159話 ラストスパート!!
夏が終わりに近づくと同時に、私はじりじりと追い詰められていた。学生ならば誰でも経験するだろう、ある避けられない運命……夏休みの宿題というものに。
「お兄様、」
「ダメだ」
呼びかけただけで、お兄様は首を振った。夏休みの終わりまで、あと一週間を切った朝のことだ。
「まだ何も言ってないわ」
「この時期に、その口調だろう。聞かなくてもわかる。夏休みの宿題くらい、自分で終わらせろ」
そんな、口調まで変えたつもりはないのだけど。
私が頬を膨らませると、お兄様は黒髪をくしゃりと掻き回し、大きなため息をついた。かがみ込んで私の肩に手を置き、私の目をしっかりと見た。
「あのな、ダイアナ。大変かもしれないが、俺はお前ならできると信じてる。お前は俺の使い魔だろ。その力を見せてみろ」
大真面目な顔を作っているけれど、半分以上いい加減な口上だ。私にはわかる。
お兄様は言うだけ言ってさっさと立ち上がった。縋るようにその背中を見つめるけれど、お兄様の気持ちは揺らがないようだ。居間から出ていきざま、ちょっとこちらを見た。
「俺は手伝ってる暇なんかないが、お前の人脈なら他にもっと協力を仰げるだろ。頑張れ」
ドアが冷たい音を立てた。
「お兄様、」
「ダメだ」
呼びかけただけで、お兄様は首を振った。夏休みの終わりまで、あと一週間を切った朝のことだ。
「まだ何も言ってないわ」
「この時期に、その口調だろう。聞かなくてもわかる。夏休みの宿題くらい、自分で終わらせろ」
そんな、口調まで変えたつもりはないのだけど。
私が頬を膨らませると、お兄様は黒髪をくしゃりと掻き回し、大きなため息をついた。かがみ込んで私の肩に手を置き、私の目をしっかりと見た。
「あのな、ダイアナ。大変かもしれないが、俺はお前ならできると信じてる。お前は俺の使い魔だろ。その力を見せてみろ」
大真面目な顔を作っているけれど、半分以上いい加減な口上だ。私にはわかる。
お兄様は言うだけ言ってさっさと立ち上がった。縋るようにその背中を見つめるけれど、お兄様の気持ちは揺らがないようだ。居間から出ていきざま、ちょっとこちらを見た。
「俺は手伝ってる暇なんかないが、お前の人脈なら他にもっと協力を仰げるだろ。頑張れ」
ドアが冷たい音を立てた。