特訓
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「はい、次の方 どうぞ……」
昼休み……
図書室のカウンターで受付の仕事をしていた。
うちの学校は放課後だけでなく、昼間も開館している。
開館時間は短いものの、意外にも熱心な読書家が訪れる。
その為、当番になった委員は昼食を速やかに済ませると図書室へ集合することになっているのだが……
私と一緒に当番になっている一年生はいまだ現れない。
恐らく、当番のことを忘れているのだろう……
「お待たせしました。
返却期日は2週間後です。」
という訳で、今日の昼休みの当番は私一人。
いつもより、若干 待ち時間多めではあるが、カウンターの前には数人の生徒達が列を作っている。
人見知りの私にとって、少ししんどい時間だけど、そんなことも言ってられない!
出来るだけ人の顔を見ないように意識しながら、
「お待たせしました。
次の方……」
淡々と処理をこなし、次の生徒に声を掛ける。
すると、カウンターの上に『月刊バレーボール』という雑誌が置かれた。
雑誌は禁帯出になっているのだが、規則を知らない生徒がこうして時折やって来る。
多分、この人物もその一人なのだろう……
とりあえず、貸出 出来ない旨を伝えてお引き取り頂こう。
それでも話が通じなければ、司書の先生にバトンタッチだ。
私は伏し目がちにカウンターに置かれた雑誌を相手に返しながら、
「あの……雑誌は基本的に持ち出し禁止で、閲覧は図書室内に限られています。
ごめんなさい。」
その人物に断りを入れた。
「えっ、マジで?
持ち出し、ダメなの?」
カウンター越しに立つ男子がボソッと呟く。
この声、どこかで聞いたような……
ふと、顔を上げるとニヤリと笑う黒尾くんとバッチリ目が合う。
「なぁ、何とかならない?
神谷の権限で……」
「け、権限?!」
「そっ。
今、ここに居るの、俺と神谷だけだし。
誰にも言わなきゃ、大丈夫。
二人のひ・み・つ、ってことで……」
二人きりだなんてあり得ない……
黒尾くんの発言に驚きつつ、椅子から立ち上がり 室内を見渡す。
だが、彼の言葉通り……
奥の司書室に先生はいるが、珍しいことに図書室は私と彼の二人だけになっていた。
「そんなのっ……却下です!」
その瞬間、顔に熱が集まる。
「あーぁー、顔真っ赤にしちゃって……冗談だって。
神谷、本気にしちゃって可愛い~」
また、始まった。
何がそんなに可笑しいのか?
黒尾くんはニヤニヤしながら、からかう。
「か、可愛くないですっ!
黒尾くん、そんなこと言っても貸し出しなんてしませんから!」
可愛いだなんて……冗談にも程がある。
真に受けてるつもりはないけど、言われる度に心臓がバクバク騒ぐ。
昼休み……
図書室のカウンターで受付の仕事をしていた。
うちの学校は放課後だけでなく、昼間も開館している。
開館時間は短いものの、意外にも熱心な読書家が訪れる。
その為、当番になった委員は昼食を速やかに済ませると図書室へ集合することになっているのだが……
私と一緒に当番になっている一年生はいまだ現れない。
恐らく、当番のことを忘れているのだろう……
「お待たせしました。
返却期日は2週間後です。」
という訳で、今日の昼休みの当番は私一人。
いつもより、若干 待ち時間多めではあるが、カウンターの前には数人の生徒達が列を作っている。
人見知りの私にとって、少ししんどい時間だけど、そんなことも言ってられない!
出来るだけ人の顔を見ないように意識しながら、
「お待たせしました。
次の方……」
淡々と処理をこなし、次の生徒に声を掛ける。
すると、カウンターの上に『月刊バレーボール』という雑誌が置かれた。
雑誌は禁帯出になっているのだが、規則を知らない生徒がこうして時折やって来る。
多分、この人物もその一人なのだろう……
とりあえず、貸出 出来ない旨を伝えてお引き取り頂こう。
それでも話が通じなければ、司書の先生にバトンタッチだ。
私は伏し目がちにカウンターに置かれた雑誌を相手に返しながら、
「あの……雑誌は基本的に持ち出し禁止で、閲覧は図書室内に限られています。
ごめんなさい。」
その人物に断りを入れた。
「えっ、マジで?
持ち出し、ダメなの?」
カウンター越しに立つ男子がボソッと呟く。
この声、どこかで聞いたような……
ふと、顔を上げるとニヤリと笑う黒尾くんとバッチリ目が合う。
「なぁ、何とかならない?
神谷の権限で……」
「け、権限?!」
「そっ。
今、ここに居るの、俺と神谷だけだし。
誰にも言わなきゃ、大丈夫。
二人のひ・み・つ、ってことで……」
二人きりだなんてあり得ない……
黒尾くんの発言に驚きつつ、椅子から立ち上がり 室内を見渡す。
だが、彼の言葉通り……
奥の司書室に先生はいるが、珍しいことに図書室は私と彼の二人だけになっていた。
「そんなのっ……却下です!」
その瞬間、顔に熱が集まる。
「あーぁー、顔真っ赤にしちゃって……冗談だって。
神谷、本気にしちゃって可愛い~」
また、始まった。
何がそんなに可笑しいのか?
黒尾くんはニヤニヤしながら、からかう。
「か、可愛くないですっ!
黒尾くん、そんなこと言っても貸し出しなんてしませんから!」
可愛いだなんて……冗談にも程がある。
真に受けてるつもりはないけど、言われる度に心臓がバクバク騒ぐ。