君のせいだよ
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手にしたスマホの画面、
発信しても通じない電話を切り、それをカバンのポケットに収めた。
「……もう。
皆、どこ行っちゃったんだよ……」
さっきからどれだけ歩いたか。
歩けども歩けども、生い茂った木々。
四方を見渡しても、景色は変わらず。
『分け入っても 分け入っても 青い山』
この前、授業でやった山頭火の句がふと頭に浮かぶ。
学年も変わり、今更だけど『親睦を深める為』という名目で行われた遠足という名の山登り。
電車から降りるまでは皆と一緒にいたが、同じクラスの女子達に話しかけられて少しお喋りするはずだったが……
「先に行くからな。」
女子にモテモテの俺に嫉妬した岩ちゃん達は俺を置き去りにして、さっさと出発してしまった。
その時はむさ苦しい男達(男子バレー部員)で山頂を目指すより、女子と一緒の方が絶対に楽しい!
……そう思っていた。
だが、女子達は山には登らずに麓の公園を散策すると言い始め、仕方なく一人で山に入ることになる。
案内板もろくに見ずに入山した愚かな(今日限定ね!)俺は岩ちゃん達にすぐに追い付ける!等と高を括っていた。
だが、この山……結構 傾斜があってキツい。
もしかして……こんな軽装(ジャージとスニーカー)でハイキングで歩くような山じゃないんじゃ?
「誰だよ……こんなとこ、遠足で来ようって言い出したの……」
お陰で、高3にもなって迷子だよ。
一人溜息をついて、立ち止まる。
「空、ちっちゃいな……」
見上げた空は、周りの高い木々に囲まれて狭い。
今日の天気は雲一つない晴天だっていうのに……
何てツイてないんだろ、俺。
大きな溜息をこぼし、再び歩き始めるが、さっきまでの追い付こうという勢いはもうない。
……疲れてしまった。
それに喉も渇く。
自宅から飲み物を持っていくのは荷物になるから、駅でお茶でも買おうと思っていた。
だが、皆をこうして追いかける羽目になり、買い忘れるという致命的なミス(これも今日限定!)を犯してしまう。
あぁ、俺のバカ!
✪✪✪✪✪✪✪
しばらく歩くと、道の先に光が広がって見える。
長かったこの薄暗い森をやっと抜けるのだろう。
「はぁ……はぁ……」
ようやく山頂にたどり着くのか?
足取りも自然と早まる。
皆と合流したら、お茶……分けてもらおう。
っていうか、お茶じゃなくてもいい。
水分を補給出来れば、この際 何だって……
もう文句なんて言ってられないぐらい喉が渇いていた。
「はぁ……はぁっ、はぁ……」
この坂を登り切れば、皆と合流出来る、渇いた喉を潤せる!
気が付けば、その一心で山道を駆け上がっていた。
キツいけど、頬を掠める風が心地好くて足取りも軽くなっていく。
✪✪✪✪✪✪✪
何が『頬を掠める風が心地好くて足取りも軽くなっていく』……だ。
岩ちゃんじゃないけど、数分前のポエミーなこと言ってる俺に後ろから蹴り入れてやりたい。
全力で走ったせいか、呼吸は乱れて全身汗だく、身体も重くなっていく。
くたびれた俺は立ち止まり、ゆっくりと顔を上げる。
とりあえず、さっきの森は抜けた。
だが、目前には再び続く新たな山道……
山頂には若干近付いたが、まだまだ先は長い。
「皆、本当にここ通ったのかな?」
ふと そんな疑問を抱くが、岩ちゃん率いる『体力バカ集団』のことだ。
既に山頂までたどり着いているかも。
こうなったら、皆と合流しないと……
早く進まないと……
そんな焦りにも似た気持ちを抱え、さっきのペースとは比べ物にならないくらいの鈍さで歩き始める。
発信しても通じない電話を切り、それをカバンのポケットに収めた。
「……もう。
皆、どこ行っちゃったんだよ……」
さっきからどれだけ歩いたか。
歩けども歩けども、生い茂った木々。
四方を見渡しても、景色は変わらず。
『分け入っても 分け入っても 青い山』
この前、授業でやった山頭火の句がふと頭に浮かぶ。
学年も変わり、今更だけど『親睦を深める為』という名目で行われた遠足という名の山登り。
電車から降りるまでは皆と一緒にいたが、同じクラスの女子達に話しかけられて少しお喋りするはずだったが……
「先に行くからな。」
女子にモテモテの俺に嫉妬した岩ちゃん達は俺を置き去りにして、さっさと出発してしまった。
その時はむさ苦しい男達(男子バレー部員)で山頂を目指すより、女子と一緒の方が絶対に楽しい!
……そう思っていた。
だが、女子達は山には登らずに麓の公園を散策すると言い始め、仕方なく一人で山に入ることになる。
案内板もろくに見ずに入山した愚かな(今日限定ね!)俺は岩ちゃん達にすぐに追い付ける!等と高を括っていた。
だが、この山……結構 傾斜があってキツい。
もしかして……こんな軽装(ジャージとスニーカー)でハイキングで歩くような山じゃないんじゃ?
「誰だよ……こんなとこ、遠足で来ようって言い出したの……」
お陰で、高3にもなって迷子だよ。
一人溜息をついて、立ち止まる。
「空、ちっちゃいな……」
見上げた空は、周りの高い木々に囲まれて狭い。
今日の天気は雲一つない晴天だっていうのに……
何てツイてないんだろ、俺。
大きな溜息をこぼし、再び歩き始めるが、さっきまでの追い付こうという勢いはもうない。
……疲れてしまった。
それに喉も渇く。
自宅から飲み物を持っていくのは荷物になるから、駅でお茶でも買おうと思っていた。
だが、皆をこうして追いかける羽目になり、買い忘れるという致命的なミス(これも今日限定!)を犯してしまう。
あぁ、俺のバカ!
✪✪✪✪✪✪✪
しばらく歩くと、道の先に光が広がって見える。
長かったこの薄暗い森をやっと抜けるのだろう。
「はぁ……はぁ……」
ようやく山頂にたどり着くのか?
足取りも自然と早まる。
皆と合流したら、お茶……分けてもらおう。
っていうか、お茶じゃなくてもいい。
水分を補給出来れば、この際 何だって……
もう文句なんて言ってられないぐらい喉が渇いていた。
「はぁ……はぁっ、はぁ……」
この坂を登り切れば、皆と合流出来る、渇いた喉を潤せる!
気が付けば、その一心で山道を駆け上がっていた。
キツいけど、頬を掠める風が心地好くて足取りも軽くなっていく。
✪✪✪✪✪✪✪
何が『頬を掠める風が心地好くて足取りも軽くなっていく』……だ。
岩ちゃんじゃないけど、数分前のポエミーなこと言ってる俺に後ろから蹴り入れてやりたい。
全力で走ったせいか、呼吸は乱れて全身汗だく、身体も重くなっていく。
くたびれた俺は立ち止まり、ゆっくりと顔を上げる。
とりあえず、さっきの森は抜けた。
だが、目前には再び続く新たな山道……
山頂には若干近付いたが、まだまだ先は長い。
「皆、本当にここ通ったのかな?」
ふと そんな疑問を抱くが、岩ちゃん率いる『体力バカ集団』のことだ。
既に山頂までたどり着いているかも。
こうなったら、皆と合流しないと……
早く進まないと……
そんな焦りにも似た気持ちを抱え、さっきのペースとは比べ物にならないくらいの鈍さで歩き始める。
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