いつか、並んで
私とあなたは歩幅が違った。
森で拾って来た時よちよち歩きだったあなたは、幼い私よりも小さな歩幅で必死について来た。数年後には私の背丈を越し、長い尾で家の中の物を倒しながら、私よりも大きな歩幅で歩き回った。
屋内で飼えなくなったあなたを外の小屋に繋いだ時、丸い目が私を不思議そうに見つめた。ひとりの寝床は冷たくて、壁越しの鳴き声が枕を濡らした。
あなたは私より速く歩いた。森を散歩するあなたの背を見るのが楽しかった。いつか並んで歩くのが楽しみだった。
違うのは歩幅だけでよかったのに。速いのは歩くのだけでよかったのに。
あなたがいない世界を歩く。いつかきっと追いつくから、それまで待っていて欲しい。
森で拾って来た時よちよち歩きだったあなたは、幼い私よりも小さな歩幅で必死について来た。数年後には私の背丈を越し、長い尾で家の中の物を倒しながら、私よりも大きな歩幅で歩き回った。
屋内で飼えなくなったあなたを外の小屋に繋いだ時、丸い目が私を不思議そうに見つめた。ひとりの寝床は冷たくて、壁越しの鳴き声が枕を濡らした。
あなたは私より速く歩いた。森を散歩するあなたの背を見るのが楽しかった。いつか並んで歩くのが楽しみだった。
違うのは歩幅だけでよかったのに。速いのは歩くのだけでよかったのに。
あなたがいない世界を歩く。いつかきっと追いつくから、それまで待っていて欲しい。
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