待チ焦ガレ


 ついでに身体も捩れ、勇作はそれを押さえるように腰を両手でホールドし、ごっぐごっぐとのどを鳴らしてどうやら、尾形の吐き出した恥汁を余すところなく飲み込んでいるようで、眉を寄せながら頬を染め、必死にのどを動かしている。
 それを、尾形はイきながら見つめているとだんだんと快感が治まり、ザーメンも最後の一滴までも勇作の腹に入ったようで、ちらりと目線を上げた勇作の眼と出会い、色気たっぷり漏らした美麗な顔を起こし、手首で唇を拭ったと思ったらがばっと抱きつかれてしまう。
「兄様っ……!! 私の口でイってくれて嬉しい……!! 兄様の子種汁、美味しかった……」
 それは流石に嘘だろうと思ったが、勇作は幸せそうな笑みを見せて頬を擦り寄せてきて、その熱さに驚くと同時に、何故か分からない今まで感じたことの無いような幸福感が胸に拡がり始め、戸惑っているといきなり唇を奪われてしまい、ちゅっちゅと音を立てながら唇を啄むように吸われ、口づけの合間にもしきりに名を呼ばれる。
「あにさま、兄様っ……あに、あに、兄様っ……!! 愛おしい……私だけの、あにさま……」
「んっ、ゆ、さく、どのっ……ンんっ!!」
 さらに情熱的に口づけられ、咥内に舌が入ってくると僅かな苦みが舌に乗る。それが自身の吐き出したザーメンの味だと思うと些か複雑な気持ちになるが、取りあえず勇作の広い背に腕を回すと嬉しそうに「ふふっ」と笑い、さらに口づけを濃厚なものにさせてくる。
 もはや口のナカは舐められ過ぎて勇作の甘い味しかしなくなっている。縦横無尽に這い回る舌は勢いを増し、まるで情熱をぶつけられているような感覚しかしない。
 キスの合間にも甘い吐息が吹きかかり、熱いそれは尾形の体温まで上げていくようだ。
 ふっと唇が離れ、薄っすらと眼を開けるとそこには頬を真っ赤に染めた色気ムンムンの勇作の顔があり、まるで吐息をつくようにこんなことを言った。
「兄様……好き……好きです、兄様。私はずっと、兄様が好きでした……そういう意味で、好きなんです、兄様。……好き」
 そう言ってちゅっと軽く口づけられたと思ったらそのまま、またしても擦り寄られ、動揺する尾形を他所に、熱い身体で尾形の身体を抱えてくる。
「あにさま……愛おしい」
「勇作、どの……」
 逞しい勇作の腕に抱かれていると、何故かすべてが安心と思えてくる。なにもかも大丈夫だと思える。不思議な感覚だ。だが、きらいではない。どころか、求めていたものが手に入ったような感覚さえ覚える。
「ん、勇作殿、接吻……」
 そう強請ったところで、勇作がもじっと身体を動かした。そこで漸く未だ勇作をイかせていないことに気づき、下に手を持って行ってきゅっとペニスを握ると、ビグッと大きく勇作の身体が揺れる。
「ぅあっ!! あ、ああっ……!! あ、あにさまっ、ソコ、ソコはっ……!!」
「俺ばかりが気持ちよくなるのもおかしいでしょう? 俺も、咥えたい……勇作殿のチンポ。咥えて、気持ちよくしてあげたい」
「あ、あにさまっ……!!」
 本心からなのか、果ては雰囲気づくりのためなのか。自分でも分からないまま、ゆるゆると勇作のペニスを手で扱き、その顔をじっと見つめる。
 何とも色気のある顔だと思う。
 すると勇作がその視線に気づき、照れたような、それでも艶っぽい笑みを浮かべて尾形の体液で濡れた手で頬を包んでくる。
「あにさま……好き、好きです」
 少し好きを連呼し過ぎではないか。なんとも甘い雰囲気になってくるのが照れくさく、それと同時に勇作にのめり込みそうになるのを危険視した尾形は、強引に勇作の身体を押し倒して仰向けにし、一つ唇に口づけを落としてから鎖骨や喉仏などにキスし、乳首をベロベロに舐め上げると勇作の身体がビグビグッと跳ねる。
「あっ、うっ!! うっうあっ!! あにさまっ!!」
 感じている勇作の声を気持ちよく聞きながら、さらに乳輪ごと口に入れてぢゅるぢゅるにしゃぶってやるとまたビグッと大きく勇作の身体がビグつく。
「あ、はあっはあ、あにさま、兄様っ……!! 兄様、接吻を、あにさまっ……!!」
 その言葉に何かを考えることも無くすぐに身体を伸び上がらせて口づけてやると、すぐにでも背中に勇作の腕が回り、それが何となく嬉しかった尾形は夢中になって勇作と舌と舌とを合わせ、擦りつけながら互いの唾液を飲み下し合う。
 それでも物足りなかったので、指に唾液をつけてその指を勇作の乳首へと持って行って勃った乳首を捏ね回すと、勇作の身体がビグビグと跳ねる。
 そしてそのまま身体を後ろに擦り下げていって、中途半端に脱がしてあった勇作の下穿きを足から抜き取り、放って早速、裏筋から責めていく。
 ビグビグビグビグッと跳ねる勇作の身体。後、感じているのだろう上ずった声が耳に届く。
「ああぁっ!! ああっああっ、兄様、あにさま、あにさまっ……!!」
 咥内に唾液を溜め、容赦のない激しいストロークを繰り出すと、勇作の腹筋がピクピクと動いている。
 のど奥ギリギリまで咥え込み、頭の中がシェイクされるんじゃないかというほどにストロークばかりしていると、だんだんと勇作から余裕がなくなっていくのが分かった。
 口のナカで、ペニスが大きく育っているからだ。かなり大きくなったソレを咥え込むのは大変だが、何故だかそれも悪くないと思えてしまうから不思議なものだ。
 元から余裕などありはしないのだから、射精に導くのは簡単かと思いきや、意外と勇作は我慢強く、とうとう奥の手を使うことにする。
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