【番外編】意外とナイーブ
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※attention※
黒尾長編夢『君じゃないとダメみたい』の番外編、本編とは全く関係ない話。
「なぁ、神谷……夏休みにどこ行ったと思う?」
夏休みも終わり、新学期。
久しぶりに見た神谷を横目にクロが呟く。
体育館で始業式を終え、教室に向かう廊下で隣にいる俺に尋ねているようだ。
「知らない。
夏休みだし、そりゃどこか行くだろ。」
図書委員だから図書室とか、受験生だから予備校で夏期講習とか。
お盆休みとかは両親の田舎に里帰りとか……
家から出ない訳がない。
「夏休み前より日焼けしてるし。
もしかして、ヤローとプールとか行ってイチャイチャしてたとか。
なぁ、やっくん……神谷から聞いてない?」
でかい図体して、不安なのだろうか。
黒尾は青い顔で肩を落とす。
「知らねぇよ。
何で俺が把握してないといけないんだ?」
「だって、アイツの保護者だろ?」
……ホゴシャ?
「はあ?」
いつから俺が神谷の保護者になった?
「だって、いつも俺と神谷の邪魔するし。
神谷も何かあったら、すぐにやっくん 頼るし。
で、やっくんもアイツのことになったら、過保護になってるし。」
おまけに過保護って。
俺はいつからあの子の親になったんだ?
言い掛かりも甚だしい。
「ちょっ、邪魔なんてしてない!
クロが公衆の面前でベタベタするから、暑苦しくて止めてるだけ!
そんなに気になるなら、直接聞けよ。」
「いや、もし直接聞いて……
神谷に男が出来てたら立ち直れそうにないし……」
セクハラ紛いのことは平気でするくせに、こういう時になるとからっきしダメになる。
あぁ、情けない。
「俺って意外とナイーブに出来てるの。
な、頼む!
この通り!!!」
クロは大仏でも拝むように俺に向かって手を合わせる。
あぁ、面倒臭いことになった。
「誰が、『ナイーブ』だよ?
ふざけるな!!」
とりあえず、2日放置。
それでもまだクロが騒ぐので、仕方なく神谷に日焼けの理由を聞いたが、
「家の庭の草むしりをさせられてね。
帽子被ってたんだけど、やっぱり日焼けしちゃってたか……」
全く色気のない内容だった。
それをクロに報告してやると、
「そっか、そっか。
俺の考え過ぎだったか……
そうだよな、神谷に俺以外の男は出来ねぇよな。
はははっ……」
ニヤニヤ笑いながら、教室を出ていく。
どうやら、本日 図書委員の当番の神谷の元へと向かったのだろう。
この2日間、今回の件でいつもよりちょっかい出さずに大人しくしてたから、その反動が出てセクハラ・クロの餌食になることは簡単に予想出来た。
「御愁傷様……」
とりあえず、神谷が泣きついてきたら、愚痴でも聞いてやるか……
2016.9.20
Web拍手お礼小話として公開
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