デキる月島は今日も憂鬱~金曜日の夜編~

 遠慮なくわっしわっしの揉み甲斐のある柔らかな尻を揉んでいると、もじもじと身を捩り出し、さらに身体を寄せてくる。
「んっんっ、やっ、月島っ! こんなこと許してないぞ! し、尻から手を離せっ」
 言うなりぎゅっと抱きついてきて、ぴたっとチンポとチンポがくっ付く。あ、ちょっとだけ勃ってる。
 けど今はそれは放っておいて、尻を揉みたい。
 音之進さんは尻から気を離そうとしているみたいで、しきりに俺の首を下から上へと舐め上げてきて、こっちも身を捩ってしまう。
 ん、結構……感じるな、コレ。首が、身体がゾクゾクする。
 それから逃れたく、俺も必死になって尻を揉むととうとう応戦になり、互いに与えられる愛撫から逃れるように、互いの身体を愛撫し合う。
 時に彼が肩を軽く噛んできたりするものだから、俺も尻肉を抓んだり腰をがっしがっしと撫でたりと今できうることをしては悦んで愛撫に熱中する。
 これも、贅沢な時間だ。
 あの音之進さんが、俺の腕の中にいる。それで以て、こんなことまでしてるなんて会社の人間が知ったらどう思うだろうか。
 あの潔癖で、完璧な彼の本当の顔を、俺だけが知っている。助平で、かわいくてわがままで、そしてとてつもなく甘い彼の恋人としての顔が愛おしい。
 愛撫は尻だけでは物足りず、肩や背中も撫でたりしながら時折、アナルを突いたりなんかもして気分を高めてやると「はあっ……!!」と熱く甘い吐息を彼がついた。
「んんっ、はああっ……月島ぁ、だめだ、私っ……あ、はあっ、はあっ、はっ……暑い」
「は? 今なんて?」
「暑いと言ったんだ。身体が、熱くて熱くて……愛撫に、集中できなくなってきた。眩暈がする……。目の前が、霞む……つきしまっ……」
 ゆるっと俺の首から顔を上げた彼の顔は真っ赤っかで、真っ赤を通り越してどす赤くなっており、眼も焦点が合っていない。
 これは……完全にのぼせている。
 このままではマズイ。彼の健康が心配だ。早く出るように促さねばならない。本格的に倒れてしまう前に、風呂から出さないと。
 慌てて尻から手を離し、彼を引き剥がそうとするといきなり両頬を手で包み込まれ、思わず動きを止めてしまうと、ずいっと彼の顔が迫ってくる。
「キス……つきしま、キスしたい。……言っておくが、私からだぞ」
「ちょ、待ってください。それよりもあなたは風呂から出た方が……」
「いやだ。キスが先だ。先にキスがいい……たくさん、お前とキスがしたい。お前はいやか? 月島」
「いや、いやではないの問題ではなく、あなたはのぼせて正常な判断ができなくなってます。いいから、風呂から出て涼しいところへ……っん!! ん、んンッ!! ん、ちょ、んむっ!」
 強引に口づけられてしまい、柔らかな唇が俺のソレへとぐりぐり力任せに押し当たり、その甘さと気持ちよさについ、身体の動きを止めてしまうと、了承と取られたのか啄むように唇を吸われてしまう。
 こんなことしている場合じゃないのに、この誘惑にどうしても逆らえない。正しくは、逆らいたくない。
 唇が……気持ちイイ。
 こう、柔らかくて、今はすごく熱いけどなんか心地いいし、甘くて、この誘惑はすごい。誰か勝てるのか、この唇の誘惑に。
 俺からも耳を両手で挟んでいじくりながらキスに応じると、早速乗ってきた彼が濃厚なのを仕掛けてくる。
 いつもながら、乗ってくるとすごいなこの人。
 ぬるっと口のナカに彼の舌が入ってきて、大きく探るようにナカを舐められ、思わず身体を震わせてしまうと、彼がのどの奥で笑ったのが分かった。
 俺だって感じますよ! 気持ちよければ震えますよ!
 何だか悔しくなり、俺からも舌を伸ばして彼の口のナカを探るようにしてれろれろと舌を動かすと、今度は彼の身体がぶるっと震え「んんっ……!!」といった苦しい中にも感じているだろうと分かる声が聞こえ、今度は俺の方がのどの奥で笑ってやる。
 するとそれが気に食わなかったのか、さらに舌を使い始めて下手くそながらも何とか俺の舌技に対抗しようと頑張っている様子。
 これはこれで気持ちがイイが、何しろ下手だ。乗っていると彼は大胆にはなるが、下手くそなことに変わりはなく、それがまた愛おしい。
 下手くそが頑張っていると応援したくなってしまい、いつも譲るのは俺だ。
 先導するように舌の動きを助けてやるようにして自分の舌を動かすと、さらに乗ってきた彼が今度は舌を食み始めた。
 これはまあまあ上手い。言っておくがまあまあであって、決して上手いわけじゃないから時折、噛まれて痛いと思うこともある。だが、それもまたかわいらしいと思えるから不思議なものだと思う。
 積極的に舌を食まれ、食んだところに舌が這う。
 これは俺が教えてあげた愛撫だ。初めて彼の舌を食んだ時、口づけが解かれてしまい驚いた彼が怒ったものだ。
「何をする!! 私の舌を食い千切って殺すつもりか!!」
 そうやって怒った彼の舌を、またしても噛んでその後、時間をかけてゆっくりと凹凸を舐めると、熱い吐息を漏らしてこれが愛撫だと分かってから、彼も同じことをするようになった。
 音之進さんのかわいらしさは、こういうところにあると俺は思ってる。何より、素直だ。そして、疑うということをあまりしない。
 それは、驚くことをされた直後は怒るが、ちゃんと訳を分からせてやると音之進さんなりに考えて、そしてそれが飲み込めると素直になってくれる。
 彼のかわいいポイントの上位に入るところだ。
 あんまりにもかわいいものだから、俺からも彼の舌をちょっときつく食んで、食んだところをこれ以上なく丁寧に尖らせた舌で舐めてやると、初めは緊張していた彼の舌が解れていくのが分かる。
「あ、はっ……は、は、んあっ……つ、き、しまっ……」
 口のナカに言葉を吐かれ、そのままその舌が俺の口に入ってくる。また噛まれたいのか。そう理解して、また食んでやるとピクッと彼の身体が少し戦慄く。
 というか、口のナカの温度がまた上がった。これは、こんなことしてないで早く風呂から出さないとマズいんじゃないか?
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