雲ゆき
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遠距離恋愛でもないのに、もう1ヶ月も会ってない。
今日みたいな雨の中、待ち合わせ場所に現れないクロをずっと待ち続けた彼女が本当に不憫だ。
もしかして、彼女はクロのこと愛想尽かしているんじゃないだろうか?
クロはそれに気付いてないの?
「クロ……今日みたいに、彼女が『会わなくていい』って言ったら、会いに行かないの?」
どうしてお前がそんなことを聞く?
そんな表情でクロは首を傾げながらも、
「まぁ……向こうがそう言うなら……」
俺の質問に素直に答える。
あぁ……
ダメだ、こりゃ。
「クロって、そんなんでよくフラレないね。
俺が彼女なら、とっくに別れてるよ。」
付き合ってる意味ないもん。
聞いてる限り、楽しいと思えない。
「ははっ……そりゃないわ。
何せ、夏乃は俺に惚れてるから……」
確かめてもないくせに、よく言うよ。
どこからそんな自信が湧いてくるのだろう?
「……そう思ってるのはクロだけかも。」
「は?」
「クロが来なかったから、どっかのイケメンにナンパされて遊びに行ってたりして。
だから、『会わなくていい』って言われたんじゃない?」
彼女がそんなことをするような人じゃないことはわかってる。
だけど、こうでも言ってやらなきゃ、クロは動かない。
「研磨、お前 何言ってんだ?」
バカにしたような口調だけど、少し動揺しているのか……顔が引きつってきた。
あと一押し!
「俺が彼女なら、そうするって話だよ。
彼氏に放置されたら、自棄 になるの普通でしょ。
今頃、彼女……どこにいるんだろうね~」
クロは言い終わる前に俺の部屋を後にした。
◇◇◇◇◇◇◇
「……くしゅん。」
電車が最寄り駅に到着した途端、背筋にゾクゾクと悪寒が走る。
長時間、鉄朗を待ちながら、雨に濡れてしまったのがいけなかったのだろう。
早く家に帰ろう……
電車のドアが開くと、正面から勢いよく風が吹き込む。
ふと顔を上げると、さっきまでのどんよりとした重い雨雲がすごい速さで吹き飛んでいく。
この調子なら、明日は晴れるかな?
「はっ……く、しゅんっ!」
ホームに降り立った瞬間、二度目のくしゃみ。
あ……ヤバい。
風邪ひいたかも。
改札を足早に抜け、自宅に向かって歩く。
辺りは日も暮れて、薄暗い。
今日は雨の日曜日ということもあり、駅前の通りも閑散としている。
いつもなら、何も感じない風景。
だけど、今日は違った。
胸の辺りがキュっと締め付けられる。
……何だろう?
この感じ、変なの。
「……くしゅんっ!」
閉店間際、シャッターを下ろそうとしているパン屋の前でもくしゃみが出る。
ダメだ。
これ、完璧に風邪だわ。
そう自覚すると、身体が気だるくなっていく。
足取りもノロノロ。
何だか、しんどくなってきた。
「ねぇねぇ、彼女。
フラフラしてるけど、大丈夫?」
しばらく必死で歩いていると、背後から誰かが話しかけてくる。
そんなにフラフラしてるのだろうか?
全く自覚がない。
無言でぼんやりと考えていると、突然 背後から腕を掴まれた。
「えっ?!
ちょっ……」
「俺さ、すぐ近くに車停めてるから、送ってってあげるよ~」
今日みたいな雨の中、待ち合わせ場所に現れないクロをずっと待ち続けた彼女が本当に不憫だ。
もしかして、彼女はクロのこと愛想尽かしているんじゃないだろうか?
クロはそれに気付いてないの?
「クロ……今日みたいに、彼女が『会わなくていい』って言ったら、会いに行かないの?」
どうしてお前がそんなことを聞く?
そんな表情でクロは首を傾げながらも、
「まぁ……向こうがそう言うなら……」
俺の質問に素直に答える。
あぁ……
ダメだ、こりゃ。
「クロって、そんなんでよくフラレないね。
俺が彼女なら、とっくに別れてるよ。」
付き合ってる意味ないもん。
聞いてる限り、楽しいと思えない。
「ははっ……そりゃないわ。
何せ、夏乃は俺に惚れてるから……」
確かめてもないくせに、よく言うよ。
どこからそんな自信が湧いてくるのだろう?
「……そう思ってるのはクロだけかも。」
「は?」
「クロが来なかったから、どっかのイケメンにナンパされて遊びに行ってたりして。
だから、『会わなくていい』って言われたんじゃない?」
彼女がそんなことをするような人じゃないことはわかってる。
だけど、こうでも言ってやらなきゃ、クロは動かない。
「研磨、お前 何言ってんだ?」
バカにしたような口調だけど、少し動揺しているのか……顔が引きつってきた。
あと一押し!
「俺が彼女なら、そうするって話だよ。
彼氏に放置されたら、
今頃、彼女……どこにいるんだろうね~」
クロは言い終わる前に俺の部屋を後にした。
◇◇◇◇◇◇◇
「……くしゅん。」
電車が最寄り駅に到着した途端、背筋にゾクゾクと悪寒が走る。
長時間、鉄朗を待ちながら、雨に濡れてしまったのがいけなかったのだろう。
早く家に帰ろう……
電車のドアが開くと、正面から勢いよく風が吹き込む。
ふと顔を上げると、さっきまでのどんよりとした重い雨雲がすごい速さで吹き飛んでいく。
この調子なら、明日は晴れるかな?
「はっ……く、しゅんっ!」
ホームに降り立った瞬間、二度目のくしゃみ。
あ……ヤバい。
風邪ひいたかも。
改札を足早に抜け、自宅に向かって歩く。
辺りは日も暮れて、薄暗い。
今日は雨の日曜日ということもあり、駅前の通りも閑散としている。
いつもなら、何も感じない風景。
だけど、今日は違った。
胸の辺りがキュっと締め付けられる。
……何だろう?
この感じ、変なの。
「……くしゅんっ!」
閉店間際、シャッターを下ろそうとしているパン屋の前でもくしゃみが出る。
ダメだ。
これ、完璧に風邪だわ。
そう自覚すると、身体が気だるくなっていく。
足取りもノロノロ。
何だか、しんどくなってきた。
「ねぇねぇ、彼女。
フラフラしてるけど、大丈夫?」
しばらく必死で歩いていると、背後から誰かが話しかけてくる。
そんなにフラフラしてるのだろうか?
全く自覚がない。
無言でぼんやりと考えていると、突然 背後から腕を掴まれた。
「えっ?!
ちょっ……」
「俺さ、すぐ近くに車停めてるから、送ってってあげるよ~」