実体験でもあったらしく、当時 怖じ気付いたせいで大きなチャンスを目前で逃す失態を犯してしまったそうだ。
幼い頃から何度もその話を聞いていた私 平岩 夏乃は、数多くあるMy教訓の中の一つとして育つことになる。
「あの……ご注文、お決まりでしょうか?」
静寂を破ったのはカフェの店員だった。
さっきからメニュー表に視線を落としていた彼だったが、未だに何も決めていなかったのだろう。
一瞬、焦った表情を見せつつ、その問い掛けにしばらく黙り込んでいたが、
「あ、じゃ……コーヒー……」
そう言い終えると、手にしていたメニュー表を何事もなくテーブルの隅に置く。
私はまだ何一つ頼んでもないのに、会って早々 この無神経さにイラつくとは思わなかった。
ちょっと前なら、自分が頼む前にメニュー表を手渡していたのに……
気を抜けば、溜息ついてしまいそうだ。
あ……いけない、いけない。
『これはいつものこと。
そう思い込んでしまえば、楽になれるかもよ?』
と親友にアドバイスを受けたが、それでいつまで私のメンタルが持つか……
時間の問題かもしれない。
「私、オレンジソーダティー……」
無神経な彼の態度にイラッとしながら、この前から気になっていたメニューをオーダーする。
「はぁ?
何、それ……メニューにあんの?」
だが、オーダーするや否や、目の前の彼はわざとらしく大きな声を挙げ、机の上にあるメニュー表を手にする。
多分、いつも『ミルクティー』を注文する私が全く違う、それも彼の中で許容出来ない物をオーダーしたからだろう。
残念ながら、これもいつものことだ。
「あります。
オレンジジュースと紅茶と炭酸で割っている飲み物……ですよね?」
私は側でオーダーを受けていた店員に話を振ると、
「あ……はい、その通りです。
夏期限定のメニューになります。」
「それ一つ。
お願いします。」
「はい、畏まりました。
では、ご注文の確認をさせて頂きます……」
慌ててメモを取り、オーダー確認をすると奥のカウンターへと消えていった。
ここに来るのは1ヶ月振りだが、店内にあったバイト募集のポスターが消えていのに気付く。
おそらく、さっきの店員さんが新しいバイトなのだろう。
年齢は私と同じ大学生くらいだろうか……馬鹿丁寧な接客に人柄が表れている気がする。
私は一人 ぼんやりとそんなことを考えていると、
「マズそっ……
夏乃ってさ、変な物 好きだよな~
俺、絶対ムリ。」
私のオーダーにケチをつける。
相変わらず、面倒な性格。
アンタが飲むんじゃないんだし、放っておいてくれたら いいものを……
「そうね。
オレンジソーダティーにしろ、アンタにしろ……」
月に一度の女の子の日を迎えていたせいもあり、私の我慢はピークに達し……
「私ってば、ホント物好きだよね?」
頭の悪い彼でもわかるような皮肉をわざと言っていた。
「あ?
どういう意味だよ。」
あぁ……
とりあえず、伝わったらしい。
御機嫌斜めの彼はさっきまでの表情と比べ物にならないくらい細い眉はつり上がり、不満げな表情で私を睨み付ける。
やってしまった。
今日、この人と仲直りするつもりでここに来たはずなのに……
でも、もう止まらない。
「そのままの意味ですけど。
バイト先のJKと浮気してる男をいつまでも彼氏にしてるんだから……」
「はぁ?
お前、まだそんなこと言ってんの?」
『物事がトントン拍子に進むときは、抗うことなくその流れに身を任せるもんだ。』
……と。
それは引っ込み思案のおばあちゃんの実体験でもあったらしく、当時 怖じ気付いたせいで大きなチャンスを目前で逃す失態を犯してしまったそうだ。
幼い頃から何度もその話を聞いていた私 平岩 夏乃は、数多くあるMy教訓の中の一つとして育つことになる。
「あの……ご注文、お決まりでしょうか?」
静寂を破ったのはカフェの店員だった。
さっきからメニュー表に視線を落としていた彼だったが、未だに何も決めていなかったのだろう。
一瞬、焦った表情を見せつつ、その問い掛けにしばらく黙り込んでいたが、
「あ、じゃ……コーヒー……」
そう言い終えると、手にしていたメニュー表を何事もなくテーブルの隅に置く。
私はまだ何一つ頼んでもないのに、会って早々 この無神経さにイラつくとは思わなかった。
ちょっと前なら、自分が頼む前にメニュー表を手渡していたのに……
気を抜けば、溜息ついてしまいそうだ。
あ……いけない、いけない。
『これはいつものこと。
そう思い込んでしまえば、楽になれるかもよ?』
と親友にアドバイスを受けたが、それでいつまで私のメンタルが持つか……
時間の問題かもしれない。
「私、オレンジソーダティー……」
無神経な彼の態度にイラッとしながら、この前から気になっていたメニューをオーダーする。
「はぁ?
何、それ……メニューにあんの?」
だが、オーダーするや否や、目の前の彼はわざとらしく大きな声を挙げ、机の上にあるメニュー表を手にする。
多分、いつも『ミルクティー』を注文する私が全く違う、それも彼の中で許容出来ない物をオーダーしたからだろう。
残念ながら、これもいつものことだ。
「あります。
オレンジジュースと紅茶と炭酸で割っている飲み物……ですよね?」
私は側でオーダーを受けていた店員に話を振ると、
「あ……はい、その通りです。
夏期限定のメニューになります。」
「それ一つ。
お願いします。」
「はい、畏まりました。
では、ご注文の確認をさせて頂きます……」
慌ててメモを取り、オーダー確認をすると奥のカウンターへと消えていった。
ここに来るのは1ヶ月振りだが、店内にあったバイト募集のポスターが消えていのに気付く。
おそらく、さっきの店員さんが新しいバイトなのだろう。
年齢は私と同じ大学生くらいだろうか……馬鹿丁寧な接客に人柄が表れている気がする。
私は一人 ぼんやりとそんなことを考えていると、
「マズそっ……
夏乃ってさ、変な物 好きだよな~
俺、絶対ムリ。」
私のオーダーにケチをつける。
相変わらず、面倒な性格。
アンタが飲むんじゃないんだし、放っておいてくれたら いいものを……
「そうね。
オレンジソーダティーにしろ、アンタにしろ……」
月に一度の女の子の日を迎えていたせいもあり、私の我慢はピークに達し……
「私ってば、ホント物好きだよね?」
頭の悪い彼でもわかるような皮肉をわざと言っていた。
「あ?
どういう意味だよ。」
あぁ……
とりあえず、伝わったらしい。
御機嫌斜めの彼はさっきまでの表情と比べ物にならないくらい細い眉はつり上がり、不満げな表情で私を睨み付ける。
やってしまった。
今日、この人と仲直りするつもりでここに来たはずなのに……
でも、もう止まらない。
「そのままの意味ですけど。
バイト先のJKと浮気してる男をいつまでも彼氏にしてるんだから……」
「はぁ?
お前、まだそんなこと言ってんの?」