架空のお仕事ss

 年神様をお見送りする仕事に就いた。

 正月に各家を訪れた年神様は、七日の深夜にお帰りになる。誰もが寝静まった頃、年神様は門松やしめ縄飾りから静かに出て来る。

 私を含め、見送り係が各家の門戸に立ち、次第次第に小さく薄くなる、その後ろ姿をじっと見つめる。

 今年が良い年になることを祈りながら。

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