架空のお仕事ss

 音を奏でる仕事に就いた。

 既存の楽器だけでなく、この世の様々な物を使って奏でる。パソコンのキーボードだってドアだって、お茶を注ぐときの水音だって、何でも楽器になる。

 特に好きなのは、心地よく冷えた朝の空気の中、葉を傾けると滴り落ちる雫の音だ。

 朝露の音は竪琴のようにどこまでも通る。

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