ハロウィンパーティー

 古びた洋館が、今の俺の職場だ。普通の住宅街に突然現れる、全く日本的でない屋敷の奥に暮らす、お嬢様の世話をしている。
「執事、今日は薔薇の紅茶が飲みたいわ」
「畏まりました」
 本職は神職である俺は、彼女が満足するまで、このお遊戯を続けるつもりだ。
 彼女が満足して、この世を旅立つ日まで。
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