蝶ノ見ル楽園 下


 そして咥内でベロベロに乳輪ごと乳首を舐めてきて、熱いその柔らかな舌の感触がかなりの快感を尾形に運んできて、またしても背を反らせて悦んでしまう。
「あはぁぁっ……!! ああっあああっ!! やっ、乳首、ちくび、やっあっ!! き、気持ちいっ!!」
 すると間髪入れずそこで甘く乳首を噛まれてしまい、ハッキリとした痛みと感じられるものがちりちりっと乳首に走って、思わず歯を食いしばると今度は謝るように優しく柔らかな舌の先で潰れた乳首を優しく舐めては乳輪をしゃぶる。
 そのなんともいえない甘い飴と鞭にすっかりとやられてしまう尾形だ。この緩急のつけ方の上手さは一体、何処で覚えてきたのか。
 誰も抱いていないはずだし、尾形しかこういった相手にはなっていないはず。そこで自分の仕込みだということに行き着き、何とも複雑な気分になるが、そのおかげでこんなにも今、気持ちがイイと思うとそれもやぶさかではない気分になってくる。
 勇作は相変わらず飴と鞭を振りかざし、尾形に痛みと快感を強いてくる。
 乳首を噛む力も相当強くなっていて、噛まれるたびにひどい痛みが走るが、それがいいスパイスになっていて、噛まれるとひどく身体が敏感になるのか、噛まれた後に優しく舐められると股間のイチモツが爆発してしまいそうに感じてしまうのだ。
 それほどまでに乳首で感じる快感が強く、ここでだけでイってしまいそうになるのを必死でこらえるが、限界というものがある。
 自分がまさか、乳首だけでイクことになるとはゆめゆめ思っていなかったが、もはやイきたくて仕方が無く、必死で腰を揺らすが勇作には通用しなく、さらに強い痛みと安らぎを尾形に与えてくる。
 喘ぎ声が止まることも無く、先ほどから実は常に出しっぱなしだ。
「あああああっ!! あああああううううううう痛いッ!! いたっ、痛ッ、いた、痛いぃ!! うああああああああ!! あっはあっはあっはあっはあっ、も、イクッ……い、イキたいイクッ!! も、いやだぁっ!!」
 そう言って何度目かの喘ぎの後、こうして大声を出したら流石の勇作もいけないと思ったのか、いじめていた乳首から口を放し、舌を出して噛まれ過ぎて膨らみ、真っ赤に染まった乳首を優しく舐め始め、ちゅっと吸ってから上目遣いで見上げてくる。
「兄様、乳首でイってしまうんですか? そんなにイイなら言ってください。私は止めませんから、兄様は好きにイってもいいんですよ。ほら、こうすればイってくれる?」
「んっ……? あっあっああああああああー!! あああああうううううっ!! いやだっ、いやだぁっ!! やだああああああ!!」
 勇作が美麗な顔に薄っすらと笑みを刷いたと思ったら、右乳首にひどく齧りついて来て、そのあまりの痛みに思わず叫んでしまうと同時に、強烈な射精感も伴って快感が高波のように押し寄せてくる。
 もはや舐めると噛むは一体になっており、噛まれた後には必ず快感がやってくる。
 ここで舐められれば間違いなくイク。確実にイってしまうだろう。
 身体が勝手に細かく震えてきてしまい、期待の篭ったような熱い吐息を浅く早く吐いてしまう。
 だがしかし勇作は舐めることをせず、さらに強く右乳首を噛んできて、痛さのあまり思わず背が反ってしまう。
「うあぁっ!! ああっあああああああっ、痛いッ!! い、痛っ、痛いぃっ……!!」
 乳首がもげそうだ。もげて取れて、布団の上に転がってしまうのではないかと勘繰るほどにひどく噛まれ、思わず瞑った両眼に涙が滲む。
 痛みが全身を支配し、勝手に冷や汗をかいてしまい息が荒くなる。胸は激しく上下を繰り返し、今度こそやってくるだろう快感をひたすらに待つ。
 するとそろっと勇作の口から真っ赤な舌の姿がちらりを見え、上目遣いの勇作と目が合う。
 思わずのどをごぐっと鳴らしてしまうと、すぐに舌は引っ込みまたきつく乳首を噛まれてしまう。
 痛みが倍になったような激痛が走り、一気に冷や汗がどっと溢れてきた感覚がして、足と手の指先が冷たくなった気がして思わず手を握りしめ「ううううううっ!!」と唸ってしまい、とうとう痛みで瞑った眼からぽろりと涙が零れる。
「は、はあっはあっはあっはあっ、い、痛いっ!! い、痛っ……!! も、いやだっ、いやだぁっ!!」
 必死になって勇作の頭を退かそうとすると、突然だった噛まれ過ぎてぱんぱんに腫れ上がった真っ赤な乳首にふんわり柔らかな舌が這ったのだ。
 途端、一気に快感が胸からぶわっと湧き上がり、それは全身に拡がり一気に身体から力が抜け、やってくるのは最高の快楽だ。
 ひどく痛む胸に走る柔らかで生温かな感覚は尾形に多大なる快感を運んできて、それと共に強烈な射精感が襲ってくる。
 またしても身体の震えが始まり、細かく震えながら熱い吐息を何度もつくと、今度は勇作も口を放そうとせず、どころか傷ついた乳首を癒すようにせっせとふかふかの柔らかな舌で何度も優しく舐めてきて、まるで射精を促しているようだ。
 とうとう、尾形の口から降参の言葉が漏れ出る。
「もっ……イクッ……!! い、い、イクッ!! あああああイックううううっ!! ああっああっ!! ソコ、そんなことされたらっ、ああっああっああああああああイック、イック、イック、イックうううううっ!!」
「いいですよ、イっても、このまま舐め続けてあげますから兄様、イってください。かわいい顔、見せて……兄様のイった顔、すごく好きなんです。だからイって……んっ、兄様の乳首美味しい。ああ、泣かないでください。イイコイイコしてあげます。ほらイって……」
 甘い囁きと共に、さらに柔らかくした舌で腫れた乳首を舐め上げられ、じゅわじゅわとソコから快感が湧き出しては尾形にイキを促してきて、たまらなくなって勇作の頭を掻き毟る。
 すると今後は交互に乳首を吸ったり、舐めたりもしてきてとにかく尾形をイかせたくて仕方が無いらしく、快感という快感を送り付けてくる。
 もはやたまらない。もうイってしまいたい。
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