159話 ラストスパート!!
「ラブに断られたのかい」
教会の前庭を掃除していた天使様は、慈悲深い眼差しで私を見つめた。
「そうなの、天……神父様……」
なるべく哀れっぽく見えるように足元に目を落として、カバンの中から数学の宿題を取り出して見せる。
「あと7枚残っているのだけど、さっぱりわからなくて、どうしようもないの」
「おやおや」
天使様はちょっとプリントに目を落として、頷いた。
「どうしても分からないのであれば……」
私は期待に満ちた目で、そのふわふわの金髪に縁取られたお顔を見つめる。青い瞳が、何かを憂うような光を帯びた。
「私でよければ、講師を務めよう。この問題群が解けないと言うことは、ダイアナちゃんは恐らく前の学年の履修範囲から理解が足りていないのだろうから、そこから遡って勉強する必要があるね。夏休みの残り七日間、教会の仕事を休んで毎日十二時間ほどみっちりやれば、どうにかなるかもしれない……」
「神父様、ありがとう! なんだか自力でなんとかできそうな気がしてきたわ!」
私は慌ててプリントをしまった。数学の他にも、宿題は残っている。数学だけに一日十二時間もかけていたら、きっと一つも終わらないに違いない。
天使様が真面目に輪をかけて真面目で、どこまでも不正や怠惰を許さないお方だということを、すっかり忘れていた。お礼を言いながら後ずさっていく私を、天使様は不思議そうに見送ってくれた。
教会の前庭を掃除していた天使様は、慈悲深い眼差しで私を見つめた。
「そうなの、天……神父様……」
なるべく哀れっぽく見えるように足元に目を落として、カバンの中から数学の宿題を取り出して見せる。
「あと7枚残っているのだけど、さっぱりわからなくて、どうしようもないの」
「おやおや」
天使様はちょっとプリントに目を落として、頷いた。
「どうしても分からないのであれば……」
私は期待に満ちた目で、そのふわふわの金髪に縁取られたお顔を見つめる。青い瞳が、何かを憂うような光を帯びた。
「私でよければ、講師を務めよう。この問題群が解けないと言うことは、ダイアナちゃんは恐らく前の学年の履修範囲から理解が足りていないのだろうから、そこから遡って勉強する必要があるね。夏休みの残り七日間、教会の仕事を休んで毎日十二時間ほどみっちりやれば、どうにかなるかもしれない……」
「神父様、ありがとう! なんだか自力でなんとかできそうな気がしてきたわ!」
私は慌ててプリントをしまった。数学の他にも、宿題は残っている。数学だけに一日十二時間もかけていたら、きっと一つも終わらないに違いない。
天使様が真面目に輪をかけて真面目で、どこまでも不正や怠惰を許さないお方だということを、すっかり忘れていた。お礼を言いながら後ずさっていく私を、天使様は不思議そうに見送ってくれた。