草むしりバレンタイン
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暗鬱な一月が過ぎ、二月になった。熱を出していたチグサの友人は、あれからすぐに良くなって、登校してきていた。大学内は相変わらず閑散としていて気詰まりなので、チグサと友人は、講義が終わると駅へ買い物に出かける毎日だった。
「そろそろバレンタインだね。でも彼氏いないウチらには関係ないか」
チョコメニューを全面に押し出した喫茶店で、友人が言う。チグサは苦笑いし、頷いた。
「ゼミの教授の分と、助手さんの分と、あとは友チョコだね」
「そうだねえ。今日は美味しそうなチョコでも買って行こうか」
「賛成」
デパートのチョコレート売り場は客でごった返していた。二人はその波を縫って、手頃なチョコを買い揃えた。チグサはずらりと並んだケースの中に、桃の形をしたチョコを見つけた。中には桃の味のペーストが入っているらしい。
「へえ……」
モモちゃんにぴったりじゃん、と思った。それほど親しいと言える間柄でもないが、この間は励ましもしてくれたし、何よりあの子には、自分の他に喋る相手もいないだろう。ましてやチョコを贈ってくれる相手など。
チグサはそれを買い求め、バレンタイン当日まで家にしまっておいた。
「そろそろバレンタインだね。でも彼氏いないウチらには関係ないか」
チョコメニューを全面に押し出した喫茶店で、友人が言う。チグサは苦笑いし、頷いた。
「ゼミの教授の分と、助手さんの分と、あとは友チョコだね」
「そうだねえ。今日は美味しそうなチョコでも買って行こうか」
「賛成」
デパートのチョコレート売り場は客でごった返していた。二人はその波を縫って、手頃なチョコを買い揃えた。チグサはずらりと並んだケースの中に、桃の形をしたチョコを見つけた。中には桃の味のペーストが入っているらしい。
「へえ……」
モモちゃんにぴったりじゃん、と思った。それほど親しいと言える間柄でもないが、この間は励ましもしてくれたし、何よりあの子には、自分の他に喋る相手もいないだろう。ましてやチョコを贈ってくれる相手など。
チグサはそれを買い求め、バレンタイン当日まで家にしまっておいた。