待チ焦ガレ
反撃するつもりで舌を伸ばし勇作の舌を絡め取ろうとするが、逆に絡め取られてしまいぢゅぢゅっと舌を吸われ唾液が持っていかれてしまう。後、勇作ののどがごぐっごぐっと大きく何度も動き、どうやら吸い取った唾液を飲み下しているようだ。
それが終わると、さらに舌を絡ませてきて擦り付けられたので尾形も同じように擦り付けると、勇作の頬を包んでいる両手が熱くなったのが分かった。
元から熱かったが、さらに体温が上昇しているらしい。手が熱で湿気ってくる。
もっと溺れればいい。この今している行為に、溺れて死んでしまえばいい。そんな想いを胸に、熱い吐息をつくと、勇作も同じように尾形の口のナカに甘い息を吐き、最後にきつく唇を吸って漸くそこで口づけは終わるらしい。
その頃には二人の息は上がっていて、互いに胸を激しく上下させながら至近距離でじっと互いの顔を見つめ合う。
「あ、あにさま……」
「兄弟だからしてはいけないことなんて……なにもありませんよ。だから、もっと大胆になってください。もっと、勇作殿のことを知りたい」
「わたしの、こと……? それは、本当に?」
「ええ、本当です。今以上に、勇作殿のことを知りたいと思ってますよ。だから、もっと胸いじってください。足りません」
すると勇作ののどが鳴り、片手で左胸を揉み始め、右胸に顔を寄せたと思ったらいきなり乳輪に吸いつかれ、突然の快感に思わず腰が浮いてしまう。
「あ、あはっ!! は、あっ……!! んっ、ゆ、さく、どのっ!!」
思わず背を反らせてしまうと、ずぼっとその隙間に手を突っ込まれ強引に引き寄せられたと思ったら、また口づけられ、今度は舌を食みに来た。
勇作は意外と、助平なのかもしれないと何となく頭の中でぼんやりと思った。だが、それは思っただけに終わり、何度も舌を食まれているうちにだんだんと快感が強くなり、息を上げてしまう。
何も考えられなくなる。キスが気持ちイイ。
勇作は舌も甘く、食まれると二人分の唾液がじゅわっと湧き出て、二人してそれを分け合って飲み下し、さらなる激しい口づけに溺れていく。
その間も勇作の手は尾形の肌をまさぐっており、ひたすらに手のひらで肌を愛してくる。その情熱を絵にかいたような愛撫にも、感じ入ってしまう。
特に柔らかなカーブを描く腰のラインを撫でられると、ぞくぞくっと震えがくるほどに感じる。撫で方が上手いのか、明らかに性的な意味合いを含めたその触れ合いは尾形を大いに戸惑わせ、そして満足させる。
さらにもう一歩堕ちてきた。
快感で霞む頭でそう思い、思わず笑ってしまうと勇作が許さないとでも言いたげに少しきつく舌を食んできて、思わず「んンっんっ!」と感じている声を出してしまう。
悔しくなり、唾液を溜めて舌で勇作に送りつけると、それには驚いたのか一瞬、舌の動きが止まるがすぐに持ち直してきて、のどを鳴らして尾形の唾液を飲み込んでいるようだ。その上、さらに大量に流し込んでやると、苦しそうな声を出したが一滴も漏らさず最後まで飲み下した。
これには驚きを隠せなかったが、逆に今度は勇作の口から唾液が零し落とされてきて、吐き出そうとするがぴったりと口を塞がれているためそれもままならず、甘ったるい砂糖水のような唾液をのどに通すと、ふわっふわっと勇作の味が鼻に立ち上ってあまりにそれが気持ちよく、夢中になって飲んでいるとぎゅうっときつく抱きしめられ、二人の身体が隙間なくくっ付き、勇作の熱いくらいの体温が移ってくる。
「んはっ……はあっはあっはあっ、ゆ、さく、どのっ……」
「はあっはあっ、あにさまっ……兄様っ!!」
いきなり首元に顔を埋められ、柔らかく食まれてしまい少しの痛みとそして確かな快感に身体が勝手に震える。
感じたくないのに、身体が勝手に快感を拾ってしまう。非常に悔しいが、かなり気持ちがイイ。噛まれることがこんなに気持ちイイだなんて知らなかった尾形だ。
女もさすがに噛むことはしないため、噛まれるのは初体験だが勇作の噛み方が上手いのか、とにかく気持ちがイイ。
思わず腕を背中に回してしまい、爪を立てるともじっと勇作が身じろぐ。痛いのだろうか。だとしても、構わない。この快感を何処かに発散したい。
だがしかし、勇作はさらに噛む範囲を拡げてきて、尾形を追い詰めてくる。それに付け加え、肌も舐めてくるものだから二重の快感に身体が熱くなるのを感じる。
特に、胸を責められるとたまらない気持ちになる。どうやら勇作の噛み癖はココから来ているようで、乳首の噛み方が特に上手い。
コリコリコリと音を立てながら絶妙な力加減で噛まれると、思わず腰が浮く。するとさらに尾形を抱き寄せる腕に力が入り、だんだんと大胆になってくる勇作に胸の中央を大きく舐められ、ついビグッと勝手に身体が動くと、今度は優しくちゅっと吸われ頬を擦りつけてくる。
「兄様は……すごく美味しい。あったかくて美味しくて、たまらないっ……!!」
「はっ……美味しいって」
そう言って顔を背けると、またしても乳首に吸いついてきて、今度は乳輪含めすべてを口のナカへと入れてしまい、咥内でベロベロに舌で舐められてしまい、尖らせた舌先で勃った乳首を突き回される。
もはやたまらない快感だ。胸だけで、こんなに気持ちがイイと思う日が来るとは。
「あっ……あぁっ!! うああっ!! や、ああっ、ゆ、勇作っ、勇作殿っ!! あぁぁっ!!」
「兄様は、声もイイ。何もかもがイイ。もっと……触れてもいいですか。触れたい、兄様に」
何も知らないくせによく言う、と思う心ともっと触れて欲しいと思う心がせめぎ合う。
そうしているうちにも、勇作の舌は胃の辺りを舐めたりへその窪みに舌を挿れて掻き混ぜたりと、ひたすらに快感を送ってくる。