架空のお仕事ss

 乗り物の記憶を見る仕事に就いた。

 元々はそこから乗客の記憶を抽出し、その人の思い出のひとつとして必要とされていたのが、やがて乗り物の記憶自体に関心が移ったのだ。

 乗り物は人が好きだから、人が乗ると幸せそうだ。

 だが誰も乗っていない時、こっそりひとりで遠出する物も多い事を私は知っている。

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