157話 名探偵によろしく
数日後、記憶を取り戻したか、また別の事件からたどり着いたのか、あの探偵さんがとうとうこの家のインターホンを鳴らした。部屋番号までしっかり調べて、今度は不法侵入はやめたみたい。
「はあい」
出迎えた私に記憶を刺激されたのか、探偵さんは変な顔をした。
「えっと……ここには君とご家族が住んでらっしゃるのかな……?」
「私と、おばあちゃんだけよ」
「おばあちゃん……?」
探偵さんは明らかに狼狽えた様子だ。そこへ、居間のドアを開けて、『おばあちゃん』が現れた。
「おや、お客様かい?」
「あっ……いえ、その、ぼくは……」
犯罪者とは遠い存在にしか見えない、優しげな年齢不詳の『おばあちゃん』が足を引き摺りながら、腰を曲げて登場したので、探偵さんはしどろもどろになった。
「す、すみません、部屋を間違えたみたいです……!」
「久々のお客様だのに、残念だねえ」
勢いよく玄関のドアが閉まった。廊下に、もう『おばあちゃん』はいない。
ニヤニヤ笑うお兄様と、ハイタッチを交わした。
「はあい」
出迎えた私に記憶を刺激されたのか、探偵さんは変な顔をした。
「えっと……ここには君とご家族が住んでらっしゃるのかな……?」
「私と、おばあちゃんだけよ」
「おばあちゃん……?」
探偵さんは明らかに狼狽えた様子だ。そこへ、居間のドアを開けて、『おばあちゃん』が現れた。
「おや、お客様かい?」
「あっ……いえ、その、ぼくは……」
犯罪者とは遠い存在にしか見えない、優しげな年齢不詳の『おばあちゃん』が足を引き摺りながら、腰を曲げて登場したので、探偵さんはしどろもどろになった。
「す、すみません、部屋を間違えたみたいです……!」
「久々のお客様だのに、残念だねえ」
勢いよく玄関のドアが閉まった。廊下に、もう『おばあちゃん』はいない。
ニヤニヤ笑うお兄様と、ハイタッチを交わした。