13話 wanna get a drink? / gift
「天使サマ、今夜どこかバーにでも行かないか。人間について知るにはうってつけの場所だぜ」
黒髪の男がいつもの如く誘惑に来たが、私が首を振るとあからさまに肩を落とした。
「何か用事でも なんなら手伝うが」
「いや、そうじゃないんだ……。……その、……酒が飲めない」
「…………」
男はたっぷり一秒、まじまじと私を見つめた。
「おいおい嘘だろ なんでご主人サマからいただいた器が、アルコールも分解できない身体なんだ それとも酒なんて悪徳だって判断なのか」
「いや……これは何というか、個人差だ。天使の中には強いのもいる」
男は信じられないといった表情でため息をついた。
「今度は酒に強い身体を貰うんだな。でないと、俺がつまらん」
答えようがなくて困る私の肩に、男が腕を回した。
「でも、バーには行くぞ、天使サマ」
「え……」
「人間の素晴らしい発明品の中にな、ノンアルコール飲料というのがあるんだよ。甘くて、綺麗な色のが沢山」
そう言って、男はニヤリと笑う。思わず心を動かされ、いつのまにやら頷いてしまっていた。
黒髪の男がいつもの如く誘惑に来たが、私が首を振るとあからさまに肩を落とした。
「何か用事でも なんなら手伝うが」
「いや、そうじゃないんだ……。……その、……酒が飲めない」
「…………」
男はたっぷり一秒、まじまじと私を見つめた。
「おいおい嘘だろ なんでご主人サマからいただいた器が、アルコールも分解できない身体なんだ それとも酒なんて悪徳だって判断なのか」
「いや……これは何というか、個人差だ。天使の中には強いのもいる」
男は信じられないといった表情でため息をついた。
「今度は酒に強い身体を貰うんだな。でないと、俺がつまらん」
答えようがなくて困る私の肩に、男が腕を回した。
「でも、バーには行くぞ、天使サマ」
「え……」
「人間の素晴らしい発明品の中にな、ノンアルコール飲料というのがあるんだよ。甘くて、綺麗な色のが沢山」
そう言って、男はニヤリと笑う。思わず心を動かされ、いつのまにやら頷いてしまっていた。