66話 本当の奇跡
昨年は休みをいただいたため、今年のクリスマスは、ミサの仕事を引き受けることにした。一年に一度の美しい日。人々の胸の中の信仰心が、教会中を煌めかせている。
「先輩。今年はお休みしなかったんですね。いつも働きすぎなくらい働いてらっしゃるんですから、気兼ねなく休んでくださってよかったのに」
今日ばかりは巡回でなく教会の業務に勤しんでいるマイケルが、そんなことを言う。
「ありがとう。でも、この特別な日の仕事が、私は好きなんだ。それに、昨年のように休む必要が、今年はないからね」
私の返事に、年若き神父は首を傾げる。
「先輩がいいなら、いいんですけどね」
「先輩。今年はお休みしなかったんですね。いつも働きすぎなくらい働いてらっしゃるんですから、気兼ねなく休んでくださってよかったのに」
今日ばかりは巡回でなく教会の業務に勤しんでいるマイケルが、そんなことを言う。
「ありがとう。でも、この特別な日の仕事が、私は好きなんだ。それに、昨年のように休む必要が、今年はないからね」
私の返事に、年若き神父は首を傾げる。
「先輩がいいなら、いいんですけどね」