97話 思い出の店
近所に新しい喫茶店ができたと聞いて、愛する悪魔と共に出かけた。セピア色の照明の下コーヒーの香りが漂い、静かな音楽と語らいが耳に心地よい。私と男は窓際の席に向かい合って座り、それぞれ紅茶とオリジナルブレンドを頼んだ。
「いい店だろ」
「うん。とても居心地が良いね。なんだか懐かしい気がする」
口ぶりから、既にリサーチ済みだったのかもしれない。男の黒目が面白そうに細められる。
「百年前に二人で入った、あの店に似てるのさ」
「ああ、そうか! 確かに」
言われてみれば店の間取りや内装、かかっている音楽も、あの店の雰囲気によく似ている。しげしげ見回しているうちに、頼んだ飲み物がきた。香りを楽しんでから、紅茶に口をつける。
「百年前、お前にプロポーズしたことを思い出すな」
その言葉に、盛大にむせた。
「いい店だろ」
「うん。とても居心地が良いね。なんだか懐かしい気がする」
口ぶりから、既にリサーチ済みだったのかもしれない。男の黒目が面白そうに細められる。
「百年前に二人で入った、あの店に似てるのさ」
「ああ、そうか! 確かに」
言われてみれば店の間取りや内装、かかっている音楽も、あの店の雰囲気によく似ている。しげしげ見回しているうちに、頼んだ飲み物がきた。香りを楽しんでから、紅茶に口をつける。
「百年前、お前にプロポーズしたことを思い出すな」
その言葉に、盛大にむせた。