ハロウィンパーティー

 お化けは悲しかった。人類がありもしないものを怖がるようになってから、彼らを怖がらせることはお化けにとって最高に楽しい活動だったのだ。
 それなのに。
 お化けは白い花を抱えて歩き、あちこちに倒れ伏す人間たちに捧げて回った。
 結局彼らが怖がるべきだったのは、彼ら自身だったのだ、と思いながら。
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