待チ焦ガレ
そのたびに、尾形は身体をビグッビグッと跳ねさせ、悦んでしまうのだ。これではただの淫乱だ。
自分で自分に呆れるが、勇作はそうは思っていないらしく、尾形が悦びの声を上げるたびに体温を上げ、ますます熱の篭った愛撫を仕掛けてくる。
「あにさま、兄様っ……はあっはあっ、兄様っ……!!」
「ん、勇作、どのっ……は、あはっ」
「兄様……」
妙に真剣に名を呼ばれたので、横を向けていた顔を正面に移すと、そこには頬を真っ赤に染めた色気が溢れ出しそうな勇作の顔があり、その手は恐る恐る尾形の股間に宛がわれた。
「っ!! あ、ソコ、ソコはっ……!! んっ、ンんっ!!」
「ココ……あにさまの、ココ……」
柔らかに揉みしだかれ、その慣れないながらも拙い手つきに何故か感じてしまい、熱い吐息が漏れる。
「あ、はあっ、は、は、あっ……! んっんんんっンッ!! はあっ、ゆ、勇作殿っ……!!」
「兄様、気持ちイイですか?」
「だ、誰がソコに触っていいとっ……!!」
つい反抗的な態度を取ってしまうと、勇作は止めるどころか下穿きのボタンをさらに外し始めたのだ。
そこで露わになる、ふんどしに包まれた尾形の勃ったペニス。ソコはこんもりと膨らんで、しっかりと存在を主張している。
「すごい、膨らんでる……兄様、ココ……」
「んっ……?」
さらりと手でふんどしを撫でられたと思ったら、いきなりだった。勇作が身を屈めたと思ったらふんどしの上から尾形のペニスを食んできたのだ。
それも、ちゃんと刺激が来るよう歯を立てて。がじっと齧りつかれ、思わず変な声が出てしまい、次いで身体がビッグンと跳ねてしまう。
「んあああっ!! あああっあああああああ!! やっあっああああ!! あっあっ!!」
さらに力を入れて噛みつかれ、ペニスがぐぐっとふんどしの中で締められるのが分かる。これは、今まで感じたことのない快感だ。
思わず布団を握ってしまうと、その手を勇作が優しく取って握りしめてくれ、つい尾形も握ってしまうと、さらに強くふんどし越しにペニスを噛んでくる。連続して噛まれ、もはや悶絶の尾形だ。
「うああああっ!! あああっ、んんっんんんんんー!! んんっううううっあああああああ!!」
腰が勝手に跳ねてしまう。自分が快感に弱い方だとは分かっていたが、ここでもそれが発揮されるとは、何とも情けないが気持ちイイものは気持ちイイ。
意識ごとぶん投げて、この快楽に浸りたい。その気持ちが強く出て、勇作の頭を撫でる。
先を促すように、唾液で塗れた口を親指の腹で拭ってやると、ますます勇作の頬が赤く染まる。
「は、はっ……ん、もっと、もっとがいいです。勇作殿……!!」
しかし、勇作は表情を曇らせ、唾液で濡れたふんどしを撫でながら憂いた。
「しかし、他にやり方が思い浮かばないのです。兄様をもっと、気持ちよくしてあげたいのに……私に、できるでしょうか」
やはりだめだった。イイトコロで毎回、勇作はだめになる。
大きく溜息を吐いた尾形は、ゆっくりと身体を起こしそして、勇作に体重を預けていく。自然、尻もちを吐く羽目になった勇作の股間を撫で上げ、遠慮なく揉みしだくと美麗な顔が快楽に歪む。
「やはりイイ顔しますね、勇作殿は。お似合いですよ、今の顔……いやらしくて、助平で……俺は好きです」
「す、好き……? 兄様は、私が好きなのですか?」
それは笑みで答え、勇作の下穿きのボタンを次々に外していく。
そこで現れる、大きく膨らんだふんどし。中では勃ったペニスが刺激を待ち構えていることだろう。
「やはり、勃ってますね勇作殿のココも……おキレイな顔してもやはり、オスですねえ……」
言葉でいじめてやると、勇作の眼に涙が浮かぶ。
「は、恥ずかしいですっ……!! あ、兄様の方を愛撫します。私はいいですから、兄様を優先に」
「かといっても、やり方が分からないのでしょう? 童貞の勇作殿では」
「それはっ……!」
「大人しくしていてください。悪いようにはしません。ただ少し……お教えしようかと。俺の愛し方を、ちょっと……」
ごぐっと、大きく勇作ののどが鳴る。
「あ、兄様の、愛し方……? し、知りたい! 知りたいです!! 兄様をこれ以上なく、愛したい!! 教えて……もらえますか」
さらに勇作が堕ちてきた。もはや、戻れないところまで来ている。本人にその自覚はないだろうが、実際としてはそうだ。ザーメンを吐かせてしまえばこちらのもの。気持ちよくイかせられれば、その後に続けられる。
そして、一番の目的である童貞をこの身体で奪ってやるのだ。
そのためには手段を厭わない。そのくらいの覚悟で挑むしかない。まさか、勇作のペニスを食む日が来るとは思わなかったが、致し方ない。フェラチオのやり方すら知らないのだから。
だがしかし、そんな心の声を聞かせることなく愛おしげにふんどしの上から何度も勇作のペニスを撫で上げ、優しく揉んでやるとやっと気持ちよさそうな顔を見せ、ますます頬の朱が濃くなる。
その様は見ていてもきれいで、さらに大胆に手を使って掴むように揉んでやると、熱い溜息が勇作から漏れる。
「あっ……は、はあっ、あにさまっ……!! あ、あ、ああっ、は、はあっ!!」
悩ましく色っぽい表情を浮かべる勇作はきれいで、思わず見惚れてしまいそうになる自分を叱咤し、ふんどしを解きにかかる。