神様、もう少しだけ……
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★attention★
及川短編の『君のせいだよ』の後日談。
『君のせいだよ』閲覧後にお読み下さい。
フォレストで掲載するにあたり
若干 加筆修正しております。
苦情は受付しておりませんので、
あしからず。
春は三月……
暦の上では早春と言えど、東北はまだまだ寒い。
桜のつぼみもまだ綻ぶ兆しはなく、暖かくなるのを今か今かと待ちわびている。
最後のホームルームも終わり、渡り廊下から中庭の木々を眺めつつ、
「もう少し暖かくならないとダメだね……」
一人呟き、部室へ私物を取りに行く。
特別棟の一階、作法室(和室)の隣の部屋……
ここに来るのも今日が最後か。
一人感慨に更けながら、職員室で借りてきた鍵を手にノブを掴むと、開くはずのない部室のドアが開いた。
鍵のかけ忘れか?
何と物騒なことだろう。
後で部長にメールしておくか……
首を傾げながら、部室に足を踏み入れると、
「マロちゃん先輩!
卒業、おめでとうございまーすっ!!」
誰も居ないはずのそこには後輩達が大きな花束を抱えて、たくさんの拍手と「おめでとう」の声と共に出迎えてくれた。
「あ……えっ?
ど、どうして……」
にっこり笑顔の部長から手渡された花束を受け取り、立ち尽くす。
それもそのはず……
私の所属していた茶道部は、昨日 三年生の追い出し会を開催。
後輩からは、今日 部長が私用で不在とかでイベント的なことはしないと聞いていた。
「マロちゃん先輩、もしかして誰も居ないと思ってました?!」
そりゃ……
そう聞いていたからね。
「今日、卒業式なのに何もしないなんて、そんな薄情なヤツはうちの部にはいないですよ~」
「あ……びっくりした……」
予想外の出来事に驚いて、泣くつもりなんてなかったのに涙ぐんでしまう。
「サプライズ、大成功!」
「先輩……東京の大学に行っても、宮城に帰って来た時は遊びに来て下さいね!!」
ダメだ……
我慢すれば、我慢するほど涙が止まんない!!
「……みんな、あ"りがどう"!」
「マロちゃん先輩、鼻水 出てるっ!」
「今日の主役が台無し!!」
「誰かっ、ティッシュ ティッシュ!」
去年、長期の入院していたせいもあり、出席日数が足りずに留年した私平岩 夏乃。
この学校で三年生を二回もしたことになる。
及川短編の『君のせいだよ』の後日談。
『君のせいだよ』閲覧後にお読み下さい。
フォレストで掲載するにあたり
若干 加筆修正しております。
苦情は受付しておりませんので、
あしからず。
春は三月……
暦の上では早春と言えど、東北はまだまだ寒い。
桜のつぼみもまだ綻ぶ兆しはなく、暖かくなるのを今か今かと待ちわびている。
最後のホームルームも終わり、渡り廊下から中庭の木々を眺めつつ、
「もう少し暖かくならないとダメだね……」
一人呟き、部室へ私物を取りに行く。
特別棟の一階、作法室(和室)の隣の部屋……
ここに来るのも今日が最後か。
一人感慨に更けながら、職員室で借りてきた鍵を手にノブを掴むと、開くはずのない部室のドアが開いた。
鍵のかけ忘れか?
何と物騒なことだろう。
後で部長にメールしておくか……
首を傾げながら、部室に足を踏み入れると、
「マロちゃん先輩!
卒業、おめでとうございまーすっ!!」
誰も居ないはずのそこには後輩達が大きな花束を抱えて、たくさんの拍手と「おめでとう」の声と共に出迎えてくれた。
「あ……えっ?
ど、どうして……」
にっこり笑顔の部長から手渡された花束を受け取り、立ち尽くす。
それもそのはず……
私の所属していた茶道部は、昨日 三年生の追い出し会を開催。
後輩からは、今日 部長が私用で不在とかでイベント的なことはしないと聞いていた。
「マロちゃん先輩、もしかして誰も居ないと思ってました?!」
そりゃ……
そう聞いていたからね。
「今日、卒業式なのに何もしないなんて、そんな薄情なヤツはうちの部にはいないですよ~」
「あ……びっくりした……」
予想外の出来事に驚いて、泣くつもりなんてなかったのに涙ぐんでしまう。
「サプライズ、大成功!」
「先輩……東京の大学に行っても、宮城に帰って来た時は遊びに来て下さいね!!」
ダメだ……
我慢すれば、我慢するほど涙が止まんない!!
「……みんな、あ"りがどう"!」
「マロちゃん先輩、鼻水 出てるっ!」
「今日の主役が台無し!!」
「誰かっ、ティッシュ ティッシュ!」
去年、長期の入院していたせいもあり、出席日数が足りずに留年した私平岩 夏乃。
この学校で三年生を二回もしたことになる。
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