蜜蜂ノ針
感じすぎてつい、爪を立てて勇作の頭をがりがりと引っ掻くと、爪に少しの血がついてきて、それを見てハッと勇作を見るが、勇作は気にする様子もなく、さらに大胆になってペニスをのど奥へと招き入れている。
「うううっ! うっ、ああああああ!! ああっああっ、だ、めっ……!! んっ、ああああ気持ちいっ、気持ちいっ!! あっはあっはっはあっはあっ!! んっんっんっんっ、ああああああ!!」
必死になって喘ぐと、さらに追いつめるようにのど奥の締まったところで亀頭を上顎と舌で押し潰して刺激を与えてくる。
性的快感に飢えているところに、この責めはつらいほどに気持ちがイイ。若干、良すぎて目の前がチカチカする。
「ああああああっ!! うあっうあっ!! うあああうううううっ!! やあっやあっ!! ゆう、さく、どのっ、やあああ気持ちイイイイッ!! イイッ、ああっあっああっああっ、イイイイイイイイー!!」
叫びに呼応するよう、さらに押し潰される亀頭。痛いくらいだが、それくらいが今はちょうどいい。その痛みが、新たな快感を呼び運んでくる。
あまりに良すぎてイってしまいそうだ。というか、イク。元々飢えていた身体だ。それに勇作の追い上げもあり、あっという間に強い射精感が込み上げてくる。
「うっあっ、い、イクッ……!! あああああああイックううううっ!! ゆっ、ゆうっ、ゆうさく殿イクッ!! ああああうああああああ気持ちイイイイイッ!! だめっあっあっああああああああ!!」
そうやって限界を叫ぶと、勇作の亀頭責めはさらに苛烈を増し、のどの奥の奥まで咥え込んだと思ったら、そこでぐっぐっと強く亀頭が潰されてしまい、柔らかくもあるそこが締められると硬くなる。その強弱がたまらなく気持ちが良く、勝手に腰から身体へ震えが走り、足も同時に戦慄き始める。
この時にいつも思うのが、ザーメンを出せるという快感欲しさと、後はなんとなくの罪悪感を感じる。それはなにに対しての罪悪感なのかは分からないが、やはり実の兄弟といったところでブレーキがかかるのか、それはどうなのか分からないが時折、ザーメンを出してスッキリしたといった気持ちよりも罪悪感の方が勝って後味悪いこともたまにある。
今日は一体、どちらなのだろう。
イってみないと、これは分からない。
今日は気持ちよくイクだけにしたいと思えど、苦しそうな顔をして美麗な顔を歪めながら自分のペニスを愛する勇作の姿を見ていると、何だか申し訳ない気持ちになってくる。
「んっんっ、勇作殿っ!」
その気持ちを紛らわせたくて甘く勇作を呼ぶと、ペニスを咥えながら勇作は片手でペニスを持ち、片手を伸ばしてきて尾形の手を握った。
その手の熱さはハンパなものではなく、高熱でも発しているのかと心配するほどに熱い手で握られ、思わず涙が出そうになる。
勇作といると、自分が自分ではなくなる感覚がする。ペースを狂わされて、おかしくなりそうだ。
こんなに優しい人間ではなかったはずだ。そして、それでいいと思っていた。
けれど勇作といると、何故か優しくなってしまう。勇作に、優しくしたくなる。もっと愛して欲しくなってしまう。
尾形からもぎゅうっと手を握ると、勇作からも同じような力で握り返してきて、とうとうとどめとばかりに口のナカで思いっ切り亀頭を何度も何度も潰され、のど奥でのその力は強く、射精を促してくる。
とうとう頭からなにもかもが飛んで、身体だけになる。
このままされると確実にイク。というより、もう半分イキかけている。
身体は勝手に射精準備に入って、下半身に快感が集まり、勝手に身体が震えてくる。それでも勇作は責めを止めず、ひたすらにのど奥で亀頭を潰して刺激を与えてくる。
もはや限界だ。
「あうあああああああ!! あああっ、あああああうううう、イック、イック、イック、イックうううううっ!! あああっ、うあああっ、ああああああああー!! だめ、だめ勇作殿イクッ!! い、い、イクッ……ああああだめだああああー!!」
眼の前がスパークし、ペニスが膨れ上がるのが分かる。だが勇作はそれでも咥えたペニスを放そうとせず、どうやら体液をすべて飲み込む気らしい。
「んっぐっ……!! ぐっく、んんっぐうっ!!」
苦しそうな声を出し、これで最後とばかりにかなり強く亀頭をのど奥で潰され、それが決定打のイキに繋がり、思いっ切り何も考えられずにイってしまう。
びゅびゅっと、ザーメンが飛ぶたびにこたえられない快感が下半身から身体中に拡がり、勇作の頭を掻き毟りながら思い切りイキを愉しむ。
「あああああああ!! ああああイってるっ、イってるっ、イってるイってるっ!! ああああだめえええええうあああああ気持ちイイイイイイイッ!! イイイイイッいっいっ、ああああああああああー!! うああっ、あうあああああー!!」
ごぶっごぶっと勇作ののどが苦しそうな音を立てて鳴っているのが遠くで聞こえ、それでもザーメンは止まることなく勇作ののどに向かって飛んでいるようで、腰を跳ね上がらせそして身体をくねらせながらイキの快感に浸り切る。
そのうちに快感が徐々に引いていくに従ってザーメンも落ち着いたようで、ゆっくりと勇作が口からペニスを抜き出し始めた。
そして完全に口からペニスが抜けると、手首で汚れた口元を拭い、身体を伸び上がらせて半裸を晒した尾形の身体を上へと乗っかって来て、そのまま胸にあごが乗る。
「飲んでしまいました、兄様の……精液。兄様らしい味がして、私は好きです。……気持ちイイ?」
尾形は無言で息を荒くして頷き、しゃりしゃりと勇作の頭を愛おし気に撫でる。今はこういう風にしか撫でたくない。
「……勇作殿は、不思議ですね。とても、不思議……」
「あにさま……?」
片手でなでなでと勇作の形のいい頭を擦っていると、未だ燻っていた性欲が疼き出すのを感じ、わざとゆったりと笑ってみせる。
「まだまだ、俺は足りてませんよ、勇作殿。未だ全然イキ足りない。こんなんじゃ終われませんよ」
すると明らかに戸惑った様子の勇作は、尾形の胸から離れてまたペニスを握ろうとしてくる。