そうだ、そういえばそんなやりとりをしたんだった。
　年が明けて数日が経ち、お兄様のお家に届いた一枚のポストカードを見て、私はその時のことを思い出した。
　年賀状というのは新年のグリーティングカードで親しい人と交わすものなのだ、とマツリカは話してくれた。気合を入れて描くからダイアナも是非私にちょうだいね、とも。だから、私もドラゴンの絵を描いたポストカードを、マツリカの滞在先に送った。
　それにしても、と、マツリカからの年賀状を見ながら思う。
　新しい年になってすぐ、大好きな友達からグリーティングカードが送られてくるなんて……。
「思ってた百倍くらい嬉しいものね」
　素敵な風習に心躍らせつつもじっくり、届いた年賀状を見つめる。
「……それにしても、龍って何なのかしら」
　マツリカの絵をいくら見ても、龍がどういう霊獣なのかは結局よく分からなかった。