雲ゆき
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「ごめーん、遅れた。」
日曜、時間は既に午後1時過ぎ。
駅前の噴水広場前は待ち合わせのメッカ。
一組のカップルがようやく出会うことが出来た。
「あー、俺も今 着いたばっかだし。」
いいえ。
キミ、30分以上 私の隣でイライラしてたじゃない?
でも、彼女さんの姿が見えた途端、怖い顔が急変。
目尻が垂れて、もうデレデレの表情に。
この人……
彼女さんのこと、本当に好きなんだな。
「マジ?
良かった~」
彼女さんはホッとした様子。
こういう光景を見ると、本当に羨ましくなる。
「じゃ、行こうか。」
私の隣のカップルは御決まりの台詞を口にすると、肩を並べて雑踏の中へと消えていった。
「いーなー。」
私は手にしていたスマホに視線を落とし、待ち人からの連絡を待つ。
だが、未だにメールやメッセージはない。
待ち合わせ時間を過ぎた2時間前に電話を掛けると、彼は自宅で寝ていたらしい。
寝ぼけているのか、「すぐ行くから」と掠れた声で呟くなり、電話は切れ……今に至る。
何年か前にも同じことがあった。
久しぶりに部活が日曜休みだったとかで、夜まで寝てたらしい。
恐らく、今日もそのパターンだ。
「はぁ……っ。」
学校が違う私達が会える貴重な日なのに。
そう思うと、心が重くなっていく。
私、さっきの彼氏さんみたいな顔 出来るかな?
……自信ないや。
[鉄朗、今ドコ?]
手にしていたスマホのメッセージアプリに言葉を入力する。
送信ボタンを押さずにしばらくぼんやりしてると、画面が滲んできた。
あ……ヤバい。
泣きそうだ。
慌てて、空を仰ぐ。
すると、私の心と同じ……
どんよりとした雲が広がっていた。
◇◇◇◇◇◇◇
チャイムを鳴らし、しばらくして目の前にある緑色のドアが開かれる。
「あれ、夏乃……」
すると、寝癖の残る部屋着姿の親友が顔を覗かせた。
彼女の親が出てこなくて良かったと安堵しながら、
「ごめん、今って暇?」
尋ねる。
すると、彼女は私の姿を見るなり、
「あ、うん。
ってか、ずぶ濡れじゃん。」
円らな瞳を大きく開き、さっきよりも大きな声で喋り始めた。
「……降ってきた。」
「えっ、ちょっと!
早く入りなよ!」
あれから1時間半経過、待ち合わせ場所でトータル4時間待った。
湿っぽくなった心は突然の通り雨で更に重くなり、駅前近くにある 親友の家に転がり込む。
……雨が降っても待とうと思ったけど、限界。
もう、一人で抱えきれなかった。
「あ……出た?」
「……うん。」
凍えていた身体と心は、温かいシャワーと着替えで一旦 持ち直す。
突然の訪問者に急襲された彼女の部屋は雑然としていた。
「……はい、これ飲みな。」
「ありがとう。」
「座るとこないから」と勉強机前にある椅子に座らされ、差し出されたマグカップを受け取る。
「あったかい……」
甘い香りが湯気と共に部屋中に広がってゆく。
ココアを一口、口に含んだ瞬間、
「ねぇ、今日って彼氏とデートって言ってなかったっけ?」
頭の中で一瞬 忘れかけていたことを思い出した。
「……もう終わった、訳じゃないよね?」
街をぶらついて、お昼ご飯食べて、その後に映画に行って……
学校でデートの予定を話していたこともあり、時間的に早いと感じたのだろう。
彼女はベッドに腰掛けて私の様子を静かに窺っている。
あぁ……
もう、敵わないや。
「すっぽかされた。」
「はぁ?!」
日曜、時間は既に午後1時過ぎ。
駅前の噴水広場前は待ち合わせのメッカ。
一組のカップルがようやく出会うことが出来た。
「あー、俺も今 着いたばっかだし。」
いいえ。
キミ、30分以上 私の隣でイライラしてたじゃない?
でも、彼女さんの姿が見えた途端、怖い顔が急変。
目尻が垂れて、もうデレデレの表情に。
この人……
彼女さんのこと、本当に好きなんだな。
「マジ?
良かった~」
彼女さんはホッとした様子。
こういう光景を見ると、本当に羨ましくなる。
「じゃ、行こうか。」
私の隣のカップルは御決まりの台詞を口にすると、肩を並べて雑踏の中へと消えていった。
「いーなー。」
私は手にしていたスマホに視線を落とし、待ち人からの連絡を待つ。
だが、未だにメールやメッセージはない。
待ち合わせ時間を過ぎた2時間前に電話を掛けると、彼は自宅で寝ていたらしい。
寝ぼけているのか、「すぐ行くから」と掠れた声で呟くなり、電話は切れ……今に至る。
何年か前にも同じことがあった。
久しぶりに部活が日曜休みだったとかで、夜まで寝てたらしい。
恐らく、今日もそのパターンだ。
「はぁ……っ。」
学校が違う私達が会える貴重な日なのに。
そう思うと、心が重くなっていく。
私、さっきの彼氏さんみたいな顔 出来るかな?
……自信ないや。
[鉄朗、今ドコ?]
手にしていたスマホのメッセージアプリに言葉を入力する。
送信ボタンを押さずにしばらくぼんやりしてると、画面が滲んできた。
あ……ヤバい。
泣きそうだ。
慌てて、空を仰ぐ。
すると、私の心と同じ……
どんよりとした雲が広がっていた。
◇◇◇◇◇◇◇
チャイムを鳴らし、しばらくして目の前にある緑色のドアが開かれる。
「あれ、夏乃……」
すると、寝癖の残る部屋着姿の親友が顔を覗かせた。
彼女の親が出てこなくて良かったと安堵しながら、
「ごめん、今って暇?」
尋ねる。
すると、彼女は私の姿を見るなり、
「あ、うん。
ってか、ずぶ濡れじゃん。」
円らな瞳を大きく開き、さっきよりも大きな声で喋り始めた。
「……降ってきた。」
「えっ、ちょっと!
早く入りなよ!」
あれから1時間半経過、待ち合わせ場所でトータル4時間待った。
湿っぽくなった心は突然の通り雨で更に重くなり、駅前近くにある 親友の家に転がり込む。
……雨が降っても待とうと思ったけど、限界。
もう、一人で抱えきれなかった。
「あ……出た?」
「……うん。」
凍えていた身体と心は、温かいシャワーと着替えで一旦 持ち直す。
突然の訪問者に急襲された彼女の部屋は雑然としていた。
「……はい、これ飲みな。」
「ありがとう。」
「座るとこないから」と勉強机前にある椅子に座らされ、差し出されたマグカップを受け取る。
「あったかい……」
甘い香りが湯気と共に部屋中に広がってゆく。
ココアを一口、口に含んだ瞬間、
「ねぇ、今日って彼氏とデートって言ってなかったっけ?」
頭の中で一瞬 忘れかけていたことを思い出した。
「……もう終わった、訳じゃないよね?」
街をぶらついて、お昼ご飯食べて、その後に映画に行って……
学校でデートの予定を話していたこともあり、時間的に早いと感じたのだろう。
彼女はベッドに腰掛けて私の様子を静かに窺っている。
あぁ……
もう、敵わないや。
「すっぽかされた。」
「はぁ?!」
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