62話 ある使い魔の功労
「ってことがあったのよ!」
帰宅した私の報告を、お兄様はおもしろそうに聴いている。隣に座った天使サマも、にこにこと嬉しそうだ。
「それは面白いもんを見たな。ケットシーの集会なんか、なかなか見られるもんじゃないぜ。でも俺としては、そいつらが人間を襲うところまで見たかったもんだが……いたた。天使サマ、つねることないだろ」
「そんな恐ろしい場面、私は見たくないよ。……それにしてもダイアナちゃん、猫にも変身できるんだね。きっととても可愛い猫なんだろうね」
天使様にじっと見つめられると、照れてしまう。私の変身なんか、天使様の変身した猫の足元にも及ばないと思うもの。
私がもじもじしていると、天使様は私に手を差し出した。
「……?」
「人知れず人間の世界を守ったダイアナちゃんには、ご褒美をあげないとね」
さっきまで何も載っていなかった白い掌に、たくさんのキャンディが溢れ出す。
「わっ! ありがとう、天使様!」
「確かに、ご褒美は必要だな。人間がいなくなってしまったら、俺の仕事もなくなっちまうからな。ほら」
お兄様も楽しそうに、可愛く包装されたチョコレート菓子を空中から取り出し、私に握らせてくれる。
「ありがとう、お兄様!」
本当はお菓子なんて要らなくて、こうして二人と一緒に過ごせるだけで、最高のハロウィンなのだけれど。
でも、お菓子があると、もっと最高、かも。
「お兄様、天使様、ハッピーハロウィン!」
帰宅した私の報告を、お兄様はおもしろそうに聴いている。隣に座った天使サマも、にこにこと嬉しそうだ。
「それは面白いもんを見たな。ケットシーの集会なんか、なかなか見られるもんじゃないぜ。でも俺としては、そいつらが人間を襲うところまで見たかったもんだが……いたた。天使サマ、つねることないだろ」
「そんな恐ろしい場面、私は見たくないよ。……それにしてもダイアナちゃん、猫にも変身できるんだね。きっととても可愛い猫なんだろうね」
天使様にじっと見つめられると、照れてしまう。私の変身なんか、天使様の変身した猫の足元にも及ばないと思うもの。
私がもじもじしていると、天使様は私に手を差し出した。
「……?」
「人知れず人間の世界を守ったダイアナちゃんには、ご褒美をあげないとね」
さっきまで何も載っていなかった白い掌に、たくさんのキャンディが溢れ出す。
「わっ! ありがとう、天使様!」
「確かに、ご褒美は必要だな。人間がいなくなってしまったら、俺の仕事もなくなっちまうからな。ほら」
お兄様も楽しそうに、可愛く包装されたチョコレート菓子を空中から取り出し、私に握らせてくれる。
「ありがとう、お兄様!」
本当はお菓子なんて要らなくて、こうして二人と一緒に過ごせるだけで、最高のハロウィンなのだけれど。
でも、お菓子があると、もっと最高、かも。
「お兄様、天使様、ハッピーハロウィン!」