40話 ケーキより甘い
「天使サマ、カボチャは好きか?」
「好きだよ。甘いからね。……それはカップケーキか?」
「ああ。貰い物なんだがな。仕事仲間からの差し入れだ。天使サマは好きかなと思って、持って来た」
「くれるのか? ありがとう。でも、ひとつだけなんだな。それじゃあ半分に……」
「いやそれがな、天使サマ。これは、半分に割ると不幸になる呪いをかけられたケーキなんだ」
「……突然、何の話だ?」
「だからな、これは半分に割れないんだ」
「お前でもそんな冗談を言うんだな。…………え? 本当なのか?」
「言ったろ、仕事仲間からの差し入れだって。そういう悪戯は俺たち悪魔にとっちゃ、ほんの挨拶みたいなもんなんだよ。でも、優しい天使サマは、俺と分け合いたいだろ?」
「そ、そりゃあ、まあ……。お前が持って来たものだし、随分と高級そうだし」
「という訳でだ。頬寄せ合って、一緒にいただくとしようじゃないか」
「一緒に? え?」
「天使サマはそっちからどうぞ。俺はこっちからいただく」
「え? いや、なんで……わあ、無理矢理だな。んん……美味しいけど……ふふ、食べづらいよ」
「美味しいか? それはよかった」
「お前は全然食べてないんじゃないか? ほら、この部分なんてムースになってて、ふわふわしていて美味しいぞ」
「ここか?」
「ひゃ……! 急に頬を舐めないでくれよ……」
「うん、たしかに甘いな。じゃあ、ここは?」
「んっ……ちょ……っ、んんっ」
「さすが、天使サマの唇だな。ケーキよりも甘い」
「……ケーキの味が分からなくなった」
「好きだよ。甘いからね。……それはカップケーキか?」
「ああ。貰い物なんだがな。仕事仲間からの差し入れだ。天使サマは好きかなと思って、持って来た」
「くれるのか? ありがとう。でも、ひとつだけなんだな。それじゃあ半分に……」
「いやそれがな、天使サマ。これは、半分に割ると不幸になる呪いをかけられたケーキなんだ」
「……突然、何の話だ?」
「だからな、これは半分に割れないんだ」
「お前でもそんな冗談を言うんだな。…………え? 本当なのか?」
「言ったろ、仕事仲間からの差し入れだって。そういう悪戯は俺たち悪魔にとっちゃ、ほんの挨拶みたいなもんなんだよ。でも、優しい天使サマは、俺と分け合いたいだろ?」
「そ、そりゃあ、まあ……。お前が持って来たものだし、随分と高級そうだし」
「という訳でだ。頬寄せ合って、一緒にいただくとしようじゃないか」
「一緒に? え?」
「天使サマはそっちからどうぞ。俺はこっちからいただく」
「え? いや、なんで……わあ、無理矢理だな。んん……美味しいけど……ふふ、食べづらいよ」
「美味しいか? それはよかった」
「お前は全然食べてないんじゃないか? ほら、この部分なんてムースになってて、ふわふわしていて美味しいぞ」
「ここか?」
「ひゃ……! 急に頬を舐めないでくれよ……」
「うん、たしかに甘いな。じゃあ、ここは?」
「んっ……ちょ……っ、んんっ」
「さすが、天使サマの唇だな。ケーキよりも甘い」
「……ケーキの味が分からなくなった」