83話 翼を持ったスノーマン

 コーヒーを飲みながら回想を終えた時、ダイニングのドアが開いた。
「おはよう、お兄様! 雪が降ってるの、知ってた?」
「おはようダイアナ。ああ、少し積もったみたいだな」
 弾んだ声に、頬が緩む。
 ダイアナはぱたぱたと窓際へ行き、窓に額をくっつけた。
「そうだ、獏と一緒にスノーマン作ってこようかしら。スノーマンと言えば、お兄様。前に天使サマが作った……」
「ああ、雪うさぎな」
 二人して笑い合う。窓の外ではまた白い結晶が舞い始めている。
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