130話 彼女は悪魔に向いてない
午前の授業が終わった。今日はよく晴れていい天気だから、マツリカと一緒に学校内のカフェテラスでお食事する予定だ。二人でウキウキ廊下に出ようとしたところで、聞き慣れた男子の声に引き留められた。
「おい、ダイアナ! スミス先生に俺たちのことチクったの、お前だろ!」
アーサー……同じクラスの、悪ガキ三人組のリーダーだ。私が振り向くと、アーサーは仲間のマイクとジョージと一緒に私を指さして、ああだこうだと喚き出した。相手をするのも馬鹿らしいけれど、放置しても勝手に増長するのはよくわかってる。
私はため息をついて、口を開いた。
「あなたたちが中庭の花壇を荒らすのが悪いでしょう。何を逆恨みしているのよ」
「さ、逆恨みだと」
「ダイアナ、お前いっつも余計なことばっかしやがって!」
マイクとジョージが口々に言う。私が肩をすくめると、アーサーが叫んだ。
「お前、生意気だぞ! 俺たちが本気になればお前なんてな」
「何? それって脅し?」
アーサーの言葉が止まった。流石にクラスメートたちの前で言いすぎたと思ったのか、その視線があちこちを飛び回った。クラスがざわつく。いい言葉が見つからなかったらしいアーサーは、悔しそうにいつも通りの言葉を放った。
「ちょっと背が高いからって、調子に乗るなよ!」
「大丈夫よ、あなたも成長期なんだから、きっと私に追いつけるわよ」
お兄様や天使様と比べたら小さな女の子でしかない私だけど、同年代の子達の中では割と高身長で通っているのだ。私より少し背の低いアーサーは、どうやらそれを勝手に気にしているみたい。
全く、男の子ってほんとに子供なんだから。
「行きましょう、マツリカ」
「ええ」
私とマツリカは今度こそカフェテラスに向かった。教室からはまだ何か聞こえてきたけれど、もう相手にする意味はなかった。
「おい、ダイアナ! スミス先生に俺たちのことチクったの、お前だろ!」
アーサー……同じクラスの、悪ガキ三人組のリーダーだ。私が振り向くと、アーサーは仲間のマイクとジョージと一緒に私を指さして、ああだこうだと喚き出した。相手をするのも馬鹿らしいけれど、放置しても勝手に増長するのはよくわかってる。
私はため息をついて、口を開いた。
「あなたたちが中庭の花壇を荒らすのが悪いでしょう。何を逆恨みしているのよ」
「さ、逆恨みだと」
「ダイアナ、お前いっつも余計なことばっかしやがって!」
マイクとジョージが口々に言う。私が肩をすくめると、アーサーが叫んだ。
「お前、生意気だぞ! 俺たちが本気になればお前なんてな」
「何? それって脅し?」
アーサーの言葉が止まった。流石にクラスメートたちの前で言いすぎたと思ったのか、その視線があちこちを飛び回った。クラスがざわつく。いい言葉が見つからなかったらしいアーサーは、悔しそうにいつも通りの言葉を放った。
「ちょっと背が高いからって、調子に乗るなよ!」
「大丈夫よ、あなたも成長期なんだから、きっと私に追いつけるわよ」
お兄様や天使様と比べたら小さな女の子でしかない私だけど、同年代の子達の中では割と高身長で通っているのだ。私より少し背の低いアーサーは、どうやらそれを勝手に気にしているみたい。
全く、男の子ってほんとに子供なんだから。
「行きましょう、マツリカ」
「ええ」
私とマツリカは今度こそカフェテラスに向かった。教室からはまだ何か聞こえてきたけれど、もう相手にする意味はなかった。